学部・研究科等ごとの目的
情報・理工学領域において、幅広い教養を授け、グローバルな視野、人間性・国際性ならびに倫理感を涵養し、高度コミュニケーション社会の持続的な発展に貢献する専門技術者を養成する。
確かな基礎学力を基盤とし、主体的な学びにより高度な専門知識を修得し、広い視野と知識で能動的に課題を探求し、解決することのできる能力と持続的な学修能力を修得させる。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
【情報理工学域】
「総合コミュニケーション科学」の基盤となる情報,通信,電子,機械,ロボティクス,光科学,量子物性,基礎科学等の情報領域,理工領域はもとより,両者の融合による革新的学際領域において,新しい価値の創造に貢献することがますます期待されています。
電気通信大学では,時代の要請を踏まえ,学生自らが,成長にあわせて段階的・探究的に専門分野を選択し,高度な専門性と総合力を身につける学修者主体の教育を実施します。
情報,融合,理工の各領域において,基礎学力と倫理観を備え,国際性,応用力,実践力を伴う確かな専門基礎力と継続的学修能力を持ち,社会との関わりの中で大きく成長していくことのできる人材を育成します。その過程においては,科学的思考力,俯瞰力,倫理意識,論理的コミュニケーション能力等の涵養を大切にします。また,学士課程と修士課程(博士前期課程)の一貫性も教育課程の大きな特徴であり,学域における学びが,先端的な学問研究へと展開します。
このような教育方針に沿って,以下のような資質・能力・意欲を持った皆さんを,広く国内外から受入れます。
[情報理工学域・求める学生像]
「総合コミュニケーション科学」とその基盤となる領域に不可欠な自然科学および数学に強い興味と探究心を持ち,その学修およびディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに基づく教育の実現のために必要な基礎学力と論理的思考力・判断力・表現力を有し,多様な人々と協働しながら主体的に学ぼうとする意志の強い皆さんを求めます。
情報,融合,理工,それぞれの領域において,修得した知識と技術を活用して広い視野からグローバルに活躍し,社会の発展に貢献するという意欲に溢れる人を歓迎します。
【Ⅰ類(情報系)】
情報に関わる学問の基礎を広く学びます。情報を対象とする学問は多様であり,その領域は広範です。例えば情報それ自体を取り扱う学問には,情報の本質や実態を追究する分野,表現や加工,活用の技術や手法を開発する分野,また,情報の流通・収集・蓄積に関わる通信ネットワークの分野などがあり,それぞれが独立した学問として発展しています。
一方で情報に関わるすべての学問は相互に影響し合い,情報化社会を支えています。そのため次世代の情報化社会を先導する担い手には,一つの専門分野に軸足を置きつつハード・ソフトの両面を理解し,複数の専門分野にまたがる広い視野を持つことが求められます。Ⅰ類では,情報に関わる分野全般に共通するコンピュータ,アルゴリズム,プログラムなどを学ぶとともに専門分野の基礎を身につけ,その後は「メディア情報学」,「経営・社会情報学」,「情報数理工学」,「コンピュータサイエンス」,「デザイン思考・データサイエンス」という教育プログラムのいずれかで,専門性を高めます。
[Ⅰ類(情報系)・求める学生像]
目まぐるしく変化する現代社会における情報形態の多様化,情報量の拡大といった環境の変遷に対応して,「人と人」,「人ともの」,「人と社会」のコミュニケーションの高度化が,これからの社会の発展に必要不可欠となっています。情報の生成から,収集,流通,蓄積,加工および活用までを総合的に扱う学問である「情報学」を学び,身につけ,次世代の情報化社会を支える技術の創成を担う科学者・技術者を目指そうとしている人を歓迎します。
特に推薦入試では,数学や情報,そしてプログラミングが好きな人を求めます。数学あるいは情報分野における国際オリンピック等に参加や受賞した人を歓迎します。
【Ⅱ類(融合系)】
新しい科学技術やイノベーションの創出には、理学、情報学、工学、医学などの分野間の融合がとても重要です。
Ⅱ類では、電子情報・通信機器、計測機器、ロボットなどの産業応用をより強く意識したハードウェア技術および人工知能、データサイエンスを含めた制御、さらには情報通信システムや多様化するネットワークのセキュリティに関するソフトウェア技術について、5つの教育プログラム「セキュリティ情報学」、「情報通信工学」、「電子情報学」、「計測・制御システム」、「先端ロボティクス」で広く深く学ぶことができます。また、その過程では、俯瞰力、倫理観、社会性、国際性、論理的コミュニケーション能力を確立し、様々な分野への応用、実践が可能となる専門基礎力と継続的学修能力を涵養します。
[Ⅱ類(融合系)・求める学生像]
情報学と理工学の基礎をなす数学、理科および英語に興味と学力を有し、これらの学修をさらに深めていく意志を持つ人を求めます。また、情報学、理工学やそれらの融合に強い関心を持ち、それらの修得に必要な論理的コミュニケーション能力、主体性、独創性、目的達成力を持つ人を求めます。科学的思考力を支える好奇心、広い意味でのシステムづくりやものづくりへの関心、専門性を高める意志、将来の応用を支える倫理観、社会性を有することも重要です。理学、工学や情報学の基礎となる分野における国内外で開催される科学技術コンテスト等に参加や受賞した人を歓迎します。
【Ⅲ類(理工系)】
理工学の基盤となる物理学,化学などの自然科学や数学を基礎から体系的に学び,その主要な構成分野である「機械システム」,「電子工学」,「光工学」,「物理工学」,「化学生命工学」の中から学生自ら探究的に選択し各分野に進みます。専門教育では,講義だけでなく,演習や実験を通して高度な専門性と実践力・総合力を養います。
また,広く理工学分野の教養を育みながら,科学技術の発展と自然環境や国際社会との調和を実践できる倫理観および社会性・国際性を養います。その過程で,自身の考えを他者と共有するための論理的コミュニケーション能力も養います。
[Ⅲ類(理工系)・求める学生像]
理工学の基盤となる自然科学や数学に強い興味と探究心を持ち、その学修のために必要な基礎学力と論理的思考力を有し、主体的に学ぼうとする意志の強い人を求めます。また、読解力や文章力、口頭表現力など基本的なコミュニケーション能力を有することも重要です。自然環境や国際社会に関心が高く、広い視野からグローバルに活躍し、社会の発展に貢献するという意欲にあふれる人を歓迎します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
1. 教育課程の編成方針・教育内容及び教育の実施方法に関する方針
幅広く深い科学的思考力
基礎学力と豊かな教養を身につけ、体系的な専門知識や技術を修得します。
具体的には、1年次では、全学共通科目を中心に情報学・理工学全般の基礎を幅広く学び、年次を追って、段階的・探求的に専門性を高めます。
また、4年次では、研究室に配属され、卒業論文の完成を目指して教員の指導を受けます。その過程で、研究に必要な専門的な知識と、問題発見や課題遂行のための自律的能力、ならびに、客観的な観察やデータに基づく問題解決能力を修得します。
科学者・技術者としての倫理観および社会性・国際性
通常の全学共通科目、専門科目に加えて多彩な倫理・キャリア教育科目が設けられ、それら科目の修得ならびに4年次の配属研究室における卒業論文研究の指導やeラーニングを通して、科学・技術と国際社会・環境との関わり方を意識した、科学者・技術者としての倫理観と社会性・国際性を身につけます。
論理的コミュニケーション能力
各種科目の授業や卒業論文作成・発表、さらには海外インターンシップ等を通じて、幅広いコミュニケーション手段・技術を活用し、自らの考えを正確に伝えるとともに他者の考えを正しく理解できる国際的に通用する論理的コミュニケーション能力を身につけます。
2. 学修成果の評価に関する方針
授業科目の成績評価は試験、レポート等により授業目標の達成状況に応じて行います。卒業研究については、論文の内容および口頭発表の評価を総合的に判断して判定します。成績は、秀・優・良・可及び不可の5種類の評語をもって表し、秀・優・良及び可を合格とします。ただし、学域が指定する授業科目の成績は、合格・不合格で表します。合格した者には所定の単位を付与します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
○幅広く深い科学的思考力
情報理工学の分野において幅広い視野をもった科学者・技術者として、確かな基礎学力と豊かな教養を身につけ、体系的な専門知識および技術の修得により、柔軟性と創造性を備えた応用力・実践力をもって課題を解決できる。
○科学者・技術者としての倫理観および社会性・国際性
科学者・技術者として、グローバル化した科学・技術のもたらす人間・社会・環境への影響の重要性を理解することができる。
科学・技術と国際社会・環境との関わり方を意識し、高い倫理観を持って行動できる。
○論理的コミュニケーション能力
幅広いコミュニケーション手段・技術を活用して正確かつ論理的に情報を伝え、科学的思考のもとに討論を行う能力を持ち、他人の考えを正しく理解し、自分の考えを他人に正しく伝えられる。また、課題について熟考し、有益な議論を進められる。