学部・研究科等の特色等
私たちの日々の生活は、微生物、植物、動物という生物資源を生産し、利用することによって成り立っています。しかし、近年、私たちの生活を安全で快適にしてくれるはずの現代文明の発達が、皮肉なことに、環境、食料、健康に関して様々な問題を引き起こし、人類の未来に不安をもたらしています。それらの諸問題に対処し、克服してゆくことは現代の農学の課題です。香川大学農学部は、生態系・微生物・植物・動物などの基礎的な研究から得られた知識を基に、バイオテクノロジーなどの最先端技術と、様々な産業を支えてきた信頼性の高い技術を併用し、実用的な研究を展開しています。また、教育においては、生物科学を基礎として、生物資源の生産と利用に関連した知識と技術を習得させ、生物関連産業のどのような分野においても活躍できる応用力の高い人材を養成しています。
香川大学農学部の教育の特徴は、全教員が一つの教育組織(応用生物科学科)を構成していることです。これによって、生物資源の生産と利用に関連した様々な研究領域の基礎と応用についての講義を幅広く提供できます。そのような講義に加えて、実験実習では、5つの選択コースから一つを選び、専門性の高い知識と技術を習得することができます。さらに課題研究(卒業研究)では、2年にわたる研究活動を体験しながら、主体的に自らの進路を方向付けて行きます。研究への志向性が高く大学院進学をめざす学生には「飛び級」制度や多様な入試制度が用意されています。このようなカリキュラムを経て、幅広い知識と高い専門性を備えた優れた人材が養成されます。
香川大学農学部では、地域のニーズに応えつつ、人類と環境との共生を図り、安全で快適な人間生活を実現するための研究を行っています。香川大学農学部のHPではそのような研究のいくつかをご紹介していますが、それらの研究はいずれも、教員と学生が協力して遂行されています。私たちは、そのような研究活動の現場にこそ農学部教育の最も大切な部分があると考えています。試行錯誤で体得される応用力、毎日の作業によって培われる観察眼と技能、経験を通じて深化する問題意識などは机上の学習だけでは決して得られない貴重な財産となることでしょう。