学部・研究科等ごとの目的
本学部は、地球規模又は地域における食料・環境・資源に関する諸課題を解決するため、持続的な食料生産に関わる研究、バイオサイエンス等による生物機能の開発と応用に関する研究、生産環境や生態系の保全と再生に関する研究、生物資源の遺伝的改良及び利用・流通・加工に関する研究、農業・農村の高度情報化に関する研究、農山村の地域振興に関する研究等を基盤として、科学的思考力と技術的応用力を身につけ、高い問題解決能力と倫理観を兼ね備えた、有能で社会に貢献できる人材を育成することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
新潟大学農学部は、生命(いのち)の尊さを基本に、農業およびバイオ・食品関連産業の発展、持続的な食料生産と環境保全を目指し、幅広い基礎学力と応用力を育む教育を行っています。そのために、地域や社会が抱える諸問題を多角的視点から総合的に理解し、具体的な解決策を提言できる構想力、リーダーシップと高い倫理観をあわせ持ち、我が国のみならず、広く世界で活躍することに意欲のある学生を求めています。さらに各主専攻プログラムにおいて、以下のような学生を求めています。
・応用生命科学プログラム:化学と生物学を基盤とし、最新のバイオサイエンス・バイオテクノロジー・ゲノムサイエンス等、微生物・植物・動物の生命現象とその応用に関する高度な専門知識と実験技術の修得に強い関心のある人
・食品科学プログラム:現代の食品に求められる栄養価、美味しさ、健康など多様な機能を理解できる化学や生物の基礎学力を持ち、食品成分の化学的基礎から、食品の開発、製造、販売まで食に関する幅広い分野に強い関心のある人
・生物資源科学プログラム:動植物の遺伝子から個体を取り巻く環境までを理解し、生物資源の利活用におけるバイオテクノロジーや先進的技術の開発と応用に挑戦する意思を持ち、さらに国際的視点を持ちながら食料生産や農山村地域の持続的発展に強い関心のある人
・流域環境学プログラム:河川上流の森林地帯から中山間地を経て下流の平野部に至る流域を対象とし、地域の自然環境と調和した持続的な農林業の生産活動に強い関心のある人
・フィールド科学人材育成プログラム(分野横断型):野生動植物の生態や保全、自然環境に配慮した防災・減災対策・災害復興、生態系や自然災害に関わりの深い環境の動態に関する知識や技術の修得と、多様なフィールドでの実践活動に強い関心のある人
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
<教育課程の共通的な特徴>
農学部では、教育課程として1年次に主として教養教育・語学教育と農学分野の学部共通基礎科目(入門科目)、主題科目を履修する。1年次終了後に主専攻プログラムを選択する。そして、2年次に専門基礎科目を履修し、3年次以降は専門科目が中心となる。
農学部では、多様化する社会の要請に柔軟に対応し得る素養と国際的な視野を身に付けた、農学分野の幅広い知識と技術を備えた農学系人材を育成するため、以下の特徴をもった教育課程を編成する。
・世界・社会・文化・自然についての幅広い知識を身につける教養教育に関する科目、農学に関わる基本的知識を身につける農学部共通基礎科目(入門科目、主題科目)、特定分野の力を伸ばす専門基礎科目、専門科目を適切に配置し、初年次教育から卒業研究に至るまでの教育課程を体系化する。
・1年次に農学全般を学ぶ学部共通基礎科目を設定し、本学部で学ぶ意識を醸成する。
・課題解決力や就業力の基礎を身に付けるため、大学学習法、就業力育成科目を初年次に配置する。また、それぞれの主専攻プログラムにおいて、2、3年次にもアクティブラーニングの手法を取り入れた演習、実験・実習科目を配置する。
・各主専攻プログラムへの配属は2年次からであるが、それまでに幅広い分野の教育・研究に触れつつ、社会意識を深め、社会的要請を的確に認識しながら、自らの興味・関心と能力・適性等に基づいて主専攻プログラムが選択できる。
・各主専攻プログラムが掲げる教育目標に照らし合わせ、必要に応じて他主専攻プログラムの講義科目も含めて学生が自らの学修をデザインする。
・卒業論文研究については、自らの所属する主専攻プログラムの総仕上げとなるべくテーマが選択できる。
・高度職業人の育成のため、学年進行に対応した就業力育成科目を配置する。
・グローバル人材育成のため、英語で開講する科目や英語でのプレゼンテーションスキル獲得、海外語学研修などのグローバル科目を積極的に導入する。
・農学部と理学部が共同で設置する学部横断型主専攻プログラムでは、農学部、理学部に加えて大学の附置研究所も積極的に教育に参加する。
・専門職業人・研究者の育成のため、大学院への接続をふまえた教育課程を編成する。
<学部で共通的な教育課程の編成方針>
農学部では、学部共通教育の充実により本学部に入学した学生の学修や、進路の柔軟性を保証できる体制をとる。まず、1年次に農学部共通基礎科目を開設し、農学について幅広く学修する機会を提供する。入学後すぐに入門科目を必修科目として履修させ、本学部で開設している各主専攻プログラムの概要を知ってもらう。1年次に6つの主題科目を選択必修科目として配置する。この主題科目群は主専攻プログラムの枠に捉われることなく、食料、生命、環境、食品をキーワードに、農学分野のトピックスについて解説する科目となっている。また、2年次前半には「基礎農林学実習」を必修として課し、農学部附属フィールド科学教育研究センターを活用した実習を通して、農林業の生産現場での課題探求に臨む。合わせて、地域と連携した就業力育成科目を各学年に配置し、就業力を段階的に育成できるようにする。
このように、学部共通教育を充実させることにより、学生は農学の幅広い分野を多面的に捉える視点を養うことができ、農学人材としての基盤形成を図りつつ、2年次からの主専攻プログラム選択の一助とすることができる。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
農学部では、それぞれの主専攻プログラムの教育課程の中で、共通して以下の能力を養成する。
・創造性豊かで広い視野を持てる。
・農学部分野の幅広い基礎学力と総合的応用力を発揮する。
・高い倫理観を持って多様化する社会の要請に柔軟に対応できる。
これらの能力を含む形で定められている各主専攻プログラムの修了認定の基準を満たした者に、学士の学位を授与する。