学部・研究科等ごとの目的
人間文化学部は、地域的視点と国際的視点との双方を往復しながら、わたしたちの生活をどのように見直し、どのように持続していくかを考えるための教育を行う。文化の多様性をとらえ、そこに参加していく方法を身につけることによって、それぞれの文化の衣食住環境や人間関係に沿った新たな関係を創造していくことのできる人材の養成を目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
地域文化学科
地域文化学科では、日本、特に近江の歴史・文化・社会、およびアジアとの交流に強い関心をもちながら自ら行動し、社会貢献の一環として学んだことを地域に還元し、科学的な目で地域を見つめてこれからの地域のありかたを探求する意欲を持ち、問題解決能力をもって独創的な発想ができる人材を養成します。この教育目標を達成するために、次のような学生を求めます。
(1)地域社会の過去と現在の諸問題を学ぶために必要な基礎学力を有する人(知識・理解)
(2)地域社会の諸問題について、学んだことをふまえて論理的に考え、判断する基礎力のある人(思考力・判断力)
(3)歴史・文化・社会に強い関心を持ち、自ら学ぶ強い意欲をもつ人(関心・意欲)
(4)ローカルな問題からグローバルな問題まで広い関心をもち、自らの考えを相手に伝え、多様な人々と交流できる人(表現力・協働性)
生活デザイン学科
生活デザイン学科では、人間に身近な生活環境の問題を発見し、その解決策を考え、社会に活躍できる人の育成を目指しています。この教育理念に沿って、人間に身近な生活環境としての住居、道具、服飾のデザインの理論と実践を学び、身近な生活環境を観察・分析して問題を発見し、その解決策を造形的・論理的に表現できる能力を身につけ、地域はもとより広く社会の発展に貢献できる人材の育成を、教育目標に掲げています。この教育目標を達成するために、次のような学生を求めます。
(1)高度な専門知識を身につけるための基礎学力を持っている人(知識・理解)
(2)柔軟かつ論理的に問題を解決する基礎力を持っている人(思考力・判断力)
(3)身近な生活環境に対する関心と観察力を持っている人(興味・関心、観察力)
(4)表現行為に興味を持ち主体的に創意工夫のできる人(表現力)
(5)積極的行動力を身につけるための基礎力を持っている人(行動力)
生活栄養学科
生活栄養学科は、科学的根拠に基づき、食事を介して栄養が健康に寄与するという認識を基盤として、人の健康に貢献する専門知識・技術を有する人材の育成を目的としています。そのため本学科では、学問の基礎の理解と実験・実習を重視し、栄養学の基礎から応用、実践にわたる体系的、多面的な教育・研究を行うことにより、管理栄養士として医療、保健、福祉、健康、スポーツ、教育、研究などの分野で活躍する人材の育成を行います。さらには、卒業後に大学院等で学ぶことにより、高度な専門知識・技術を有し、将来、リーダーとして活躍する管理栄養士、教育者、研究者になることを期待しています。この教育目標を達成するために、次のような学生を求めます。
(1)生命科学および栄養学に基づいた食、栄養、運動、健康の関わりに強い関心を持ち、自己の能力向上に対する意欲ならびに将来、管理栄養士として社会貢献する意欲のある人(関心・意欲)
(2)協働作業で自分の役割を理解し、積極的に実行することができる人(協働性)
(3)本学で生命科学および栄養学を学ぶために必要な基礎学力を有する人(知識・理解)
(4)今までに得た知識・教養・経験を組合せて論理的に思考を深め、その思考に基づいて適切に判断し、その結果や自分の考えを相手に伝える力を有する人(思考力・判断力・表現力)
人間関係学科
人間関係学科では、人間関係を生涯にわたって発達・変化していくものとして柔軟に捉え、自身と共同体との関わりについて考え続けるための総合的教育を行っています。入学後には、人間関係への興味・関心を持ち、さまざまな環境における人間どうしのあり方を記述し、実践的にとらえ直すことが中心課題となります。この教育目標を達成するために、次のような学生を求めます。
(1)さまざまな共同体で生じる問題に取り組むための基礎学力を有する人(知識・理解)
(2)自他の体験を客観的に記述し、とらえ直す力を有する人(思考力・構成力)
(3)さまざまな発達段階・環境における人と人との関わりに関心を持ち、自ら学ぶ強い意欲を有する人(関心・意欲)
(4)自分の考えや意見を表現し、相手に伝えるための基礎的な能力を有する人(読解力・表現力)
国際コミュニケーション学科
国際コミュニケーション学科は、グローバル化する現代社会において、広く活躍できる見識とコミュニケーション能力を備えた人材の育成を目標としています。この教育目標を達成するために、次のような学生を求めます。
(1)英語もしくは他の外国語(ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語など)について高い運用能力を身につけるために必要な語学力を有する人(知識・理解、技術・技能)
(2)幅広い知識や教養の基盤となる国語、地理歴史または公民、数学または理科についての基礎学力を有する人(知識・理解)
(3)自国および諸外国の社会・文化・歴史等への強い関心と学習への意欲を有する人(関心・意欲)
(4)自分の考えや意見を積極的に提示し、相手の理解を得るための基礎的な能力を有している人(表現力)
(5)グローバル化によって発生する課題について、人々との交流を通して、自らの見解を形成しようとする姿勢を有する人(協働性)
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
地域文化学科
地域文化学科は、幅広い知識を身につけ、課題を解決する人材を育成するという目的を達成するために、地域文化に関する科目を教授するための過程を以下のように編成している。
A.分析力
・史料、資料、図像、地図などから情報を収集し分析する能力を学ぶ。
・現状を分析し目的や課題を明らかにする能力を学ぶ。
・自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する情況把握力を養成する。
B.思考力
・自ら考える力を養成する。
・論理的に思考する能力を養成する。
C.創造力
・既存の概念に束縛されない自由な発想力を養う。
・既存のものを組み合わせて新たな価値を生み出す力を養成する
D.コミュ二ケーション力
・世代、国籍、専門を越えた意思疎通・共感力を養う。
・外国語の運用能力を養成する。
・文字、言葉を越えた意思疎通を養う。
E.リーダーシップ
・課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する計画力を養成する。
・目的を設定し確実に実行する力を養う。
・チームで問題解決できるコラボレーション力を養成する。
F.変化対応力
・複眼的な広い視野を養う。
・社会的変化、自己を取り巻く環境変化への対応力を養う。
・過去にとらわれない自由な発想力を養う。
G.自己実現力
・自己の適性を把握し伸ばす力を養う。
・社会の未来像と自己の将来像を見通す力を養う。
・自己の能力を発揮しつつ社会に貢献しようとする意欲を養う。
生活デザイン学科
生活デザイン学科では、人々の様々な生活シーンに関連する種々の問題を深く洞察し、研究分析を根拠とする実践的なデザイン発想を以て解決・提案のできる人材を育成することを目的としている。その目的を達成するために、生活デザイン学に関する科目を教授するための課程を、以下のカテゴリーに分けて編成している。
<人間文化学部全体の共通科目>
人間文化に関する科学的知見と、実践的な調査・分析手法を学ぶ。
<複数学科の共通科目>
専門分野に留まらない、幅広い視点から物事を考察する為の知見を学ぶ。
<本学科の学生を対象とする科目>
当該科目は、生活環境の構成に密接に関連する以下の3分野に大別される。また、3分野をまたぐ科目が配当されている。
(a)住居系:
住空間には、安全性、利便性、社会的公共性など様々な配慮が必要である。人の生活空間である住居および公共空間のインテリアを含むデザインについて、これを実践する為の技術と知識を身につける
(b)道具系:
人がその生活を支えるために使う工作物(モノ、プロダクト、製品)を道具と定義し、これらのデザインを具体的に実践する為に必要な技術と知識を身につける。
(c)服飾系:
着衣基体としての人体と、自然、社会、文化に広く関わる服飾について、自らの感性を活かして主体的にデザインを行うために必要な技術と知識を身につける。
(d)構想系:
時代にあった生活価値やビジョンを構想し、それらを実現する具体的仕組みをデザインする。「コトづくり」や「仕組みづくり」の技法思考法を身につける。
生活栄養学科
生活栄養学科は、ディプロマポリシーを達成するために、各分野に関する科目を教授するための課程を以下のようなカテゴリーに分けて、カリキュラム(教育課程)を編成しています。
A.自然環境、社会、人間に関する理解および管理栄養士の役割に関する理解
A-1.自然環境、社会、人間について地球的視点や地域の視点、さまざまな立場から多面的に理解し、幅広く深い教養を身につける。
A-2.人間の活動が人間・社会・自然に及ぼす影響および管理栄養士が社会に対して負っている責任について理解する能力および実践力を養う。
B.国際的にコミュニケーションできる基礎能力を身につける。
C.栄養学の基礎となる幅広い分野について理解する。
C-1.社会・環境の視点からみた健康について理解する。
C-2.人体の構造と機能及び疾病の成り立ちについて理解する。
C-3.運動の視点からみた健康について理解する。
C-4.食べ物の視点からみた健康について理解する。
D.専門分野に関する基礎学力を修得する。
D-1.栄養学の基礎となる基礎栄養学、応用栄養学を理解する。
D-2.栄養学の応用となる臨床栄養学、公衆栄養学、栄養教育論、給食経営管理論、スポーツ栄養学を理解する。
D-3.講義で学んだ知識を実験、実習、演習を通してより具体的に理解し、栄養管理に応用できる能力を養成する。
E.大学で学んだ栄養学の知識と技術を臨地実習で活用することができる。
F.自分の意見を論理的に整理し相手に分かりやすく伝える力、相手の意見を聴き理解する力を養う。
G.自らやるべきことを見つけて積極的に取り組む力、継続的に自己啓発と学習を続けていく力を養う。
H.課題の解決への道筋を明らかにする力、目標に向け確実に行動する力を身につける。
人間関係学科
本学科では、人間らしい心の発達と生きがいの感じられる生活や地域をはじめとする社会システムの構築に参加できる人材の養成をめざしています。心理学、教育学、社会学など人間関係論にかかわる各分野の関連専門科目が以下のようなカテゴリーに分けて配置され、学生はこれらを学びます。さらに学びの集大成として人間関係論にかかわるテーマで卒業研究にとりくみ、論文を作成します。
<学科基礎演習・実習科目>
基礎的な演習・実習を通して基本的なスキルや教養を身につける。
<学科専門講義科目>
専門的な講義を通して心理学、教育学、社会学をはじめ関連分野の知見を学ぶ。人間関係論をめぐる諸問題に関心を寄せ、視野を広げながら自分の興味を絞り込んでいく。
<学科専門演習・実習科目>
研究興味の重なる教員、学生と共同調査や文献の輪読などを行う。少人数学習の場の活発な議論を通じて専門的な研究力量を養う。問題を発見し、解決するための手法を探る。プレゼンテーション、ディスカッション、論理的思考のための力を少人数の演習・実習で身につける。
<卒業研究・卒業論文>
個々人の問題意識にもとづいて設定した研究テーマに沿って、調査・実験・分析する。それらをまとめ、わかりやすく表現する技法を習得し、独創性と論理性を備えた卒業論文を完成させる。
国際コミュニケーション学科
国際コミュニケーション学科では、自国や諸外国の社会・文化・歴史等に関する幅広い知識や教養、英語を中心とした複数の外国語の運用能力と国際的視野を身につけ、学生一人一人がグローバル化する現代社会において活躍できる「知と実践力」を身につけるための課程を、以下のようなカテゴリーに分けて編成しています。
A.学科基礎科目
国際的なコミュニケーションの基礎を身につけ、言語学の知識を身につける。
B.言語コミュニケーション科目
B-1.英語:「読む・聞く・話す・書く」の四技能をバランス良く身につける。
B-2.実践英語:TOEIC、TOEFLなどの検定試験に対応する力を身につける。
B-3.初習外国語:ドイツ語、フランス語、中国語、朝鮮語によるコミュニケーション能力を身につける。
B-4.言語と文化:言語・文学・文化など理論的な側面から学ぶ。英語による講義を理解する。
C.多文化コミュニケーション科目
C-1.多文化共生:多民族・多文化化する現代の世界や地域社会の課題を理解し、それに対応できる知と実践力を身につける。
C-2.国際教養:国際的視野を身につけ、異文化を理解するための方法論を身につける。
C-3.国際文化論:世界各地域、とりわけ留学先の文化・歴史・社会等への理解を深める。
D.演習科目
各科目群の学びをさらに深め、同時にプレゼンテーション、ディスカッション、論理的思考、問題発見・解決のための力を少人数の演習で身につける。
E.卒業研究・論文
論理的なアカデミック・ライティングと、内容の独創性を備えた卒業研究・論文で学びを集大成する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
人間文化学部では、以下の学位授与方針の下、各学科に即した教育目標が設けられています。
A.人間の文化に関する幅広い知識を身につけ、文化のさまざまな側面に対する理解を深める。(知識・理解)
B.大学で学んだことを手がかりに、多様なできごとに興味と関心を持ち問題を解決しようとする態度を身につける。(興味・関心)
C.自分の直面している問題に対して柔軟な思考と判断ができる。(思考・判断)
D.各専門領域に応じた調査・研究を行い、それを表現する技術・技能を身につける。(技術・技能)
滋賀県立大学では、卒業時点において学生が身につけるべき能力(教育研究上の目的)を以下のとおり定めます。これらの能力を獲得するともに、各学部に所定の年限在学し、全学ならびに各学部・学科の定める教育理念・教育目的に沿って設定された教育プログラムや授業科目を履修して、基準となる単位数を修得した学生に学位を授与し、卒業を認定します。
学位:学士
A.「全学共通基礎科目」、「人間学」、「地域基礎科目」等の「全学共通科目」の履修を通じて、基礎的な知識・技術を養うとともに、社会環境の変化に柔軟に対応できる豊かな人間性と、課題を発見、分析、解決する能力に加え、自ら探求する態度と姿勢を身につける。
B.各学部・学科の特性に応じて編成された体系的な教育を通じて、専門的な知識・技術を養うとともに、知識の活用能力、批判的・論理的思考力、課題探求力、問題解決力、表現能力、コミュニケーション能力などを総合する力を身につける。