学部・研究科等ごとの目的
<基本理念>
1 世界に通ずる医学、看護学及び臨床心理学の教育研究を⽬指す。
2 人間性の豊かな医療人及び心理援助者、並びに医学、看護学及び臨床心理学の研究者を養成する。
3 医学、看護学及び臨床心理学の進歩並びに人類の福祉に貢献すると共に地域の医療及び心理援助の充実発展に寄与する。
※医学系研究科(博士課程)は、医学の領域において、国際的な広い視野を持った研究者として自立し、独創的な研究活動を行うに必要な高度な研究能力とその基礎となる豊かな学識を備えるとともに、研究・生命倫理に関し高い見識を有する研究者を育成し、もって医学の進歩と社会福祉の向上に寄与することを目指します。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
◇求める学生像(入学者に求める学力・能力・資質等)
大学院入学までに以下のような学力・能力・資質等を備えている学生を求めています。
①知識・技能・理解力
*医学・生命科学に関する大学卒業程度の基礎知識・技能・理解力
②思考力・判断力・表現力
*自らの論理的思考・判断に基づき医学・生命科学に関する諸事象を思考し、判断する能力、説明し、討論できる表現力
③研究能力・応用力
*医学・生命科学に関する課題を主体的に抽出、探求、解決する能力とその成果を応用する能力
④探求心・意欲・態度
*医学・生命科学に関する諸分野について探求心をもって意欲的に取り組む高い志
⑤倫理観・社会的責任
*高い研究・生命倫理感をもち、医学・生命科学研究に携わる者として果たすべき社会的責任感
⑥グローバルマインド
*医学・生命科学に関する国内外の情報を理解するための外国語運用能力と、国際的な視野で社会をリ一ドできるグローバルマインド
◇入学者選抜の基本方針
○一般選抜
英語の学力試験及び成績証明書により、大学院で学ぶ上で必要な基礎学力及び生命科学・医学分野の専門的な知識を有していること、また科学的根拠に基づいて思考でき、それを表現できる能力を有しているかを評価しています。専門分野の筆記若しくは口頭試問により、自己の専門分野に関しての見識や医学の発展に関して高い学習意欲を有していることを評価します。面接試験では、上記入学者に求める学力・能力・資質等の①-⑥を総合的に評価します。特に、志望動機や医学・医療の発展や社会福祉への貢献・倫理観・国際的な問題意識や研究課題を有していることなどを直接インタビューします。
○社会人特別選抜
選抜は一般選抜に準じて行われますが、社会人特別選抜では大学院受験資格を有し、かつ、官公庁、教育機関、病院、企業等の実務経験がある者を対象とする選抜です。一般選抜で実施される試験と併せて、医療機関での勤務歴・研究歴・研究実績及び面接を重視した選抜を行います。実務経験に立脚した研究実践能力や思考力、探求心、社会性などを備えているかを評価します。
○希少糖研究特別枠
香川大学のミッションである希少糖(自然界に微量にしか存在しない糖)研究を推進するため、当該研究を志す優秀な学生を確保し、それを専門とする研究者を育成することを目的とする特別枠です。本特別枠は、通常の入試(一般選抜・社会人特別選抜)と併せて出願することができます。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
医学系研究科(博士課程)は、修了の認定に関する方針(ディプロマ•ポリシ一)に示した人材を育成するために、1専攻(医学)2コース(基礎臨床研究医・生命科学研究者育成コース、高度医療人育成コース)において、共通科目(6単位)、専門科目(16単位以上)、課題研究(8単位以上)から構成される教育課程が設定されています。修了要件は、上記30単位以上を修得し、必要な研究指導を受けた上、博士論文の審査及び最終試験に合格することです。開設授業科目(共通科目+専門科目)はシラバスに明示された多様な授業形態により、課題研究は主及び副指導教員による日常的指導により行われます。
ディプロマ・ポリシーの各項目の達成は、以下に示す体系的教育をもって実現します。
①専門知識・理解
1年次に配置された共通科目により、医学・生命科学に関する専門知識を理解•修得します。さらに専門科目として1年次から3年次にかけて開講されるライフサイエンス科目群、臨床医・メディカルスタッフ養成科目群、がんフロフェッショナル養成科目群により、高度職業人として活躍するために必要な幅広い専門の知識を修得します。
基礎臨床研究医・生命科学研究者育成コースでは、自立して独創的な医学研究を行うのに必要な高度な研究能力と学識を基に、基礎的研究が行える人材を育成します。一方、高度医療人育成コースでは、地域特有の疾患や最新の医学知識を基に、研究志向の医療人や専門医やがん専門職医療人を育成します。
②研究能力・応用力
3年次から4年次には、課題研究が設けられています。課題研究では、課題の設定とその解決のための作業仮説の設定の過程で、絶え間ない探求心と深い思考力や判断力が培われ、更にその検証、分析結果の解析と考察を経て一定の結論を導き、これから博士論文を英文で作成することを通じて研究能力•専門応用能力・表現力を培います。
③倫理観・社会的責任
医学研究には、高い生命倫理、医学倫理の涵養が要求されます。さらに、医学研究を通じて社会福祉の向上に貢献し、社会的責任を果たせる人材を育成することが求められます。これらを高い次元で両立させるために、1年次共通科目の必須授業科目として「研究・生命倫理」が開設されています。この科目を通じて、研究に必要な倫理教育と生命倫理に関する高い見識を教授し、社会に貢献できる人材を育成します。
④グローバルマインド
博士論文は原則として、英文で発表することが要求されます。そのため、最新の医学・生命科学の知見を得るために、開設された全ての授業科目で英語文献の読解力を養成します。豊かな国際感覚をもち、グローバルな視野に立って独創的な研究活動を遂行し、社会をリードするために、表現・発信能力とスキルを培います。
以上の学修成果の評価は、基本的に講義科目では修得した知識の理解度ならびに説明能力により、研究科目では知識・専門的技術を応用して研究を計画・実施できる能力の総合評価により、厳格な成績評価(5段階評価、GPAの活用)で行います。
また、博士論文は、本研究科の定める学位審査基準に基づき、本研究科で選出された当該領域を専門分野とする審査委員(主査1名、副主査2名)と指定討論者(主査・副主査以外で当該領域を研究分野とする者)1名)による審査及び最終試験を実施し、学位論文としての合否判定を行います。より厳格で公正な審査の為、研究指導教員は審査委員にはなれず、審査は公開討論会の形式で行われます。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
医学系研究科(博士課程)では、その教育理念に基づき、高度で幅広い医学・生命科学の専門知識と技能、学術研究領域の情報を適切に分析・活用できる能力、豊かな人間性に基づく高い研究・生命倫理観を備え、医学の発展に寄与出来る高度専門職業人を育成します。
本研究科を修了し、本学が送り出す博士(医学)の身につけるべき能力・態度の到達基準は、次のとおりです。
①専門知識・理解
*医学や生命科学に関する高度で幅広い専門知識と技能を備えていると共に、その専門性に基づいた見識と深い理解力を有している。
②研究能力・応用力
*専門分野の情報を収集し、研究の計画及び遂行が出来る能力と、その成果を知識や経験に立脚して論理的に判断、分析して発信できる能力を備えている。
*自らの専門知識と科学的思考力を応用して、医学や生命科学の発展のために尽くすことができる。
③倫理観・社会的責任
*豊かな人間性に基づく高い研究・生命倫理観の涵養と、医学・生命科学の発展に寄与する研究を通じて、社会的責任を自覚した高度専門職業人として活躍することができる。
④グローバルマインド
*国際感覚と自己の専門知識を以て社会を先導し、医学・生命科学の発展にグローバルに寄与する高い志で研鑽を積む能力を備えている。