学部・研究科等ごとの目的
長崎大学医学部医学科の開祖ポンペ・ファン・メールデルフォールトは,長崎において,日本で初めて患者を主体とした医療を実践し,わが国の近代西洋医学教育を創立した。本学科は,ポンペの言葉「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたびこの職務を選んだ以上,もはや医師は自分自身のものではなく,病める人のものである。もしそれを好まぬなら,他の職業を選ぶがよい。」を建学の基本理念とし,深い医学知識と豊かな創造性,高い倫理観を身につけた医師及び医学者を育成することを目標としている。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
医学科では入学者に以下の資質・素養を求めます。
・ 入学後の学修に必要な基礎学力を有している。医学に関する専門的知識を修得するために必要な科学的素養を広く有する。専門的情報を収集・理解する上で必要な日本語および英語の読解力・表現力 を有する。
・ 医学・医療分野の職業に生涯にわたり従事するというプロフェッショナリズムを認知して,強い目的意識と高い志を持つ。また,その実践のために必要な思考力,判断力を有する。
・ 生命の尊厳を重んじ,高い倫理観と豊かな人間性を持つ。
・ チーム医療への貢献のために必要な協調性,コミュニケーション能力,リーダーシップと強い責任感を有する。
・ 広く生命科学分野への探求心を有し,さらに,社会的諸問題や国際問題などへのグローバルな問題意識を常に持つ。
・ 地域社会における問題点解決に取り組む積極性を有する。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
全ての科目で,全てのディプロマ・ポリシーを,学年を経るごとに,基本的なレベルから高度なレベルまで段階的に学びます。
・ 入門科目で,医学に関連する基礎的知識を学びます。学修の到達度は,主に筆記試験やレポートにより評価します。
・ 専門基礎科目で,卒業時学修成果を達成するためにディプロマ・ポリシーに示す基本的知識・技能・態度を学びます。
学修の到達度は,主に筆記試験やレポートにより評価します。
・ 専門科目で,卒業時学修成果を達成するためにディプロマ・ポリシーに示す高度な知識・技能・態度を学びます。
学修の到達度は,主に筆記試験やレポート,シミュレーションテスト,観察記録などにより評価します。
・ 発展的専門科目で,学修成果を達成するためにディプロマ・ポリシーに示す,知識・技能・態度の統合的実践能力を養います。
学修の到達度は,主に授業への参加度や実地試験,振り返り,レポート,観察記録などにより評価します。
・ 他専攻との共修科目により,医療・保健・福祉の多職種連携・協働のあり方を学ぶとともに,必要な協調性やリーダーシップを養います。学修の到達度は,主に観察記録やレポートを通して評価します。
・ 医と社会について学ぶ科目により,医療・保健・福祉と社会の関係や倫理観,良好なコミュニケーションの構築などについて主体的に考える力を養います。学修の到達度は,主に授業への参加度により評価します。
・長崎の医学史や国際社会に関する科目により,利他的精神および平和の希求に基づいた行動ができるとともに,多角的な視点に基づいて国際社会に貢献できる能力を養います。
学修の到達度は,主に授業への参加度やレポート,観察記録,実地試験により評価します。
・地域医療に関する科目により,地域に根差した医療を実践し,地域社会に貢献できる能力を養います。
学修の到達度は,主に授業への参加度やレポート,観察記録,実地試験により評価します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
所定のカリキュラムによる教育プログラムに定められた単位を修得し、
1, 豊かな人間性
長崎大学医学部医学科学生は、豊かな人間性を身につけ、患者の心理に寄り添い、多職種と協調して良好なチーム医療を実践する事ができる。
1.患者の権利と人格を尊重し、良好な関係を築くことができる。
2.多職種と良好な人間関係を構築し、チーム医療を実践することができる。
3.医師の職責の重要性を理解し、高い倫理観に基づき、医師として責任のある行動をとることができる。
2, 医学的専門性
長崎大学医学部医学科学生は、医学・医療の専門的知識を有し、総合的理解に基づいて課題を探求し、適切に解決できる。
1.医学の基盤となる基礎医学と臨床医学の知識を修得し、疾患の病態を理解し、説明できる。
2.患者の症候・病態を理解し、適切な診療計画の立案とプレゼンテーションができる。
3.社会医学の知識を修得し、人々の疾病を予防し、健康を維持・増進する方策を説明できる。
3, 科学的思考
長崎大学医学部医学科学生は、医学研究の必要性を理解し、研究に参加すると共に、論理的かつ独創的な思考ができる。
1.医学研究の意義や重要性を理解している。
2.論理的かつ医学的創造性に基づいた思考や発想ができる。
3.既存の医学と医療を更に進歩させるため、科学的研究に取り組む事ができる。
4、長崎医学に基づく国際性と地域性
長崎大学医学部医学科学生は、長崎の医学史を理解し、多角的な視点に基づいて国際社会と地域社会に貢献することができる。
1.長崎の歴史を理解し、利他的精神および平和の希求に基づいた行動ができる。
2.多様化を伴う国際社会において、他国の医師や医学研究者と協働し、リーダーシップをとる事ができる。
3.地域社会の多様なニーズに応える思考と態度を身につけて行動できる。
と認められた者に対し、学士(医学)の学位を授与します。