学部・研究科等ごとの目的
看護学研究科は、人間の存在と生命の尊厳に基づいて、広い視野に立って精深な学識を授け、看護学の学術基盤を充実・発展させ、さらに革新することに寄与できる高度な教育・研究・実践能力を養うことを目的とする。
博士前期課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、高度な専門的実践能力と看護学分野における研究能力を養うことを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
博士前期課程は、広い視野に立って、精深な学識を授け、高度な専門的実践能力と看護学分野における研究能力を有する人材を育成します。
したがって、博士前期課程では、次のような人を求めています。
求める学生像
1.看護理論や看護研究に対する基礎的知識と科学的思考力をもつ人
2.専門的知識・技術に基づき看護を展開する能力をもつ人
3.看護学を創造していくために必要な自らの看護観・人間観・倫理観をもつ人
4.看護現象を多面的に捉え、看護学を探求する力をもつ人
5.生涯にわたって高度実践看護職者・教育者として、研鑽し続ける力をもつ人
6.社会の変化や健康課題についての問題意識をもち、保健医療福祉や看護学教育を革新したいと考えている人
入学者選抜の基本方針
博士前期課程における入学者選抜の出願区分として「一般」及び「学内推薦」をおきます。各出願区分の入学者選抜の基本方針は以下のとおりとします。
一般
本区分では、「英語」「小論文」「専門科目」「面接」の試験を行い、以下の能力を総合的に評価します。
英語:
英文の読解能力と設問の内容を的確に把握し、解答する能力について評価します。
小論文:
看護学の発展に寄与する専門的知識、看護に対する専門職業人としての洞察力、論理性と抽象的に思考する力を評価します。
専門科目:
看護の専門的能力(専門的知識、実践能力)、論理的思考力及び社会や健康に関わる課題を分析する能力について評価します。
面接:
看護専門職業人としての能力、基礎的な知的能力及び研究を遂行していく能力を点数化して評価します。実践リーダーコースにおいては面接時に研究計画書を活用します。
学内推薦
本区分では、「小論文」「面接」の試験を行い、以下の能力を総合的に評価します。
小論文:
看護学の発展に寄与する専門的知識、看護に対する専門職業人としての洞察力、論理性と抽象的に思考する力を評価します。
面接:
看護専門職業人としての能力、基礎的な知的能力及び研究を遂行していく能力を点数化して評価します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
博士前期課程では、広い視野に立って精深な学識を授け、高度な専門的実践能力と看護学分野における研究能力を養うために、教育理念に基づき、高度実践看護師(以下CNS)コース、研究コース、及び実践リーダーコースを設け、以下のようなカリキュラム(教育課程)を編成している。
(構造・内容)
1.カリキュラムを構成する科目群として「共通科目(大学院共通科目・専攻共通科目)」と「領域専門科目」の科目群をおく。
2.CNS コースは、がん看護学、慢性看護学、クリティカルケア看護学、小児看護学、老人看護学、精神看護学、家族看護学、在宅看護学の8 領域を設け、各領域で必要な講義・演習・実践演習・課題研究を含む、専門看護師認定試験受験に必要な科目をおく。
3.研究コースは、共創看護学、成人看護学、母性看護学、小児看護学、家族看護学、地域看護学、災害・国際看護学、看護管理学の8領域を設け、各領域で必要な講義・演習・研究を含む専門科目をおく。
4.実践リーダーコースは、臨床看護学と地域保健学の2領域を設け、各領域で必要な講義・演習・研究を含む科目をおく。
5.認定看護管理者認定審査受験、養護教諭専修免許、高等学校教諭(看護)専修免許に必要な科目をおく。
(順序性)
6.1年次は看護学の学術的基盤を形成するためにCNSコース、研究コース、実践リーダーコースともに共通科目、1年次後半から2年次は専門性を高める領域専門科目を選択し、コースワークを踏まえて研究支援科目を履修できるように編成している。
7.修士論文作成に向けて、2年次に研究計画書の提出、中間報告会の開催、修士論文を提出するように編成している。
(教育方法)
8.前期課程のディプロマ・ポリシーに沿う能力を学生の将来ビジョンに向けて修得できるように、CNS コース、研究コース、実践リーダーコースの履修モデルを提示し、履修指導を行う。
9.前期課程のディプロマ・ポリシーに沿う能力を学生が修得できるように、講義、演習、実習、研究指導を行う。事前・事後課題、グループワーク、グループ討議、アクティブラーニング、シミュレーション等により、学生が主体的に学ぶ方法、専門性を高める方法を取り入れる。
10.実践リーダーコースは、大学院設置基準第14 条特例に基づくコースで、授業は原則、土曜日・日曜日開講する。
(評価方法)
11.各講義科目・演習科目・実習科目では、前期課程のディプロマ・ポリシーに沿った達成目標および成績評価の方法・基準をシラバスや実習要項により周知し、自己評価・授業評価、教員による評価を行う。修了時にはディプロマ・ポリシーに基づく評価(論文審査・最終試験)を行う。
12.修了時には学生によるディプロマ・ポリシーの達成度、修士課程で修得すべき能力の評価、カリキュラム評価を行い、カリキュラムの評価・改善を図り、教育の質保証を行う。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
博士前期課程は、広い視野に立って精深な学識を授け、高度な専門的実践能力と看護分野における研究能力を養うことを目的とする。
1.個人‐家族‐地域を多角的、複眼的視点で捉え、看護専門領域に関する理論、関連領域の知識・技術、高い倫理観を基盤として、エビデンスに基づく高度な看護実践ができる能力を有している。
2.地域社会や生活環境の中で、人々が自立して健康生活を営むことができるように、地域の人々と協働して、健康を促進する地域文化の形成・発展に貢献できる能力を有している。
3.社会のニーズや健康に関する課題に積極的に関与し、他の職種の専門性を尊重した上で協働しながら社会状況に対応する方略を開発する能力を有している。
4.学際的視点をふまえて看護実践の場、教育や政策の場で看護現象を研究的視点でとらえ、論理的思考力、リーダシップとマネージメント力を発揮して変革者として貢献できる能力を有している。
5.看護実践を支える科学的・哲学的基盤を理解し、看護研究を通して、看護学の体系化とその発展に貢献できる教育・研究能力を有している。
6.国際的動向や多様な文化に関する幅広い知識や最新の情報を備えて、看護をグローバルな視点から捉え、看護の普遍性の追求と体系化に貢献できる能力を有している。