学部・研究科等の特色等
<学部長メッセージ>
東京農工大学工学部は、1874年に設立された内務省勧業寮内藤新宿出張所蚕業試験掛の流れを汲む東京繊維専門学校を前身に、1949年に東京農工大学繊維学部、1962年に工学部に改称して以来、「工学分野の科学技術に関する基礎から専門までの知識と技術を修得することにより、持続可能な社会の実現に生かすことのできるような人材」を送り出してきました。
本学工学部のミッションを「科学技術で世界を変える人材を輩出すること」と定めています。科学技術で世界を変えるためには、自分自身の専門分野に関する知識を身につけるとともに、専門外のことにも常に好奇心を持つことが大切だと思います。また、社会の複雑な問題を自分一人で解決することは不可能ですので、他者とコミュニケーションをとり、お互いに理解し合い、協働することが必要です。これらを効率的に学ぶために、工学部では「欅(ケヤキ)型教育」と呼ばれる教育体系を設定しました。工学部のある小金井キャンパスには素晴らしいケヤキ並木がありますが、一本のケヤキは太く高い幹を持ち、大きく枝葉を広げる形をしています。そのケヤキの樹形になぞらえています。ケヤキの太い幹は各人の専門性を意味し、広い枝葉は多様性を意味しています。高度な専門能力を有し、その専門だけにとらわれず、他分野にも目を向けて学際的に活躍できる研究者・技術者を育成することができる教育体系です。
本学工学部では6学科からなる教育課程を軸に、学部卒業生の80%以上が大学院に進学する実情も考慮して、大学院教育とのつながりを意識した高度に専門的な教育カリキュラムを編成しています。実験実習科目や研究室体験配属、企業へのインターンシップ、海外語学研修や短期留学など、座学だけではない多くの実践的な科目を用意しています。また、西東京地区近隣の国立大学と協働して、多彩な専門科目を受講できる機会も確保しています。
このように、「科学技術で世界を変える人材」を輩出し続けることを全教職員が常に意識し、教育プログラムのPDCAサイクルを回し続ける努力を継続したいと考えています。多くの卒業生が社会に出て活躍している現実は我々の誇りであり、そのことがまた在学生にフィードバックされているこの好循環を、教職員と学生の全員で維持しつづけていきたいと考えています。