総合理工学部

１．教育課程の編成方針
（１）総合理工学部では，ディプロマ・ポリシーに述べるような人材を育成するため，以下のようにカリキュラムを編成しています。

体系性：
　総合理工学部には，社会の多様なニーズに応えられるよう，以下の７学科，13 教育コースがあり，それぞれのコースに卒業までに修得すべき学修到達目標が定められて人材育成が行われます。

学 科 　　　　　　　　　　　　教育コース
物理工学科 　　　　　　　　 基礎物理学コース 電子デバイス工学コース
物質化学科 　　　　　　　　 基礎化学コース 機能材料化学コース
地球科学科 　　　　　　　　 地球物質資源科学コース 地球環境科学コース
　　　　　　　　　　　　　　　　自然災害科学コース
数理科学科　　 　　　　　　 数理基幹コース 数理展開コース
知能情報デザイン学科 　　情報システムデザインコース データサイエンスコース
機械・電気電子工学科
建築デザイン学科　　　　　 建築構造・住環境コース 建築計画デザインコース

　全ての学科において，教育課程は全学基礎教育と専門教育からなり，以下のように体系的に構成されています。
　全学基礎教育は，現代社会が求める基礎的な資質・能力の成長を促すために，すべての学士課程に所属する学生が共通して学修する教育課程であり，「島大 STEAM 科目群」「ユニバーサル科目群」「地域創生科目群」「教養育成科目群」の４つの科目群に分かれます。このうち「島大 STEAM 科目群」「ユニバーサル科目群」には必修科目が設定されています。「島大STEAM 科目群」では「数理・データサイエンスへの誘い（２単位）」と「情報科学（２単位）」，「ユニバーサル科目群」では「英語（６単位）」と「初修外国語（４単位）」，「SDGs 入門（２単位）」が必修科目です。このほかに，選択科目として４つの科目群から幅広い分野の授業科目を選択履修し，全学 CP が定める各科目群の目標への到達を促します。
　専門教育では基盤科目として理工学の専門分野に関する基礎力を身につけます。さらに学科毎に編成された専門科目群には講義形式の科目の他に，「実験」，「実習」，「演習」の科目が数多く設けられており，これらを学修することにより理工学の専門知識，応用力を身につけます。

段階性：
　全学基礎教育は主として１，２年次に履修し，専門教育の礎とします。専門教育においては，主として１年次に基盤科目を履修します。各学科の基盤科目には，専門を学ぶための導総理 5入科目として，初年次教育科目を設け，高校から大学教育への橋渡しとしています。専門教育科目は基礎的な科目から学年進行に従って発展的な科目を学修するように配置され，３年次以降学科内の希望するコースに分かれて応用力を身につけます。４年次には卒業研究を履修することにより，理工融合的，総合的視野からの分析力，課題解決力，創造力を高めます。

（２）
　総合理工学部では，専門分野での学修に加えて，自己のもう一つの成長の可能性を発現させるため，　「島根大学クロス教育」の履修を推奨します。「島根大学クロス教育」は，下に掲げるⓐ～ⓔの５つのプログラム・カテゴリーがあり，テーマや学問分野の異なる複数の教育プログラムによって構成されています。プログラムごとに修了に必要な単位数が定められています。総合理工学部では卒業までに「島根大学クロス教育」から１プログラム以上含んで学修することを推奨しています。
ⓐテーマ別プログラム（10 単位）
ⓑ他学部学問基礎プログラム（10 単位）
ⓒ同学部異領域専門プログラム（10 単位）
ⓓアドバンストプログラム（20 単位）
ⓔトランスボーダープログラム（30 単位）

（３）
　総合理工学部では，SDGs の目標とその達成への理解を促すため，全学基礎教育の「SDGs入門（２単位）」を必修科目として学修します。

　物理工学科では，特に専門教育科目の「基礎物理学 A（２単位）」や「基礎物理学 B（２単位）」などでの学修を通じて，物理に関する基礎知識を修得することで，SDGs の目標「４．質の高い教育をみんなに」の達成に資する人材を育成します。あるいは，「電子工学概論（２単位）」や「技術と社会（２単位）」などでの学修を通じて，技術を作り使うことの倫理を修得することで，SDGs の目標「12．つくる責任つかう責任」の達成に資する人材を育成します。さらに，全ての授業科目において，SDGs の 17 の目標との対応関係をシラバスに記載し，学生の関心に沿った授業選択を促します。

　物質化学科では，全ての授業科目において，SDGs の 17 の目標との対応関係をシラバスに記載し，学生の関心に沿った授業選択を促します。例えば，専門教育科目の「環境化学（２単位）」での学修を通じて，地域の水環境の調査や保全方法に関する知識を修得することで，SDGs の目標「６．安全な水とトイレを世界中に」の達成に資する人材を育成します。

　地球科学科では，特に専門教育科目の「自然災害学（２単位）」や「地質学と社会（１単位）」での学修を通じて，自然災害とその素因となる地質学的背景についての知識や調査技法を修得することで，SDGs の目標「11．住み続けられるまちづくりを」の達成に資する人材を育成します。さらに，全ての授業科目において，SDGs の 17 の目標との対応関係をシラバスに記載し，学生の関心に沿った授業選択を促します。

　数理科学科では，基礎的な数学科目である集合論，微分積分学，線形代数学，統計学の学修を通じ，SDGs の 17 の目標に関係する諸問題を科学的に解決できる人材を育成します。また，専門教育科目の「数理科学入門セミナー（２単位）」や「数学輪講（２単位）」での学修を通じて，現代数学の深い知識を幅広く修得し，「数学国際セミナー（２単位）」での学修を通じて，国際的な視野を養うことで，SDGs の目標「４．質の高い教育をみんなに」や「９. 産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に資する人材を育成します。

　知能情報デザイン学科では，SDGs の目標とその達成への理解を促すため，全学基礎教育の「情報科学（２単位）」を必修科目として学修します。また，SDGs の目標９「産業と技術革新の基盤をつくろう」に資するべく，特に専門科目（必修）の「システム創成プロジェクト A（４単位）」「同 B（６単位）」において IT 技術を地域の企業と共同の PBL 授業で実践し，さらに，専門科目（必修及び選択）に，産業界で広く応用されている IT 技術であるデータサイエンス，計算機科学，プログラミング，ネットワーク，セキュリティに関する科目を厚く配置することで，産業界において IT 技術によりイノベーションを実現する人材を育成します。

　機械・電気電子工学科では，基盤科目の「機械工学概論（２単位）」，「電気電子工学概論（２単位）」，機械工学と電気電子工学の各分野の多くの専門教育科目，および，専門教育科目「技術と社会（２単位）」を学修します。このことを通じて，機械工学と電気電子工学を修得し，かつ，それらの社会の中での役割を理解したうえで，社会インフラの整備・維持や，工業製品の開発に携わり，SDGs の目標「９．産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に資する人材を育成します。また，専門教育科目「電気システム（２単位）」，「回路理論 I（２単位）」，「回路理論 II（２単位）」の学修を通じて，電力工学の基礎を学び，SDGs の目標「７．エネ
ルギーをみんなに。そしてクリーンに」の達成に資する人材を育成します。さらに，全ての授業科目において，SDGs の 17 の目標との対応関係をシラバスに記載し，学生の関心に沿った授業選択を促します。

　建築デザイン学科では，SDGs の目標とその達成への理解を促すため，全学基礎教育の「SDGs 入門（２単位）」を必修科目として学修します。また，専門教育科目の「建築計画（２単位）」，「住環境基礎（２単位）」や「建築材料学（２単位）」，「製図基礎演習（２単位）」他多数の授業科目の学修を通じて，人々の健康，安全，快適な暮らしを実現・持続するための建築デザインの基盤を修得します。当学科では，これらの過程を通して，SDGs の目標「３．すべての人に健康と福祉を」，「９．産業と技術革新の基盤をつくろう」，「11．住み続けられるまちづくりを」の達成に資する人材を育成します。さらに，全ての授業科目において，SDGsの 17 の目標との対応関係をシラバスに記載し，学生の関心に沿った授業選択を促します。

２．教育課程における教育・学修方法に関する方針
（１）
専門教育科目には，講義形式（座学）の科目の他に，「実験」，「実習」，「演習」の科目を数多く設けています。実験装置，器具や薬品の扱いに習熟し，フィールドワークを行い，演習問題に取り組むことにより，実践力を養います。これらの科目にはグループで行う内容も多く含まれており，パートナーシップで目標を達成するチームワーク力を身につけます。また，反転授業やその他の能動的授業の推進や大学院生による TA 制度を充実させることで，主体的に学ぶ態度が身につくように工夫されています。

（２）
４年次に，「卒業研究」または「卒業論文」を必修科目として設けます。専門知識・技能の集大成とともに，大学において修得した知識・課題解決能力・コミュニケーション能力を最大限に発揮できるように教員の個別指導に基づき専門分野の研究を行います。指導教員によるチューター制度，大学院学生によるメンター制度を利用し，学生自らが課題を持って，計画的に科目を履修し，継続し学習することで，卒業時に各学科教育コースの教育到達目標を達成できるよう支援を行います。

（３）
専門教育科目の中に，「理工学 PBL 実習 A,B」，「海外就業体験」等を設け，企業へのインターンシップ制度を利用してのキャリア教育を受ける機会を多く設けて，つくる責任やつかう責任への意識を醸成します。「理工学 PBL 実習 A,B」では，４名程度のチーム・グループをつくり，山陰地域を中心とする企業の方の指導のもと実践的な課題に取り組むことにより，住み続けられるまちづくりを目標の一つに掲げ，課題設定，問題解決，マネージメントの能力を育成します。「海外就業体験」では，海外の企業等で実地経験を積むことにより，文化や価値観の違いを体感し，国際的視野を養うことを目的としています。また，国際センターと協力し，海外の協定大学などとの交流の推進も図ります。

（４）
教育職員免許状（中学・高等学校の一種免許状―数学，理科，情報，工業），修習技術者（技術士の資格のための一次試験免除），学芸員，建築士の受験資格など，各学科教育コースにより様々な資格取得が可能です。また，大学教育センターと連携して，就職活動を支援します。

３．学修成果の評価の方針
（１）
カリキュラム・ポリシーに沿って実施される各授業科目の学修成果は，シラバスに記載された基準に基づき，試験，レポート，授業中の活動への参加状況等により総合的に評価します。
（２）
卒業研究・卒業論文の成果は，各学科での卒業研究発表会あるいは卒業論文において発表され，単位認定のための審査は，複数の教員により厳正に行われます。
（３）
ディプロマ・ポリシーに掲げる教育成果の達成状況は，GPA や各学科・コースで定められた卒業要件単位の修得状況により判断します。

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・人材育成目標（社会における顕在・潜在ニーズ，卒業生が身につけるべき資質・能力）

　現代の社会においては，新たな知の創出と知の活用によるさらなる科学技術の発展が求められています。一方で，限りある地球を次世代に引き継ぎ，自然と共生する豊かで平等な社会を実現しなければなりません。総合理工学部では，理学，工学の教育・研究を基盤に，従来の枠組みを超えた分野間での有機的な連携を図り，新たな視点に立った理工融合型の教育を推進することにより，専門的知識と総合的視野および主体性をもち，社会の発展に寄与できる能力を身につけた者に学士（総合理工学）を授与します。

・目標としての学修成果（学修成果として身につく具体的な資質・能力の項目）

１．豊かな教養や倫理観を持ち，人類社会や地球環境とのかかわりについて総合的に考え，判断できる。
２．情報収集力，判断力，分析力を身につけ，社会に貢献し, 活躍できる。
３．コミュニケーション能力, チームワーク力を身につけ，社会に貢献し，活躍できる。
４．国際的視野を身につけると共に，地域の文化・伝統を理解し，地域あるいは世界に及ぶ課題を，理工学の専門知識を用いて，解決に努め，社会の持続可能な発展に寄与する能力を身につけている。
５．修得して専門知識・技術をさらに高め，継続して学ぶことで課題を発見し，これらを解決する能力を身につけている。

・DP と特に関わりが深い SDGs17 の目標（学士課程を通じた資質・能力の習得が，社会におけるSDGs のゴール達成とどのように関わるか）

１．SDG「３．すべての人に健康と福祉を」
　学士（総合理工学）取得者のうち，建築デザイン学科の卒業者は，建築デザインの各種技能や計画, 構造または環境分野の様々な技術開発に関する知識を修得しており，人々の健康，快適な暮らしの実現と持続に資する人材として活躍できる基盤を有しています。

２．SDG「４．質の高い教育をみんなに」
　学士（総合理工学）取得者のうち，物理工学科の卒業者は，物理や工学の基礎的知識を理解・修得しており，その知識を礎として理科教員として中学・高校で質の高い教育を広く指導する基盤を有しています。
　数理科学科の卒業者は，現代数学の深い知識を幅広く修得しており，社会の事象を数理的に捉え，論理的に表現・処理することで問題を解決する資質・能力を有しています。

３．SDG「６. 安全な水とトイレを世界中に」
　学士（総合理工学）取得者のうち，物質化学科の卒業者は，地域に根ざした水環境の保全に必要な技術や知識等，公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。

４．SDG「７．エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
　学士（総合理工学）取得者のうち，物理工学科の卒業者は，エネルギーの保存や変換の原理を理解し，クリーンエネルギーの普及を促進する様々な技術開発に関する知識を修得しており，社会で活躍できる基盤を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，物質化学科の卒業者は，高い効率でエネルギー変換や物質合成を行う方法の開拓に必要な技術や知識等，公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，機械・電気電子工学科の卒業者は，機械工学と電気電子工学を修得した人材として，社会インフラの整備・維持や，工業製品の開発を通じて，社会の発展に貢献できる能力を有しています。また，電力工学の技術者として発電や送電に関する業務に従事したり，エネルギー効率が高い機械製品や電気製品の開発に従事したりできる能力を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，物質化学科の卒業者は，新素材の開発に必要な技術や知識等，公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。

５．SDG「８．働きがいも経済成長も」
　学士（総合理工学）取得者のうち，物理工学科の卒業者は，先進的な技術を開発できる基礎的知識を理解・修得しており，その知識を礎として働き甲斐があり，かつ経済成長も実現できる産業で活躍できる基盤を有しています。

６．SDG「９．産業と技術革新の基盤を作ろう」
　学士（総合理工学）取得者のうち，物理工学科の卒業者は, 物理学と工学に関する専門的知識を理解・修得しており，その知識を礎として新たな産業と技術革新の基盤を作る素養を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，物質化学科の卒業者は，新素材の開発に必要な技術や知識等，公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，知能情報デザイン学科の卒業生は，革新的な技術の開発に不可欠な要素である，データサイエンス，コンピュータサイエンス，プログラミングなどの能力を修得しています。卒業生は，地元企業を含め，IT，ソフトウェア開発，システムインテグレーター，通信サービス業，電子機器製造業，コンサルティング企業等で活躍できる能力を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，機械・電気電子工学科の卒業者は，機械工学と電気電子工学を修得した人材として，社会インフラの整備・維持や，工業製品の開発を通じて，社会の発展に貢献できる能力を有しています。また，電力工学の技術者として発電や送電に関する業務に従事したり，エネルギー効率が高い機械製品や電気製品の開発に従事したりできる能力を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，建築デザイン学科の卒業者は，環境分野の様々な技術開発に関する知識を修得しており，人々の健康，安全，快適な暮らしの実現と持続に資する人材として活躍できる基盤を有しています。

７．SDG「11．住みつづけられる街づくりを」
　学士（総合理工学）取得者のうち，地球科学科の卒業者は，自然災害のメカニズムや発生予測についての知識を修得しており，安心・安全で持続可能な暮らしに資する公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。
　学士（総合理工学）取得者のうち，建築デザイン学科の卒業者は，建築デザインの各種技能や計画, 構造に関する知識を修得しており，人々の快適な暮らしの実現と持続に資する人材として活躍できる基盤を有しています。

８．SDG「12．つくる責任つかう責任」
　学士（総合理工学）取得者のうち物理工学科の卒業者は，技術と社会の関わりを理解しており，その知識を礎としてつくる責任とつかう責任に関して判断し適切に対応できる基盤を有しています。

９．SDG「13．気候変動に具体的な対策を」
　学士（総合理工学）取得者のうち，地球科学科の卒業者は，地質学的スケールの気候変動についての知識を修得しており，安心・安全で持続可能な暮らしに資する公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。

10．SDG「14．海の豊かさを守ろう」，SDG「15．陸の豊かさを守ろう」
　学士（総合理工学）取得者のうち，地球科学科の卒業者は，海域および陸域との接点となる汽水域の環境とその評価に関する知識や調査技法を修得しており，安心・安全で持続可能な暮らしに資する公務や民間企業等で活躍できる基盤を有しています。

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内訳（検定料　３０，０００円　　入学料　２８２，０００円）
支払期日　検定料－出願時
　　　　　　　入学料－入学手続時