学部・研究科等ごとの目的
博士後期課程は、高度な専門性と豊かな学識、卓越した研究能力と自立性を備えた研究者を育成することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
一橋大学大学院社会学研究科では、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力のある専門人、理性ある革新者、指導力のある政治経済人を育成するという本学が掲げる理念に基づいて、以下のとおり入学者選抜を実施します。
1.求める学生像
一橋大学大学院社会学研究科は、多彩に広がる社会科学及び人文科学の諸分野において、専門性と総合性を併せ持つ研究者と学識ある高度専門職業人とを育成し、現代社会の諸課題に対し多様な視点から知的に対応する創造力豊かな担い手を育てます。この理念の実現に向けて、本研究科には、総合社会科学専攻と地球社会研究専攻という二つの専攻が置かれています。
総合社会科学専攻は、各専門分野における学術探究とその総合的発展を担う意欲と創造性と研究能力を備えた人材の育成をめざします。地球社会研究専攻は、問題に焦点をあてる、解決を志向する、西欧中心思想を脱する、という理念のもとで、地球規模の諸課題に対して創造的・実践的に取り組む人材の育成をめざします。
このため、本研究科は、国内外を問わず、次のような人材を広く求めています。
・ 各分野において学術研究を遂行していくことを可能にする高度な知的基盤を有し、自立的に学問世界を究めていく意欲と粘り強さを備えた方
・ 領域を横断しながら新しい知の世界を切り開く冒険心と課題設定力をもち、大学院での学修を支える幅広い知識と十分な学力を有している方
・ 社会の実践的課題の解決に向けて自らの問題関心や経験を学問的に深めていく目的意識をもち、大学院で専門教育を受けるのに必要な知識と十分な学力を有している方
2.入学者選抜の基本方針及び多面的・総合的な評価方法
上記の能力を備えた学生を選抜するため、本研究科では以下のとおり多様な入学者選抜を実施します。
修士課程
一橋大学大学院社会学研究科では、総合社会科学専攻と地球社会研究専攻の両専攻で共通の以下のような入試を実施します。まず、両専攻で一般選考を秋期(9月)と春期(2月)の二回、実施します。秋期一般選考の一次選考では、研究分野ごとに出題された主論文・副論文を解答する論文筆記試験を実施するとともに、研究計画書等の書類審査による選抜を行います。二次選考では、一次選考の合格者に対して研究テーマの整合性、研究計画の独自性・論理性・実現可能性、研究テーマに必要な基礎知識を問う口述試験を実施します。選抜においては研究遂行に必要な語学力などを含めて、総合的に評価します。春期一般選考では、一次選考において卒業論文等の提出論文及び出願書類に基づき、審査を行います。二次選考では、秋期一般選考と同じ評価基準で、口述試験を実施しています。
これ以外に、秋期には、特別選抜と社会人特別選考の入試を実施します。特別選抜は、学士課程において専攻分野に関する体系的かつ専門的な教育を受け、卓越した成績を収めた学生を対象とする入試で、一般選考と同じ評価基準で、一次選考では研究計画書等の書類審査、二次選考では口述試験を実施しています。
社会人特別選考は、社会人の経験を生かした学修研究の機会拡充(リカレント教育)に対する社会的要請に応えることを目的に実施する入試で、一般選考と同じ評価基準で、一次選考では研究計画書等の書類審査、二次選考では口述試験を実施しています。
博士後期課程
(1) 総合社会科学専攻では、提出論文及び出願書類に基づき一次選考を行い、受験生の研究水準、研究課題の学術的重要性、本専攻との適合性、研究計画書の実行可能性を基準に審査します。二次選考では、面接による口述試験を実施し、研究上の理解力・説明能力、研究遂行能力等を基準に審査します。選抜においては、研究遂行に必要な語学力や日本語の史資料の読解力などを含めて、総合的に評価します。
(2) 地球社会研究専攻では、提出論文及び出願書類に基づき一次選考を行い、受験生の研究水準、研究課題の学術的重要性、本専攻との適合性、研究計画書の実行可能性を基準に審査します。二次選考では、面接による口述試験を実施し、研究上の理解力・説明能力、研究遂行能力等を基準に審査します。選抜においては、研究遂行に必要な語学力などを含めて、総合的に評価します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
1.教育課程編成の考え方
一橋大学大学院社会学研究科は、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するという本学が掲げる理念に基づいて、多彩に広がる社会科学及び人文科学の諸分野において、専門性と総合性を併せ持つ研究者と学識ある高度専門職業人とを育成し、現代社会の諸課題に対し多様な視点から知的に対応する創造力豊かな担い手を養成します。こうした大学、研究科の理念に沿って、修士・博士後期課程を通じて学生が身につけるべき能力(教育目標)として総合性・専門性・人間性・国際性の四点を定め、以下のとおり教育課程編成の考え方に基づく、学修内容及び学修方法、学修成果の到達目標、学修成果の評価方法により教育課程を実施します。
2.学修内容及び学修方法
(1)修士課程では、各分野で先端的な学術研究を担う研究能力と、各分野をリードする高度な専門的職業人としての優れた能力を身につけます。
(2)このために、修士課程では、少人数の演習(ゼミナール)を基盤に、それぞれの指導教員のもとで学修・研究を進め、また発表・論評・討議の協働活動に関わりながら、修士論文を完成させます。
(3)博士後期課程では、専門的教育研究者として自立できる能力と学識あるいは指導的な役割を果たす高度な専門的職業人としての能力と学識を身につけます。
(4)このために、博士後期課程では、少人数の演習(ゼミナール)及び論文指導委員会を基盤に、博士論文の完成にむけて計画的に研究を進め、学位論文計画書を提出し、博士学位論文を完成させます。
(5)社会学研究科は4つの研究分野(社会学・共生社会・歴史社会文化・超域社会)で構成されます。カリキュラムの体系は、各学問領域の方法論を学ぶ方法科目群と、領域横断・総合を目指し実践知を修得するための領域横断・実践科目群からなる研究科共通科目と、専門知を探求するための専門科目からなります。
(6)本研究科は、大学院教育を学生自身が主体の「キャリアデザインの場」として捉え、学生のキャリア支援を目的とする各科目を設置しています。修士課程・博士後期課程の学生は、これらの科目を履修することで、専門的教育研究者・高度な専門的職業人としての技能や専門的能力を身につけます。
(8)本研究科では、研究倫理の講義を通じて高い倫理観をもち、教育・研究に携われる人材を育成します。
(9)本研究科のカリキュラムは、このポリシーのもとで定期的に精査と検証を受け、いっそうの改善がはかられます。
3.学修成果の到達目標
社会学研究科では、学生が自らの履修計画に基づいて適切な科目履修が行えるように、ゼミナール及び講義科目それぞれにおける授業概要や到達目標、授業計画及び評価方法等を明記したシラバスを示しています。
本研究科での学修を通じ、ディプロマ・ポリシーに掲げる(1)社会科学分野の専門的・総合的知識、(2)人文科学分野の専門的・総合的知識、(3)(1)(2)を身につけ、深い専門性と領域横断的な総合性をあわせ持つことで、現代社会の諸課題に対する解決策を提案・実行できる能力、及び、学術的貢献ができる研究能力を修得させます。修士・博士後期課程を通じて学生が身につけるべき能力は、具体的には総合性・専門性・人間性・国際性の四点となります。
4.学修成果の評価方法
学修成果の評価方法は、次の方針のもとに実施しています。
(1)講義科目の成績評価は、期末試験(筆記試験やレポート試験)により行われ、シラバスに定める「成績評価の方法と基準」に基づき、「授業科目の到達目標」に掲げる知識、能力が身についているかで判定します。
(2)大学院演習など少人数で行う授業科目においては、学修・研究活動の発表などの実績・評価を用いて、主体的、自主的、能動的な学修態度や、大学院課程で求める思考力、判断力、コミュニケーション能力が身についているかを確認し、判定します。
(3)学位論文については、社会学研究科の定める審査基準及び審査体制により、判定します。
(4)「授業科目の到達目標」への到達度は、可能な限り複数の評価手段によって判定します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
一橋大学大学院社会学研究科は、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するという本学が掲げる理念に基づいて、多彩に広がる社会科学及び人文科学の諸分野において、専門性と総合性をあわせ持つ研究者と学識ある高度専門職業人の養成を目指します。そのため、本研究科の修士・博士後期課程では、現代社会の諸課題に対し多様な視点から知的に対応できる創造力豊かな担い手を育てるという理念を実現するため、学生が以下の資質を身につけることを教育目標として掲げています。
1.修得する能力・資質等
(1)社会科学分野の専門的・総合的知識
(2)人文科学分野の専門的・総合的知識
(3)(1)(2)を身につけ、深い専門性と領域横断的な総合性をあわせ持つことで、現代社会の諸課題に対する解決策を提案・実行できる能力、及び、学術的貢献ができる研究能力。具体的には以下の四つ。
①総合性 社会・文化・歴史・自然に関する豊かな教養に基づき、複眼的視野から問題を発見・思考していく力を備えること。
②専門性 専門的知識と深い思索に裏打ちされた論理的思考と分析能力に基づいて問題の分析・解決にあたる力を備えること。
③人間性 民主主義と人権の意識、それを支える高い倫理性を身につけ、対話から価値を創造するコミュニケーション能力を備えること。
④国際性 多文化・多言語世界の現実と歴史を学び、地球市民としての自覚と教養を備えること。
2.修得した能力・資質等の判定方法
修士課程
(1)修士課程総合社会科学専攻では、第一演習、「社会科学研究の基礎」、リサーチワークショップ、両専攻及び他研究科の講義・第二演習・研究科共通科目のうちから、所定の単位を修得していること。
(2)修士課程地球社会研究専攻では、第一演習、「地球社会研究の基礎」、リサーチワークショップ、両専攻及び他研究科の講義・第二演習・研究科共通科目のうちから、所定の単位を修得していること。
(3)修士課程にあっては、所定の年限以上在籍して、本研究科がその研究教育の理念と目的に沿って設定した授業科目を履修し、所定の単位を修得し、さらに修士学位論文の審査と最終試験に合格すること。
(4)修士課程にあっては、専門性と総合性をあわせ持ち、社会の実践的課題の解決をめざして各分野で先端的な学術研究を担う研究能力と、各分野をリードする高度な専門的職業人としての優れた能力を身につけることが、課程修了の目安となります。
博士後期課程
(1)博士後期課程総合社会科学専攻では、第一演習と講義・第二演習のうちから、所定の単位を修得し、さらに両専攻及び他研究科の講義などから所定の単位を修得していること。
(2)博士後期課程地球社会研究専攻では、第一演習と講義・第二演習のうちから、所定の単位を修得し、さらに両専攻及び他研究科の講義などから所定の単位を修得していること。
(3)博士後期課程にあっては、所定の年限以上在籍して、本研究科がその研究教育の理念と目的に沿って設定した授業科目を履修し、所定の単位を修得し、さらに博士学位論文の審査と最終試験に合格すること。
(4)博士後期課程にあっては、専門性と総合性をあわせ持ち、社会の実践的課題の解決をめざして各分野で先端的な学術研究を担い後進を育成する研究者・教育者として自立して活動する優れた能力と学識、あるいは各分野をリードする高度な専門的職業人としての優れた能力と学識を身につけていることが、課程修了の目安となります。