学部・研究科等ごとの目的
人文社会系学部の学士課程教育における専門性を担保しつつ、グローバル人材の基盤的資質としての高度な外国語の運用能力、コミュニケーション能力及びジェネリックスキルの涵養に重点的に取り組みます。すなわち、人文社会系諸分野を「多文化社会」の観点から再編・統合することで、政治・法律・経済等の社会科学系の知識と考え方と、世界の各地域の多様な社会・文化・歴史・宗教を理解できる人文学系の知識と考え方とをあわせ持つ人材を育成し、言語的・文化的背景を異とする人々と協働して、国際社会の様々な課題の解決に向けて行動できる人材を世界に送り出すことを目的としています。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
多文化社会学部は、全学共通のアドミッション・ポリシー(AP)に加えて、学部の教育理念、教育研究上の目的、ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)を踏まえて、入学者に以下の資質・素養を求めます。
・専門科目の学修の基盤となる高等学校卒業程度の基礎的・基本的知識を有している。
・英語を主とする外国語の運用能力の基礎が充実している。
・世界規模の多種多様な考え方や価値観を尊重しつつ、それらについて批判的に思考できる基礎を有する。
・世界の多文化状況を客観的に捉え、見出された課題の解決に向けて論理的に思考できる基礎を有する。
・自らの考えを整理し、表現するライティング能力(文章力)を有する。
・多様な人々と共生的な関係を築き、協働する為に必要なコミュニケーション能力・自己表現力の基礎を有する。
・世界の多文化状況や異文化交流に興味・関心を持ち、グローバルな視点で自ら学ぼうとする意欲がある。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
長崎大学のカリキュラム・ポリシーに沿って、多文化社会学部生が体系的かつ主体的に学修できるように教育課程を編成し、これに従って教育を行います。
多文化社会学部の教育プログラムは、既存の人文社会系の学問分野をグローバル化時代の多文化社会という視点から俯瞰するとともに、分野の境界を越えた知の枠組みの再編を、具体的な事例に即して経験することを目的としています。人文社会系の学問分野における専門知識の修得を担保しつつ、グローバル人材としての高度な外国語の運用能力・コミュニケーション能力と、ジェネリックスキルの涵養に重点を置いたプログラムを構築します。 また、教室やキャンパスにとどまらず、国内外の様々な出来事の現場で行動し発信することで、知識をグローバル社会の現実に結びつける経験を獲得することを目指します。
多文化社会学部では、社会的・文化的・言語的多様性の観点から、既存の人文社会系の学問分野を横断的に再編し、以下の5つのコースを新たな教育の領域として設定しています。
「国際公共政策コース」では、法学、政治学、経済学など社会科学の学問領域を中心として、紛争や軍縮、人権侵害、貧困や開発、法の支配、保健・衛生といった、国際社会が抱える様々な政策課題を学びます。
「社会動態コース」では、社会学、文化人類学、歴史学の学問領域を中心として、グローバルとローカルが交錯し合う現代社会の在り方を学びます。
「共生文化コース」では、思想、文化表象、宗教、歴史、メディアに焦点を当て、異なる文化だけではなく自らの文化を相対化して理解し、他者との共生をより豊かなものにするための人間観、文化理解を探求します。
「言語コミュニケーションコース」では、言語学,言語教育,コミュニケーション論を通じて、多文化社会における言語の個別性と普遍性及び言語と文化の関わりを学びます。
「オランダ特別コース」では、オランダに焦点を当てた学びを通じて、多文化社会であるヨーロッパ全体を俯瞰する視点を磨くとともに、現代オランダの社会制度から日本の近未来の課題を考察します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
多文化社会学部では5つのコースで定める教育プログラムにおいて所定の単位を修得し、以下の資質を身につけたと認められた者に対し、学士(多文化社会学)の学位を授与します。
① グローバル化する世界において、人文社会学系諸分野の幅広い知識を基礎として、社会的・文化的・言語的多様性の観点から、その意義を理解できる。
② 英語を中心とした高度な外国語運用能力を有し、グローバル化する世界の多文化状況において、円滑にコミュニケーションおよびプレゼンテーションを遂行できる。
③ 多文化社会が抱える様々な課題や現象について、適切なデータ・史資料の収集・分析、課題の発見・整理、調査の企画や実行を行うことができる。
④ 多様な人々と共生的な関係を築き、問題解決に向けて、パートナーシップやリーダーシップを発揮して行動できる。