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総合人間自然科学研究科(医学専攻・博士一貫)

 
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学部・研究科等の特色等

学部・研究科等の特色等

<生命科学コース>
 生命科学・医学に関する幅広い知識と高度な技術を体系的かつ組織的に身につけることにより、自立して研究活動を行うに必要な高度な研究能力とその基盤となる豊かな学識 及び人間性並びに多様化した研究に対する指導能力を備えた人材を育成し、もって生命科学・医学の進歩と人類福祉の向上に資することのできる人材を育成します。
・ 豊かな人間性、高い倫理観ならびに高度な専門的知識・技術を身につけ、21世紀の人間社会に貢献できる人材を育成します。
・ 高度な研究能力と豊かな学識に裏打ちされた創造性豊かな人材を育成します。
・ 研究の成果を新しい医療に応用するという視点を持ち、トランスレーショナルリサーチを推進できる人材を育成します。
・ 国際的な場での発表、討論、共同研究を推進することにより、国際的に活躍できる優れた人材を育成します。
・ 東アジアをはじめとする海外からの留学生を積極的に受け入れ、将来を嘱望される研究者を育成するとともに、留学生との交流を通じて国際的な視野を持った人材を育成します。

<医療学コース>
 科学の目覚しい進歩は生命科学・医学の領域でも著しいが、その終局の目的は研究成果が人間に還元されることにあります。 還元の場である医療の現場では、医学というサイエンスに基づいた知識とアートとして熟練された臨床技術の両者が融合した医療技能による医療の実践が求められ、 同時に、この実践を支える基盤としての医師・患者関係や医療システムの在り方が重要な意義を持つことになります。
 本コースには、これらの課題に対応するため「臨床研究・臨床技術系」および学際的な研究をめざす「予防医学・保健医療学系」の2つの系を設けています。
 「臨床研究・臨床技術系」においては、臨床技術の客観的評価を設けた体系的な教育・研修プログラムを基盤とし、さらに臨床の現場で生じる課題に対する研究を通じて、 リサーチマインドと高度な臨床技術を備えた医療技術者を養成し、また、「予防医学・保健医療学系」においては、臨床の場から生まれる問題をテーマとし、 高度な医療技術の推進に資する研究者の育成を図ります。
・ 「臨床研究・臨床技術系」では、医学・医療学領域において、豊かな人間性への理解と高い倫理性を持ち、 医療現場から生じる医学的問題を鋭敏に感知して的確に解決する研究者を育成します。
 また、豊かなリサーチマインドと的確な問題解決方法と能力、及び高い臨床技能を具備した専門医を育成します。
さらに、臨床医療において優秀な後進を育成する優れた指導者としての能力を有する人材を育成します。
・ 「予防医学・保健医療学系」では、疫学、地域医療学、環境医学などの予防医学の専門家を育成する一方、 健康医療・福祉に関連する社会的サービスや運営・管理、行政などの諸領域において、豊かな人間性と高い倫理性とともに強いリサーチマインドと的確な問題解決方法と能力、 そして高度の専門的知識と技術をもって活躍し、さらに優秀な後進を育成する優れた指導者能力を有する人材を育成します。
・ 両系を通じて、社会人を積極的に受け入れ、近年の医療学分野における急激な技術革新および社会構造の変化に対応し得る人材を育成します。

<情報医療学コース>
 現在多くの医療施設に導入されている医療情報システムには、日々の医療行為に伴う膨大な電子化医療データが蓄積されています。これらのデータは、直接の診療に使われるだけではなく、多数の症例の横断的な解析に基づく医学研究において、データの柔軟な組み合わせによる様々な切り口からの迅速な解析を実現し、従来にない速度で広範囲なテーマの研究推進を可能にすることが期待されています。とりわけ、長期間にわたり蓄積されたデータの活用による、生活習慣病など長い時間をかけて進行する疾患の病態推移の理解や予測への応用、大規模電子化医療データに基づく「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などへの応用が期待されます。 
 そうしたデータ活用のためには、病態の推移を検査値等の客観的な指標に基づいて理解するための医学的知識と、それらの指標で現わされる病態推移の動的力学を定量的なモデルとして、大規模電子化医療情報に基づいて表現するための数理統計学や情報科学などの知識を身につけ、それらを有機的に駆使できる分野横断的な思考法によって、多様性と様々な不確実性を含む特殊なデータである医療データの解析に対応できる人材が必要です。
 また、そうした人材には過去の電子化医療データの解析だけではなく、より高度な解析のために必要な医療情報システムの構造や機能について検討し、個々の医療機関において実現することにより、新たなデータ解析の基盤を構築してゆく能力や、電子化医療データの解析結果に基づいて、より精度の高い解析のためにコホート研究などプロスペクティブスタディの効率的なデザインを行い実施する能力などを併せ持つことも期待されます。
 本学医学部で、我が国初の病院情報システムとして自主開発された総合医療情報システムIMIS(Integrated Medical Information System)には、1981年の附属病院開院以来の電子化医療データの蓄積があり、教育・研究用に個人情報を匿名化してデータベース化されています。また、そのデータは高知県の地域特性、すなわち、高齢化が全国平均より進み、成人の人口移動が少ないという特性を反映し、我が国の未来を先取りした人口集団の長期にわたる追跡が可能であるという特徴を有します。こうした利点を有するデータと、長年医療情報システムの開発に積極的にかかわってきた歴史を活かし、医学専攻の基礎医学系、臨床医学系、医療情報系の教員および応用自然科学専攻の教員の緊密な連携のもとに、電子化医療データの解析に対応できる研究能力や応用能力を身に付けた研究者や専門職業人を育成し、様々な医療機関における電子化医療データやそれらを統合したデータを活用した病態推移予測や疾患因子発見などを通じて、疾病に対する後追いの医療ではない予見性の医療の実現に貢献することや、「治療評価」、「診断支援」、「稀な事象の検出」などによる医療の質向上への貢献を目指します。すなわち、本コースは、「単に医学・医療における情報を扱うのではなく、情報を活用して新たな医学・医療の地平を切り拓く」ことを目指します。
 上記の目的を達成するために、医学部、歯学部、修業年限6 年の獣医学を履修する過程や医学系大学院修士課程出身者の他、理系の修士課程修了者、経済学系大学院の修士課程で計量経済学、医療経済学などを専攻し数学的基礎を身に付けた学生も対象に、次のような人材を育成します。
○豊かな人間性と高い倫理観を持ち、医学研究における倫理規範や法規範に基づく手順を遵守したデータ解析を行い、その結果によって社会に貢献できる人材を育成します。
○広く豊かな学識と分野横断的な思考法を身につけ、高い研究能力によって大学や研究機関等で国際的に活躍できる人材や高度な専門職業人として医療機関、企業などで活躍できる柔軟な応用能力を有する人材を育成します。
○研究の成果を医療に応用するという視点を持ち、トランスレーショナルリサーチを推進できる人材を育成します。

<小児神経精神医学コース>
 近年、発達障害は、発達のさまざまな段階で見られる適応困難や狭義の精神医学的問題の基盤にあり、リスクを有するケースの早期発見と早期診断の重要性が 国際的な共通認識になっています。その重要性は、発達障害だけではなく境界域も含んだ知的障害、染色体異常に伴う行動表現型症候群、てんかん症候群、チック症なども同様に見られます。 さらに摂食障害、不安障害、児童虐待などによる子供の心理的問題も年々増加し、専門的な対応が益々求められています。
 本コースでは、上記の小児神経精神医学的疾患や障害を対象に、下記の研究能力を身につけることを目指します。
1) 疫学、病態、評価、治療、療育等について幅広い知識
2) 専門診療を通じで適切な技能や態度
3) 未解決の課題の研究を行う
 そして、以上を通して研究指導能力を備え、発達障害等が抱えている広範な社会的問題の対処に当たれるような人材を育成します。 教育課程の一部は、協定校であるヨーテボリ大学(クリストファー・ギルバーグ教授)と昭和大学医学部(加藤進昌教授)と連携して行います。
・ 小児神経精神医学的な疾患や障害を、小児神経学的視点と児童精神医学的な側面から、かつ生物・心理・社会的な観点から診療することのできる人材を育成します。
・ 医学的視点に限らず、教育的、福祉的視点を持ち、他職種との協力・共同の中で専門性を発揮することのできる人材を育成します。
・ 臨床に根差し地域に還元できる研究を、国際的レベルで遂行できる人材を育成します。

<MD-PhDコース>
 近年,医学部の研究離れが問題となっています。研究という未来への知的投資を怠ると、将来、わが国の医療水準が低下し、医師の能力も劣化する恐れがあります。これを防ぐために、高知大学医学部医学科では、モチベーションが高く頭脳の柔軟な低学年の三年間に、正課の選択必修科目として『先端医療学コース』を開講しています。先端医療学コース履修者は、先端医療開発研究の現場において研究を体験し、その成果を論文にまとめる訓練を受け、4年生末に「医学研究に必要な基礎学力をもち、特定課題について十分な研究成果を得、研究論文を発表することができる」という評価基準を満たしていれば単位認定されます。
 MD-PhDコースは、高知大学医学部医学科の卒業生で先端医療学コースを履修した者が、卒後、大学院博士課程医学専攻においてさらに研究を深化発展させるためのコースです。MD-PhDコースでは、高度な専門知識に加えて広い視野をもつ医師・医学研究者を育成します。研究成果を世界に発信し、評価を受けるために必要なグローバルコミュニケーション能力を鍛錬します。グローバルコミュニケーション能力には、単に英語の会話や読み書きが出来るだけではなく、物事を論理的に考え発信することができる能力や、多様な考えや文化を理解し寛容する心も含まれます。臨床試験や動物実験に必要なデータマイニング能力と生物統計の知識、スキルも習得します。また、生命倫理やコンプライアンスに関する知識をもち、それを遵守する人格も含めた普遍的能力の涵養を行います。

<海洋医学コース>
 海洋医学とは、海洋科学に関連した医学研究を意味しており、海洋未利用資源からの生理活性物質の発見と医学分野での応用、海洋気候の健康影響などをテーマとして取り組む研究領域です。
医学専攻においては、海洋をテーマとした研究活動が行われており、海洋深層水や海洋生物資源から抽出された有効成分を活用した医学研究等が実施されています。
医学研究は、基礎、臨床、社会医学の三種類に大別されますが、基礎医学的研究でin vitro, in vivoの研究を経て生理・薬理学的な有効性を確認し、人間を対象とした臨床研究に進みます。また、気候を含めた環境因子による人間集団への健康影響を確認し、その対策を講じます。こうした3つの視点を全て含め、世界三大コアセンターの一つである高知大学海洋コア総合研究センターとのコラボレーションを活かしつつ海底資源を中心に海洋に関わるあらゆる医学的研究テーマを学ぶ場として海洋医学コースを開設しました。

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