学部・研究科等ごとの目的
本学部は,地域の創生を担い,グローバル化した社会の発展に寄与できる人材を育成するために,以下の能力を修得できる教育研究を展開することを目的とする。
(1) 現代の地域社会や国際社会の抱えている諸課題を理解,分析するために人文社会科学分野に関わる専門性と学際性に裏付けられた幅広い学識と自然科学分野の基礎的知識。
(2) 地域や社会の抱える現実の課題についての探究と解決に取り組むことのできる能力。
(3) グローバル化が進行する社会・地域の中で,広く世界を知り,多文化の中で主体的に生きていけるために必要な英語能力,多文化理解能力。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
■国際地域学部において養成する人物像
国際地域学部では,地域や国際社会が抱える複雑な諸課題を探究し,課題解決を実現するための実践的・総合的な能力を身につけることによって,地域の創生を担いグローバル化社会の発展に寄与できる人材を育成します。
■求める学生像
◇求める学生像
国際地域学部では,養成する人物像を踏まえ,以下のような学生を求めます。
①グローバル化によって地域から国際社会にまで起こっている複雑な諸課題について関心をもち,それについての探究を深め,課題解決に向けて主体的に取り組もうとする意欲のある人。
②課題の探究と解決に向けて,必要となる専門的な分野の学習に取り組む意欲を持つとともに,課題解決の方法を探り,他の人と協働して実践的に取り組んでいくことに積極的である人。
③世界共通語的性格をもつ英語をはじめとして,多文化社会の中で活躍できる外国語コミュニケーション能力を身につけることに意欲を持ち,他の人との対話を通して,活動を広げ深めようとする人。
◇入学前に学習しておくことが期待される内容
国際地域学部では,高等学校あるいはそれに準ずる教育課程において学習する基礎的学力が十分身についていることを前提に,英語能力を含む人文・社会科学分野を中心とした専門的知識・技能に加えて,現代の複合的な課題を理解し解決するために必要なデータサイエンス等の自然科学分野の基礎的知識・技能も修得します。そのため,高等学校段階までに学ぶ各教科について,十分な基礎的学力を身に付けておくとともに,国や地域,文化や言語の多様性に目を向け,文系・理系の枠組みにとらわれず幅広い学問領域や現代社会の諸課題に対する興味を育んでおくことが期待されます。
■入学者選抜の基本方針
様々な資質と背景を持った学生を受け入れるため,以下のような多様な入学者選抜を実施し,それぞれの選抜において,求める学生像にふさわしい能力・意欲・適性等を多面的かつ総合的に評価します。
①一般選抜(前期日程)
幅広い基礎学力を総合的に評価するために,大学入学共通テストを課します。さらに,教科・科目の学力を重視した学力検査を実施し,専門分野の学習に必要な知識・能力を評価します。
②一般選抜(後期日程)
幅広い基礎学力を総合的に評価するために,大学入学共通テストを課します。さらに,小論文を課し,国際・地域社会に関わる課題を提示して論述させ,思考力・分析力・表現力を総合的に評価します。また,面接を実施し,国際・地域の諸課題に取り組む意欲・資質・適性等を評価します。
③学校推薦型選抜Ⅱ(大学入学共通テストを課す)
幅広い基礎学力を総合的に評価するために,大学入学共通テストを課します。さらに,面接を実施し,国際・地域社会の諸課題に取り組む意欲・資質・適性等を評価します。
④総合型選抜Ⅰ(高大接続型入試)(大学入学共通テストを課さない)
大学入学共通テストは免除し,第1次選考では,高校での取り組みやその成果に関するレポート等により,取り組みの内容と文章力及び自己アピール力等を評価します。さらに,提出された調査書等に基づき基礎的学力の評価を行います。最終選考では,取り組みに対するプレゼンテーション及び面接(口述試験を含む。)により,国際・地域社会の諸課題に取り組む意欲・資質・適性等を評価します。
⑤私費外国人留学生選抜
出願書類(志願理由書,学習計画書)及びインターネットを利用した面接によって,日本語能力と国際地域学部で学ぼうとする意欲・資質・適性等を測ります。これらに日本留学試験と英語能力試験の成績を加えて総合的に評価します。
⑥私費外国人留学生選抜(外国人特別枠)
海外在住外国人を対象とし,英語能力試験の成績,日本語能力試験の成績,出願書類(志願理由書,推薦書,成績証明書)及びインターネットを利用した面接に基づき,総合的に評価します。
上記の入学者選抜方針に基づき,以下の入試区分ごとに示す方法で,学力の3要素等を多面的・総合的に評価・判定し,入学者を選抜します。なお,評価を行うにあたり,重視するものに○を付しています。学力検査の詳細と配点については募集要項に記載します。(略)
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
卒業認定・学位授与の方針に掲げた能力の修得を目標として,以下の方針にしたがって,教育課程の編成,実施及び学修成果の評価を行います。
【教育課程編成方針】
1.現代の地域や国際社会の抱えている諸課題を理解,分析する際の基礎となる幅広い基礎的教養を身につけるための共通教育科目と,異文化・多文化や国際的(グローバル)な産業構造及び地域社会における具体的な課題を理解・分析する能力を修得するための人文・社会科学を中心とした様々な分野の専門科目によって構成されるカリキュラムを編成します。
2.地域や国際社会の複合的な諸課題を科学的方法を用いて調査・分析・考察する能力を身につけることができるリサーチリテラシー科目やデータサイエンス科目からなる総合科学科目(文理融合型科目)によって構成されるカリキュラムを編成します。
3.実践的な事例研究やワークショップ等を含むプロジェクト学修を学年進行に従って継続的に深めながら,地域や国際社会の諸課題の探求と解決に能動的に取り組み,それを通じて課題解決力,協働的な学修能力,批判的考察力を養う科目によって構成されるカリキュラムを編成します。
4.異文化コミュニケーションの礎となる実践的な英語運用能力を修得するために,4技能のバランスのとれた英語科目を実施します。さらに,日本を含む英語圏以外の伝統や文化を理解し,それを通じて異文化及び自文化を捉え直す能力を養うための多様な科目から成るカリキュラムを編成します。
【教育課程実施方針(教育・学習方法に関する方針)】
1.授業はその内容や目的に応じて,講義,演習,実習,プレゼンテーションあるいはこれらを組み合わせた形態で実施します。
2.課題探求プロジェクト科目及び英語科目を中心として,アクティブラーニング形式での授業を積極的に行い,教室でのグループワーク,インターンシップや学外機関との連携を含む学外での活動への参加,調査,留学や海外研修などの現地での活動を実施することによって,学問知と実践知を結びつけ,能動的に課題に取り組む態度と社会における実践的な課題解決能力を身につけることを目指します。
3.4年次までの共通教育科目と専門教育科目の学修の中で生まれた関心・課題意識をもとにテーマを選び,主査教員及び副査教員の指導の下で,学位授与にふさわしい能力を身につけたことを証明する総合的な学修成果である卒業論文を作成するための卒業研究科目を実施します。
4.詳細なシラバス,科目ナンバリング,履修登録単位制限(CAP 制),履修中止,上書き再履修等によって,学生が系統的に自らの能力に応じて授業を履修できる体制を整えます。
5.助言教員制度に基づいて,各学生に助言教員を配置し,オフィスアワーを設けて学修をはじめとした学生生活全般に関する助言,指導を行うとともに,GPA が 2.00 を下回った学生に対しては,学修改善支援制度による支援を行います。
【学修成果評価方針】
1.成績評価については,「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドライン」に沿って,科目ごとに適した多様な方法によって学修目標到達度を評価します。各科目の到達目標と具体的な評価方法はシラバスに記載します。
2.各科目の成績はA+からFの 13 段階の標語によって評価し,目標到達度を考慮した判断基準については履修手引に記載します。
3.「卒業研究」については,①先行研究のリサーチ(15%),②研究方法と分析・解釈(20%),③論理的な整合性と言語表現(15%),④結論や知見(15%),⑤学術的な表現形式(10%),⑥口頭発表(5%),⑦研究態度(20%)によって評価します。
4.卒業研究を含む各科目の成績を総合的に評価し,卒業認定・学位授与の方針に掲げられた能力の到達度を評価します。卒業研究がA-以上かつ GPA3.50 以上の学生には,申請に基づいて優等学位の証明書を授与します。
5.英語で開講される専門科目の一定以上の単位修得,交換留学,英語による卒業研究の実施等,学部が設定した要件を満たした学生を,申請に基づいて「英語力優等者」として認定します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
国際地域学部は,地域,国及び国際社会に貢献し得る人材を育成するという大学の目的及び学部の理念を基礎として,地域や国際社会が抱える複雑な諸課題を探究し,課題解決を実現するための実践的・総合的な能力を身につけ社会実装につなげる教育の実施によって,地域の創生を担いグローバル化社会の発展に寄与できる人材を育成することを教育目標としています。
この教育目標を踏まえ,国際地域学部では,教育課程編成・実施の方針に基づいて編成された科目を履修し,履修規程に定められた単位数を修得するとともに,以下のような知識や能力を身につけ,グローバル化や地域の構造的変化に伴う複合的な課題に対処できる人材を求める地域の期待に応えることができると認められた者に対して学位を授与します。
1.幅広い教養と専門的知識
倫理観や社会的責任の基礎ともなる幅広い教養と,人文・社会科学分野を中心とした専門的な知識・能力を有している。
2.調査・分析能力と課題解決能力
地域や国際社会の抱える課題と発展可能性を探り,科学的方法を用いて調査・分析することができ,その課題の解決と可能性の実現を通して,グローバル社会の発展と地域創生及びそのマネジメントに貢献する知識・能力・技能を有している。
3.異文化理解力とコミュニケーション能力
グローバル化する社会において求められる国際的な視野や批判的思考力を身につけ,外国語運用能力も含めた多文化共生を支える異文化理解に関する知識とコミュニケーション能力を有している。