学部・研究科等の特色等
◆シミュレーションを活かし、社会から自然まで現実的な課題の解決を目指す人材を養成します。
歴史に学べと先人は言う。けれども、多様化・複雑化するこの世界を解き明かすには新しい力が必要だ。シミュレーション学。未来を映し出す新しい学問・・・。
◆教育理念
Simulation Studies「シミュレーション学」は、理論や実験と並ぶ方法論として、自然科学だけにとどまらず、社会の持続可能性や環境問題など現実の課題解決への応用が期待されています。本研究科におけるシミュレーションとは、自然科学から社会科学まで科学的な方法論としてシミュレーションを活用していくものです。シミュレーション技術に加えて、問題発見から解決に至るまでの物語をつくりながら、一定の仮定やシナリオの下で、対象の本質と全体像を描くこと、それを専門でない人々に適切に伝えることができるような人材を育てます。
■「シミュレーション学」とは?
シミュレーションを用いた学問(シミュレーション学:simulation studies)は多岐に及び、世界の大学や研究機関での研究が盛んになりつつあります。この学問分野の研究対象は、自然科学だけにとどまらず社会科学・人文科学・ものづくり・ビジネスマネジメントなどの多方面にわたりますが、本研究科においては、シミュレーションを用いて現代社会の諸問題を解決し、人類の幸福と科学の発展に寄与するための研究を行います。
◆政策問題:財政や社会保障の持続可能性や経済システム自体の課題に関連する政策提言を目指す研究
(研究対象例)財政シミュレーション/社会保障に関わる政策問題/大規模経済ネットワーク
◆産業の新展開:産業技術のイノベーションによりエネルギー・資源の効率的活用や健康で活力ある暮らしに寄与する研究
(研究対象例)材料設計/製品設計/生産システム/新エネルギー/希少元素
◆自然環境:自然と人間の共生と持続可能な環境保全を目指す研究
(研究対象例)災害に強いまちづくり/生態系サービス/人間社会と地球温暖化/気象シミュレーション
◆基盤分野:情報科学・計算科学の視点からシミュレーション関連分野の発展に寄与する研究
(研究対象例)大規模データ可視可/統計解析/超並列計算/プログラム開発/非線形科学
■シミュレーション教育は世界初!
社会科学(文系)から自然科学(理系)にわたっ体系的、統一的にシミュレーションを教育する機関は世界に類を見ません。修了後は、様々な分野でシミュレーションのスペシャリストして活躍が期待できます。
■計算科学連携センターの設置 (2014年4月)
理化学研究所の京速コンピュータ(京)をはじめ、国内の大学や研究機関と連携した「計算科学連携センター」(英語名称: Center for Cooperative Work on Computational Science, University of Hyogo)が神戸情報科学キャンパス内に設置されました。各機関との研究や交流を促進し、人材育成や研究成果の社会還元を目指します。
◆センター設置の趣旨
兵庫県立大学は、理化学研究所(RIKEN)計算科学研究機構(AICS)が設置した京速コンピュータ「京」をはじめとして、国内の大学・研究機関と連携し、研究や交流を促進させ、スーパーコンピュータに代表される「ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)」の分野で、人材育成や研究成果の社会還元を促進するために、神戸情報科学キャンパスに「計算科学連携センター」を設置しました。
◆内容
○社会人人材育成
計算科学振興財団(FOCUS)と連携し、計算科学や並列計算の基礎、並列計算機導入の技術面での方法などを教育する講座を開設します。
○共同研究
兵庫県立大学及び全国の大学・研究機関の研究者の研究交流拠点として、研究環境を提供し、交流を通じて共同研究を育てます。
○社会科学シミュレーションのあり方検討
大規模計算、超並列計算が重要となる社会科学的な研究課題とその取り組み方法などをワークショップ形式で議論を行います。
○大規模データ処理
理化学研究所播磨事業所、計算科学振興財団および本学高度産業科学技術研究所などと連携して、放射光施設で得られる大規模データの転送、解析等の方法と計算科学的方法との融合の方法について共同で研究を行います。