学部・研究科等の特色等
大学院映像研究科は創作の現場を持つ東京藝術大学の特色を生かし、従来は創作者の経験の中にとどまっていた知見を、公的で共有可能な知識に変えて行く役割を担っています。特に先端的な活動を行う博士後期課程では、理論と実践の両面から知識を深める環境を整えています。修士課程で映画、メディア映像、アニメーションを担当する教員が、博士後期課程では一つの専攻に集まって講義と演習を行い、学生個人に対して主任指導教員と副主任教員が継続して指導にあたります。学年の進行に応じて研究会発表やサーベイ論文提出を行い、活動業績に基づく予備審査を経て博士論文を提出するプログラムを用意しています。
博士論文の提出に向けては、大きく分けて理論中心の研究方法と、実践中心の研究方法を取ることができます。理論中心の研究方法は、従来から行われてきたのと同様に、論文によって成果を示すものです。実践中心の研究方法は、特に近年、芸術分野の博士課程で世界的に行われつつあり、主に作品の展示や上演の形で成果を表現し、それと相補的な関係にある論文と合わせて研究成果とするものです。論文審査においても複合的な分野の性質を反映して、専門の異なる学内外の教員、専門家による審査委員会を設けています。これまでの博士課程修了者は、大学教員、独立した研究者、アーキヴィストなど専門性の高い仕事に携わっています。