学部・研究科等ごとの目的
本学部は, 高度情報化社会において, 情報と結びつく多様な分野を融合した学問体系としての情報学の創造に基づいて、情報技術の創出と利活用を可能とする知識基盤を備え,持続可能でインクルーシブな社会の発展と課題解決に寄与できる人材を養成し, 地域社会や国際社会に貢献することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
〈人材育成の目標〉
人工知能(AI)やIoTを含む先端技術の創出・利活用を可能とする知識基盤を備え、人文科学・社会科学の知見から情報社会における課題を発見し、情報科学とデータサイエンスの知識を総合することで、持続可能でインクルーシブな社会(Society5.0)の発展と課題解決に寄与できる人材の育成を目指す。
〈入学者に求める能力・資質)
群馬大学の理念、教育の目標に賛同し、本学の教職員と共に学術研究の成果を地域に還元し、豊かな地域社会・国際社会の創造に貢献していく意欲にあふれ、以下の能力・意欲を持つ人を求める。
1.高等学校の教育課程についての総合的な理解と大学教育を受けるにふさわしい基礎学力がある人
2.情報学を学ぶ上で必要な基礎知識と強い探求心、コミュニケーション能力を持っている人
3.主体的に学ぶ姿勢と、論理的で柔軟な思考能力を持っている人
4.知的好奇心が旺盛で、新しい課題に積極的に取り組む意欲がある人
5.高い志と豊かな発想力を持ち、未来を切り開く夢と情熱を持っている人
6.地域社会や国際社会に貢献する意欲とリーダーシップを持っている人
〈入学に際し必要な基礎学力〉
人文情報プログラムあるいは社会共創プログラムを選択しようとする者は、外国語能力の向上と多文化の理解に関心があることが望まれる。また、データサイエンスプログラムあるいは計算機科学プログラムを選択しようとする者は、自然科学、中でも数学を基礎とする分野に強い探求心を持っていることが望まれる。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
(教育の目標)
全学的な協力体制の下、教養教育と専門教育の融合を図り、幅広く深い教養、豊かな知性と感性、総合的な判断力、専門分野の基礎的能力を育成するため、学生の潜在能力を最大限引き出せる教育課程を編成し、実施する。
また、全学のディプロマ・ポリシーの専門的学識・能力に対応して、次の方針に従って教育課程を教育プログラムとして体系的に編成し、実施する。
(教育課程の構成)
1. 初年次は、人文科学、社会科学、自然科学および外国語教育などの教養教育科目により、全学部共通の豊かな人間性と広い見識を持つことの重要性を理解し、コミュニケーション能力により国際的に活躍するための基本素養を身に付けさせる。また、数理・データサイエンスに関しても統計学的基礎を身に付けさせ、その後の4プログラムの学習の基礎となる知識とスキルを身に付けさせる。4プログラムのそれぞれの特徴を理解し、2年目から各プログラムの専門性を重視した教育を行うため、学部基盤共通科目として文化・社会・倫理的諸問題と社会組織や制度の設計・構築のための基本的知識と統計学・情報技術の基本的スキルを身に付けさせる。
2. 2年次以降は、教育プログラムの目標を達成するための専門教育をカリキュラムマップに則って系統的に行う。また、この専門教育を補う形で、選択したプログラムとは異なるプログラムの基礎的な科目の教育を行い、分野横断の幅広い専門知識の獲得を目指す教育を行う。
3. 3年次以降は主に融合型PBL、ゼミナールおよび卒業研究などによりアクティブ・ラーニングを実践する教育を行う。
なお、4つの教育プログラムにおいて、それぞれ次のような教育を行うことで、高度情報化社会において情報を基軸としてあらゆる分野で活躍するための専門能力を修得させる。
(教育内容・方法)
1. 人文情報プログラムにおいては、ソーシャルメディア論、コミュニケーション論、理論社会学、社会心理学、言語メディア論などを網羅した体系的なカリキュラムを通じて、現代情報社会の諸問題の根幹と先端的な情報科学の特性を理解させる教育を実施する。
これにより、人間中心社会の構想を提示できる人材を育てる教育を展開する。
2. 社会共創プログラムにおいては、政策情報論、情報政治論、情報法、環境法、経営組織論などを網羅した体系的なカリキュラムを通じて、情報技術を用いた社会組織や制度を設計し、構築する能力を身に付けられる教育を実施する。これにより、設計し、構築した社会組織や制度を、グローバルに実現し得る人材を育てる教育を展開する。
3. データサイエンスプログラムにおいては、統計学、機械学習、数理最適化、データマイニング、シミュレーションなどを網羅した体系的なカリキュラムを通じて、課題に対して適切なデータの収集能力・分析能力を身に付けられる教育を実施する。これにより、その課題を数理的に定式化し、解決策の導出ができる人材を育てる教育を展開する。
4. 計算機科学プログラムにおいては、計算機システム、情報ネットワーク、オペレーティングシステム、画像処理など情報科学の基礎理論から応用技術までを網羅した体系的なカリキュラムを通じて、情報科学に関連した幅広い基礎知識を身に付けられる教育を実施する。これにより、課題解決のための論理的思考に基づいた応用力と倫理観を備え、科学技術の発展にグローバルに貢献できる人材を育てる教育を展開する。
(学修成果の評価)
学修成果の評価は、各科目についてはシラバス記載の成績(達成度)評価基準に基づいて行い、学則に従いS、A、B、C、Dの5段階での判定とこれを基にしたGPAの決定を行う。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
〈学位授与の条件、達成度・能力評価の基準〉
本学部では、所定の年限在学し、かつ全学のディプロマ・ポリシーを踏まえた上で、教養教育科目、本学部で定めた必修科目、選択科目、PBL科目、ゼミナール、卒業研究の所定の単位を修得し、専門的学識、技能に関して、以下の資質を身に付けたと認められる者に対して学士(情報学)の学位を授与する。
〈学修成果の目標〉
1.現代情報社会の諸問題の根幹と先端的な情報科学の特性を理解し、人間中心社会に向けて社会課題解決に統計学や情報技術を活用することができる。
2.データをもとに具体的な社会組織や制度を改良することができる能力を持つ。
3.構想される社会目標の達成のためのデータの収集と実証的な検証をする能力を修得する。コミュニケーション能力をもとにデータサイエンスの結果を社会実装することができる。
4.人工知能やIoTを含む先端技術の創出と利活用の知識基盤を備えている。
さらに、各プログラムにおいては以下の専門的学識や能力を修得していることを目標とする。
Ⅰ.人文情報プログラムにおいては、現代情報社会の諸問題の根幹と先端的な情報科学の特性を理解し、人間中心社会の構想を提示する能力を修得することを目的とする。
具体的には、次のとおりである。
・人文科学的知見を活用して高度情報化社会における課題を探索する能力を修得する。
・高度情報化社会における課題解決のための実践的理念を提供する能力を修得する。
Ⅱ.社会共創プログラムにおいては、持続可能な包摂型社会の実現に向けた課題解決を、具体的な社会組織や制度の設計・構築と検証によって図ることができる能力を修得することを目的とする。
具体的には、次のとおりである。
・高度情報化によるシステム(制度)の変化について、社会科学的知見を活用して課題を発見する能力を修得する。
・社会的課題の解決及び社会目標の達成のためのシステム(制度)の構築や方策を提案できる能力を修得する。
Ⅲ.データサイエンスプログラムにおいては、社会的課題に関わるデータの適切な収集、その科学的分析による問題の定式化・解決策を提示する能力を修得することを目標とする。
具体的には、次のとおりである。
・社会的課題の実証的定式化と数理最適化による解決策を提示する能力を修得する。
・構想される社会目標の達成のためのデータの収集と実証的な検証をする能力を修得する。
Ⅳ.計算機科学プログラムにおいては、計算機を利用するための基礎知識を身に付け、論理的思考により科学、工学に関する問題に応用する能力を修得することを目標にする。
具体的には、次のとおりである。
・計算や情報を視点とした情報科学の数学理論を身につけ、応用する能力を修得する。
・計算機の構造と原理、計算機による効率的な計算の方法及び計算機システムの基礎知識を身につけ、それらに関する技術を開発する能力を修得する。
・計算機に推論や認識などの知的機能を実現するための理論を身につけ、その技術を開発する能力を修得する。