学部・研究科等ごとの目的
理学部は、高いレベルの基礎科学の教育・研究活動を通じて、広い視野にもとづく問題発掘・問題解決能力を持ち、次世代の課題にリーダーシップを発揮することのできる教養豊かな女性を育成することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
【教育理念】
現代では社会の様々な分野で自然科学の知識と視野を持つ人材が必要とされています。この社会からのニーズに応じ、理学部では、数学を含む自然科学の各分野の基礎と専門的知識の教育を行い、さらに研究活動への参加を通じて、科学的な思考力、自ら考え、自ら問題に取り組む能力を修得させます。理学部は、自然科学の素養と知識を生かしながら、現代社会の各分野で諸課題にリーダーシップを持って主体的に貢献できる女子を育成することを目標としています。
【求める学生像】
上記の教育理念にもとづき、理学部は次のような資質および意欲をもつ学生を求めます。
(1)自然科学の各分野における種々の事象に興味を持ち、学修と探究に意欲を持つ人
(2)高等学校等の各科目の基礎学力を持ち、論理的・科学的思考の基盤になる数学と理科を理解している人
(3)自然科学の素養を生かしながら、社会の各分野で積極的に貢献しようとする意欲を持つ人
【入学者選抜の基本方針】
「求める学生像」にふさわしい入学者を選抜するため、一般選抜前期日程、一般選抜後期日程、学校推薦型選抜、総合型選抜 探究力入試「Q」、私費外国人留学生入試、高大接続カリキュラム開発プログラムに基づく特別入試、第3年次編入学入試を行います。
一般選抜前期日程、一般選抜後期日程では、高等学校における学習の基本的達成度を評価する大学入学共通テスト、基礎的学力と論理的思考力を問う個別学力検査、および調査書の内容を総合して合否を判定します。
学校推薦型選抜では、書類審査および大学入学共通テストの成績を総合して合否を判定します。
総合型選抜 探究力入試「Q」では、基礎学力、思考力、表現力、探究力を総合的に判断するために、第1次選考(書類選考)と第2次選考(各コースの方法)を行い、合否を判定します。 ※対象校については本学ホームページ「学部入試(学生募集等)」に別掲
私費外国人留学生入試では、留学生に必要な基礎学力を評価する日本留学試験の成績、独自に行う学力検査および面接(化学生物環境学科生物科学コースおよび環境科学コースでは面接のみ)の成績、日本留学試験の成績、TOEIC又はTOEFLの成績を総合して合否を判定します。
高大接続カリキュラム開発プログラムに基づく特別入試では奈良女子大学附属中等教育学校を含む対象校※において、高大接続文理統合探究コースを受講し修得見込みの者を対象に、選抜単位ごとに、探究活動の発表、現在までの探究活動の報告、調査書、志望理由書、高大接続文理統合探究コースの履修状況等をもとに、適性等を総合的に評価します。
第3年次編入学入試の一般選抜では学力検査(筆記試験および口述試験)の成績、成績証明書を総合して合否を判定します。化学生物環境学科化学コースでは編入学入試の推薦選抜を行い、面接と出願書類を総合して合否を判定します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
【カリキュラム構成の基本方針】
理学部のカリキュラムは教養科目と専門教育科目から構成されています。教養科目では外国語科目と保健体育科目が必修となっているほか、幅広い教養を身につけるための科目を提供しています。専門教育科目では、理学部の全体像や各学科やコースで学ぶ内容を概論的に学ぶ学部共通科目や学科共通科目を開講するとともに、それぞれの専門を基礎から応用まで無理なく、順を追って学修・修得できるように、各学科やコースごとに工夫された科目構成になっています。
【教育の内容と方法】
・全学共通科目(基礎科目群、教養科目群)により、幅広い一般教養を身につけることができます。
・1,2年次に学部共通、学科共通の開講科目の履修により、数学、物理学、化学、生物学、環境科学に関する基礎的な素養を身につけることができます。
・学科・コース別に開講されている多くの専門科目では、各分野の基礎から専門的で発展的な内容までが網羅されており、各分野を深く理解し専門的な事項を習得することができます。
・皆さんが能動的に学修や研究に参加する形式の授業や実験・演習が多く準備されており、そこでは理学を学ぶことを通じて、自らが思考して問題解決に取り組む経験を積むことにより実践力を高めることができます。
・海外短期留学や企業インターンの経験を積むことにより、グローバルな視点や実践力を培うことができます。
・最終年度に履修する「卒業研究」では、それまでに学んだ専門知識に基づいて、卒業研究を行い自ら研究する経験を積むとともに、その成果をひとりひとりが的確に説明する能力を高めます。
【学修成果の評価】
学修成果の評価方法は、あらかじめシラバスに記載されており、科目に応じて、定期試験、授業外レポート、演習や卒業研究の内容などによって行います。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
奈良女子大学理学部では、理学を通した教養教育と専門教育を行います。理学は真理探究を目的としたすべての自然科学の基盤であり、今日の科学技術を支える礎です。また、人類全体の文化的・知的財産でもあります。理学部では、そのエッセンスを伝え、学問をする楽しさを皆さんが実感できる教育の実現を目指しています。
皆さんの持っているさまざまな疑問や好奇心を生かしそれらを成果として結実させるためには、理学に関するしっかりした学問的素養を身につけ、その背後にある科学的思考力と方法論を修得しなければなりません。本理学部では、長年培ってきた理学教育の伝統を継承するとともに、新しい教育方法を積極的に取り入れることにより、基礎的内容から専門に特化した分野まで、系統的で、実践的な教育を行っています。 これにより自然に対する深い洞察力と的確な判断力を備え、将来、大学・教育機関、公的機関、企業等で活躍できる人材を育てることを目標としています。
本理学部は、数学と物理学が融合・連携して教育を行う数物科学科と化学、生物科学、環境科学が連携して教育を行う化学生物環境学科の2学科体制を敷いています。それぞれの学科において、体系的に構築されたカリキュラムのもと、理学の本質を学び、活発な研究活動を経験することにより、しっかりした科学の素養をもち、グローバルな視点から様々な課題に挑戦できる能力を持った人材を育成します。
【身につけるべき力】
・数学・物理学・化学・生物学・環境科学などの理学全般の広い素養
・理学の高いレベルの基礎科学の知識、それらを応用して新しいものを作り出す創造力
・実践的な研究活動を通じて新しく問題を発掘する力や課題を解決する力
・専門知識をみんなと共有し、共同で課題に挑戦できるコミュニケーション力と、それを社会に生かす力
【学位授与の要件】
理学部が提供するカリキュラムにより所定の単位を取得し、上記のような素養・能力を複合的に身につけた学生に学士(理学)の学位を授与します。