社会福祉学部

１）教育課程の体系
　社会福祉学科の教育課程は、卒業認定・学位授与方針に基づき、それぞれの資質・能力がバランスよく身に付けられるように６つの科目群から構成されています。また、学生が将来の進路を明確にし、主体的に学ぶことができるように、コミュニティソーシャルワークコース、精神保健福祉コース及び子ども家庭ソーシャルワークコースの履修モデルを示しています。3コース共通して、一市民として身に付けるべき社会福祉学の学びを基礎にして、社会福祉士国家試験受験資格を取得することができる教育内容となっています。
　コミュニティソーシャルワークコースでは、地域社会での福祉課題を発見・探求し、コミュニティソーシャルワーク実践能力の涵養に重点を置く教育内容になっており、社会福祉士国家試験受験資格取得を目指します。精神保健福祉コースでは、精神保健福祉関係の科目が充実しており、社会福祉士国家試験受験資格取得とともに精神保健福祉士国家試験受験資格取得を目指します。子ども家庭ソーシャルワークコースでは、教職科目及び教育の基礎的理解に関する科目等を履修して、社会福祉士国家試験受験資格取得とともに高等学校教諭一種免許状（福祉）及び特別支援学校教諭一種免許状（知的障害者・肢体不自由者・病弱者）の取得を目指します。
　履修モデルは、卒業認定・学位授与方針で示している資質・能力をバランスよく修得できるように、順序性と体系性に配慮されています。順序性と体系性については、カリキュラムツリーで示しています。
２）教育課程の編成
専門基礎科目は、社会福祉学の修得に必要な人間と社会の理解に資する基礎的な知識を修得し、地域共生社会の多様な福祉ニーズ・生活課題を広い視野から多角的、多面的に把握し、理解し、その解決策を構想し、実践するのに必要な人間、家族、社会に関する高度で専門的な知識を身に付けることを目指す科目群です。
基幹科目は、社会福祉学の基幹となる価値、知識を修得するための科目群です。すべて必修科目です。地域共生社会に生きる一市民として自律的かつ洞察的な判断ができるとともに、自分自身について、また自分と他者・社会との関係について深い理解をし、人と人との関わりを紡ぐしなやかな構え・態度や、多様な価値観を持つ人々を認め、連帯・協働する態度を身に付けることを目指す科目群です。
展開科目は、基幹科目を具体的に展開する専門教育科目群で、「展開科目Ⅰ」及び「展開科目Ⅱ」から構成されています。社会福祉学を構成する諸専門分野における知的訓練のための科目を配置し、それぞれの専門分野における基礎的な知識、幅広い視野及び複眼的な発想を得て、ソーシャルワークを実践するための礎を確立することを目指す科目群です。社会福祉学の諸分野における幅広い教養と自ら考え主体的に行動する実践力を養うことを目指す科目群でもあります。
実践的統合教育科目は、基幹科目及び展開科目との実践的統合をはかる専門教育科目群で、「実践的統合教育科目Ⅰ」及び「実践的統合教育科目Ⅱ」から構成されています。一市民としての人権感覚を常に磨き、人命・人権の尊重、社会正義の原理に依拠する倫理観と主体的に考えて行動できる実践力を身に付け、生涯にわたる人間の福祉を願いつつ、共に生きることができる社会の実現のために、自己成長をはかり、多様な価値観を持つ人々と連帯・協働できる実践力を身に付けることを目指す科目群です
関連科目は、基幹科目ならびに展開科目及び実践的統合教育科目を補完する関連領域に関する知識、技能を修得するとともに、福祉に関する幅広い教養を涵養するための科目群です。人間関係形成のためのコミュニケーション力を養い、人々の持てる力を引き出すことができるよう、生活課題について柔軟に思考する力と、人や環境に働きかけて生活課題を解決できる技能を身に付けることを目指す科目です。
免許・資格に関する専門科目は、社会福祉の学びの中で特に障害分野に特化して学ぶとともに、社会福祉の学びを振り返り深めることを目指す科目群です。また、他学部の専門教育科目群から履修して、学生の多様な学びを促進することを目指す科目群でもあります。
３）教育内容・方法
入学直後から新入生が円滑に学生生活に入れるように、チューター教員が担当する「社会福祉入門」において社会福祉学部での4年間の学びを理解し、大学教育を学修するのに必要なアカデミックスキルを身に付けるための初年次教育を行います。
福祉課題を個人･家族・社会からアプローチするために、社会福祉学を学修する基礎として「専門基礎科目」に心理学系・医学系・社会学系の科目を充実させ、教育を行います。
学生の主体的な学びを推進します。特に、「実践統合教育科目」の「ソーシャルワーク演習Ⅱ」では、学生自身が主体的に社会における課題を発見・探求し、解決する課題解決型の学習方法を取り入れています。
専門教育（演習形態をとる授業）は、少人数教育を行います。
4年間の学修を総括する「専門演習」では2年間にわたり福祉課題を探求し、考究することができるよう、特に演習論文の作成にあたっては、指導教員がきめ細かく指導します。
４）学修成果の評価
成績評価は、各科目の到達目標に基づいて、厳格に行います。成績評価の到達目標項目とその基準を、ルーブリック等で提示する場合があります。
各科目の具体的学習目標に沿って成績の評価項目とその割合を定め、シラバスに記載します。評価項目の対象は、授業態度、小テスト、自主学習態度、レポート、プレゼンテーション、学期末筆記試験、その他（実技、論文や制作物等の成果物等）となります。
科目によっては、配属実習施設等の評価を参考に成績評価を行うことがあります。

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地域共生社会における多様な福祉ニーズに対応できる広い視野と福祉マインドを基盤として、専門知識と豊かな共感力、想像力を有するとともに、支援を必要とするすべての人々の生活課題の解決に向けて、連帯・協働しながら主体的に考えて行動できる実践力と高い倫理観を有する人材。
【知識・技能】
地域共生社会における多様な福祉ニーズに対応するために、広い視野と専門的な知識を有し、人々の生活課題の解決に向けて人や環境に働きかける技能を身に付けている。
【思考力・判断力・表現力】
共感性と想像性を備えた柔軟な思考力と、人々の生活課題の発見と解決に向けた判断力を有し、自己の考えを他者に論理的に分かりやすく伝える表現力を身に付けている。
【主体性・多様性・協働性】
社会正義を拠り所として、共に生きることができる社会を実現するために、多様な価値観を持つ人々と連帯・協働し、主体的に考えて行動できる実践力と高い倫理観とを身に付けている。