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医学部(医学科)

 
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教育研究上の目的と3つの方針

学部・研究科等ごとの目的

医学科は、高い学術能力と豊かな人間性を兼ね備え、患者さんに信頼される医師および医学・生命科学の優れた研究者になるべき人材を育てます。そのために、基礎医学と臨床医学の教育を行い、学生の知識・技能はもちろん、日進月歩し、多様化する医学・医療に対応できる応用力を培います。同時に、医師としての倫理観や幅広い素養につながる日常生活での意識および行動を学生に求め、それを教員や医療スタッフがサポートします。また、亜熱帯という地域特性と東南アジア諸国との交流を生かした特色ある授業や課外活動も進め、国際性豊かな医師であることも教育目標の一つです。さらに昨今、医師不足の地域あるいは診療科の偏在などから明らかになってきた医師不足対策として「地域枠」を設けて学生定員を増やし、地域医療に貢献できる人材も育成しています。

入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

【医学科】
1.学科等の教育理念・目的
 医学科は医学に関する専門の知識と技術を修得し、高い倫理性を身に付け、医学・医療の進歩や社会的課題に柔軟に対応しうる医師、研究者を育成することを目的としています。 加えて、沖縄県の置かれた自然的、地理的並びに歴史的特性をふまえ、島嶼環境における地域完結型医療の構築に努めます。また、国際性豊かな医学部医学科として発展させ、アジアを主とする諸外国との学術交流をとおして国際医療に寄与します。

2.求める学生像
○一般選抜
 ・地域医療に貢献するための県民・地域住民意識をもてる人
 ・生命現象や国内外の医学・医療に強い関心がある人
 ・責任感が強く、人の身になって考え、行動できる人
 ・常に自己点検を行い、自己啓発ができる人
 ・創造性に富み、物事を理論的に整理・展開できる人
 ・医学を学ぶ基礎学力を有する人
 ・主体性をもって多様な人々と協働して学ぶことができる人
○学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す)(地域枠、離島・北部枠)
 ・沖縄県の地域医療に貢献するための県民・地域住民意識をもてる人
 ・地域の要請が高い診療科を選択し、診療科偏在の是正に貢献できる人
 ・生命現象や国内外の医学・医療に強い関心がある人
 ・自分の置かれた社会的・地域的立場をしっかり意識できる人
 ・学習意欲の維持並びに自己学習ができる人
 ・主体性をもって多様な人々と協働して学ぶことができる人
○第2年次特別編入学(学士入学)選抜
 ・医学研究並びに国際医療に強い関心がある人
 ・自然科学、生命現象に強い関心がある人
 ・責任感が強く、人の身になって考え、行動のできる人
 ・常に自己点検を行い、自己啓発ができる人
 ・創造性に富み、物事を理論的に整理・展開ができる人
 ・地域医療に貢献するための県民・地域住民意識をもてる人
 ・主体性をもって多様な人々と協働して学ぶことができる人

3.高等学校等で履修すべき科目や習得しておくことが望ましい資格等
数学は一般選抜(後期日程)、学校推薦型選抜も含めて、数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数Bの履修を望みます。理科は受験科目にかかわらず、物理基礎、物理、化学基礎、化学、生物基礎、生物の履修を望みます。英語はコミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱを履修し、英検2級以上のレベルを求めます。

4.入学者選抜の基本方針
 入学者選抜は一般選抜(前期日程・後期日程)のほか、学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す)として地域枠、離島・北部枠を沖縄県の高等学校の出身者から選抜します。さらに第2年次特別編入学(学士入学)枠の入学試験を実施し、多様な人材を求めています。
○一般選抜(前期日程)
 大学入学共通テストでは、5教科7科目を課します。個別学力検査等では、数学、理科、外国語を課しています。基礎学力を中心としますが、さらに、面接を実施し、アドミッション・ポリシーに沿った選抜を行います。
○一般選抜(後期日程)
 大学入学共通テストでは、5教科7科目を課します。個別学力検査等では、小論文と面接を行い、アドミッション・ポリシーに沿った選抜を行います。
○学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す)
 県内高等学校出身者を対象に、各高等学校より推薦されたものについて選抜試験を行います。(地域枠)
 また、調査書や志望動機に関する応募書類をもとに、アドミッション・ポリシーに沿った面接を実施し、大学入学共通テストの成績と個別学力検査等(小論文、面接)等の成績を総合して選抜します。
○第2年次特別編入学(学士入学)選抜
 4年制以上の大学を卒業した者を対象者として、明確な目的意識や適性を有した人材の選抜を行います。
 ①第一次選抜:小論文、自然科学総合試験を実施します。その結果を総合判定し、募集人員の約5倍を第二次選抜の
  合格者とします。
 ②第二次選抜:第一次選抜の合格者に対し、個人面接を実施し、最終の合格者を決定します。

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教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)

琉球大学のカリキュラム・ポリシーに基づき、以下の方針に則りカリキュラムを編成・実施します。

[教育課程編成の方針]
ディプロマ・ポリシーを具現化した人材を育成するために、共通教育等科目、基礎医学系と臨床医学系の分野を有機的に連関させた6年一貫教育プログラムを編成し、カリキュラム・マップやナンバリングを用いてその体系性や構造を明示します。

[教育課程における教育・学習方法に関する方針]
講義・演習・実験・実習・実技などの適切な授業形態を組み合わせ、学生が主体的な学びを実践できるよう効果的な教育方法を取り入れます。
・初年次教育:リベラルアーツとしての教養科目である共通教育等科目、卒業後について考えてもらうキャリア教育、医学への動機づけを高めるアーリーエクスポージャー科目を提供します。
・コース別科目:「一般コース」と、地域枠学生を中心とする「地域医療コース」とで学修内容が異なる「コース科目」を初年次から提供します。
・基礎医学教育:細胞・臓器・個体の構造と機能に関する科目、臨床との関連の深い科目、社会医学科目について、講義や実習を通して体系的に学ぶことができるように、複数の講座が協同して統合科目を提供します。
・臨床医学教育:医療への動機づけを維持するために、各学年でアーリーエクスポージャー科目*を開講します。臓器ごとの疾患・病態に関する科目を履修したあと、琉球大学病院及び関連教育・協力病院においてプライマリ・ケアから高度先進医療までを修得することが可能な臨床参加型臨床実習を提供します。
・研究:医学に関連する科学的探究心を高めるために、積極的に研究に携わることのできるプログラムを提供します。
・国際性:医学英語教育を進めるとともに、国際的な場で活躍できる医師・研究者への動機づけとなるように、医科学研究、臨床実習を海外施設で行う機会を設けます。

*アーリーエクスポージャー科目:シミュレーション演習、外来患者付添い実習、体験学習、離島地域病院実習

[学習成果の評価の方針]
成績評価は、「琉球大学における成績評価に関するガイドライン」に基づき、授業科目の達成目標と教育プログラムの学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)との関連を示し、基準となる目標に達成したかを測定できるよう、定期試験、小テスト、レポート、実演、学習記録及び発表・報告等、多面的に適切な方法を選択又は組み合わせて行います。
各科目における学習到達度は、知識、技能、態度について評価します。知識に関する評価は筆記試験、口頭試問などにより行います。技能と態度に関する評価は、観察評価及び臨床技能評価により行います。
臨床実習開始前及び臨床実習後に、知識・態度・技能について総括的評価を行います。知識に関しては知識・問題解決能力客観評価試験(CBT:computer based test)で評価します。技能・態度については客観的臨床能力試験(OSCE:objective structured clinical examination)で評価します。実習開始前並びに実習終了後の総括的評価への合格を、それぞれ臨床実習への参加要件並びに卒業要件としています。

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学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

医学学士教育プログラムは、琉球大学の「自由平等、寛容平和」の建学の精神の下、本学のディプロマ・ポリシーに基づき、学部の専門分野の特色と人材養成目的に基づいて、医学に関する専門の知識と技術を修得し、高い倫理性を身に付け、医学・医療の進歩や社会的課題に柔軟に対応しうる医師、研究者を育成することを目的としています。
 そのような人材を育成するために、本学士教育プログラムでは所定の課程を修め、必要な単位を取得し、次のような目標を達成した者に学位(医学)を授与します。
(1) プロフェッショナリズム:医師として社会に対する責任を果たすために必要な倫理観、社会性、生涯にわたる自己研鑽を怠らない姿勢を身に付けている。さらに、法令を遵守し、適切な対人関係を構築しながら、利他主義、自由平等、寛容平和の精神をもって誠実に医療にあたることができる。
(2) 医学知識:人々の健康で心豊かな長寿を目指す医療を支えるため、基礎・臨床・社会医学・倫理などに関する知識を習得し、それらを医療の現場で応用できる。
(3) 医療実践:患者個人の人格・人間性を尊重した上で、Evidence-based Medicine(EBM)及びNarrative-based Medicine(NBM)に基づいた個別の疾患に対する医療を実践することができる。
(4) コミュニケーション能力:自らとは異なった思考・感情・立場の人々に共感を示し円滑なコミュニケーションを実践できる。
(5) 地域医療への貢献:地域医療の現状及び社会資源に関する知識を習得している。地域特性・状況に応じた医療を実践し、地域医療に貢献する姿勢を身に付けている。
(6) 国際性:グローバルな視点で疾病の臨床、研究の動向を把握し、海外の医療・研究機関と交流できる。
(7) 科学的探究:基礎、臨床、社会医学領域においてその研究の意義を理解し、最新の技術を活用して科学的情報の入手及び意見交換を行い、研究倫理を遵守した立場で疑問点に対して解決するために論理的な思考ができる。