学部・研究科等ごとの目的
農学部は,「知と実践の融合」を図る取り組みのなかで,食料,生命,環境,獣医療等の領域に関する教育研究を行うとともに,豊かな人間性と国際的な幅広い視野と創造性をもって人類及び動物の生存と福祉に貢献できる人材を養成することを目的とし,各学科の教育研究上の目的は,次のとおりとする。
【共同獣医学科】
あらゆる動物の健康維持,病態解明と治療法の開発、家畜感染症及び人獣共通感染症,安全な畜産物の提供などに関する教育研究を行うとともに,獣医学に対する多様化・高度化する社会的要請に対応し,獣医師の職務を遂行する上で必要な実践的行動力及び国際通用性を備えた人材を養成する。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
農学部では、人類の持続的生存と福祉への貢献を目指す次のような人を求めています。
1.文化、社会、自然に関する基本的な知識・技能を有する人
2.大学で学ぶにあたり、基礎的な思考力、判断力、表現力を修得している人
3.自己の能力を継続的に向上させようとする意欲がある人
4.倫理観及び責任感をもち他者と協働して社会に貢献したいと考えている人
5.食料、環境、いのちについて強い関心を持ち、自主的、自発的に学ぶ意欲を持つ人
6.国内外で農学の発展に積極的に貢献したいと考えている人
【共同獣医学科】
岐阜大学・鳥取大学共同獣医学科では、動物、人間社会、環境の健全性の維持に貢献し、多様化、高度化、国際化しつつある獣医学に対する社会的要請に対応できる獣医師の養成を目指しています。そのため、以下に掲げる意欲を持つ人材を求めます。
1.高度な獣医学教育に対応し得る高い総合的学力を備えている人
2.国際性及び科学的・論理的思考の習得に必要な基礎的な語学力と理系の知識を備えている人
3.自然や生命に強い興味を持ち、それを探究する意欲を持つ人
4.獣医学に関わる高い倫理観と使命感、コミュニケーション能力を備える人
5.獣医師としての目的意識を持ち、獣医学を通じて社会の発展に貢献する意欲を持つ人
6.公衆衛生や環境衛生、動物の病気の診断・治療等の幅広い分野について強い意識を持って学習に励む人
7.国際交流に積極的に関わり、獣医師として世界に貢献する意欲を持つ人
共同獣医学科では、これらの人を受け入れるため、入学者に求める能力やその評価方法を、知識・技能、思考力・判断力、表現力、主体性・協働性などと関連付けて明示し、大学入学共通テストを利用する一般選抜のほか、学校推薦型選抜などを活用して多面的かつ総合的な評価による入学者の選考を行います。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
農学部は、大学の教育課程編成・実施の方針に加え、動植物のいのちを育む力、守る力、探究する力を養う教育を実践します。そのために各学科の「専門科目」または「専門教育科目」を通じて、基礎的専門知識と課題探究能力を備え、実践力のある人材を育成出来る様な教育課程を編成し、実施します。
共同獣医学科は、大学の教育課程編成・実施の方針に加え、動物の健康の増進、公衆衛生の向上、人間社会や環境における健全性の維持に貢献できる、あらゆる命の専門家の育成が教育上の理念です。そのため、日本だけでなく国際社会をリードする者に不可欠な教養教育を基盤に、動物に関わる総合的・実践的かつ高度な獣医学教育を展開します。
1.一般教養科目
人として、さらに獣医師として必要な自然科学の基盤、社会的規範及び国際性など、多様な領域について学問的関心を持ち、幅広い総合的な判断力を培い、かつ豊かな人間性を涵養することを目的とする教育を実施します。また、獣医学専門教育を開始する準備として、少人数を対象とした個別指導教育の実施や獣医学の多様性と獣医師の社会的役割を概説します。
2.専門教育科目
斉一教育科目群と専修教育科目群から構成されます。前者は、獣医学モデル・コア・カリキュラムに準拠した科目について、多様化する獣医師の職務を遂行する上で必要な知識・技能に関する教育を実施します。専修教育科目群は、実践的体験学習(インターンシップ)、卒業研究及びアドバンス科目(選択科目)等からなり、問題解決力、課題探究力、論理的思考力、プレゼンテーション能力、英語活用能力及び実践的行動力を養います。
3.学修成果の評価方針
学修成果の評価については鳥取大学単位認定規則に則り実施します。また、各科目のシラバスに記載された成績評価方法と基準及び学部の定める成績評価基準などに基づき、授業目標への達成度により評価します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
農学部は,大学の卒業認定・学位授与方針に加え,学生が各学科における学修と経験を通じて,次の要件を満たしたときに「学士(農学)」または「学士(獣医学)」の学位を授与します。
共同獣医学科は,大学の卒業認定・学位授与方針に加え,岐阜大学・鳥取大学共同獣医学科に6年以上在学し,卒業に必要な単位を修得することが,学位授与の要件です。また,これにより獣医師国家試験の受験資格が与えられます。共同獣医学科の課程を修了することにより,以下に掲げる能力を身につけた人材の輩出を目指します。
1.伴侶動物,産業動物,実験動物,野生動物の健康の維持に関する幅広い知識と技能を有する人材
2.口蹄疫のような大規模家畜伝染病の突発的な発生などに際しても対応できる問題解決能力を有する人材
3.未知の疾患や難治疾患に接した際などにも対応策を探し出すことができる科学的・論理的思考力を有する人材
4.災害などに際して動物の健康維持のみならず公衆衛生業務にも迅速に携わることができる実践的行動力を有する人材
5.コミュニケーションスキルが高く,動物の所有者との信頼構築や衛生行政の円滑な遂行などに必要な社会性と獣医学関連海外事情を積極的に収集できる国際性に優れた人材
6.食の安全・安心や家畜感染症及び人獣共通感染症などのリスクマネジメント能力を有する人材
7.国際獣疫事務局(OIE)のミニマム・コンピテンシーに記載されている多様化,高度化,国際化しつつある獣医学に対する社会的要請に対応し,公共獣医事(Veterinary Service)を担うことができる人材