理工学研究科（博士課程(前期)）

理工学研究科の人材育成・学位授与の方針に沿って，「理工学分野における高度な知識・専門技能」・「学識・論理的思考力・俯瞰的視野に基づく課題探求力・解決力」・「高い教養と学識からなる豊かな人間力・発信力」を涵養する体系的な教育課程を提供します。科目群とディプロマ・ポリシーの関係を対応表に明示します。

【博士前期課程】
1．研究・開発活動の主体的な実施に必要な専門分野に関する高度な知識・技能を養成する専門科目を配置します。研究・開発活動の基盤となる高度な専門能力と学識を，修士特別研究・学位論文作成の過程で身に着けます。
2．調査・研究・開発の過程における課題の分析，解決，成果発信を適切に行う能力を養成し，多様な課題に柔軟に対応できる俯瞰的視野と適応力を涵養する専攻共通科目・プログラム共通科目を配置します。
3．科学技術の役割，責任，社会とのかかわりを考え，価値観・立場が異なる多様な人々に適切に伝える能力を養成する専攻共通科目・プログラム共通科目を配置します。

＜教育課程の編成と教育の内容＞
博士前期課程では，理工系人材の汎用基盤能力を養成する【専攻共通科目】，プログラムの学修において共通に要求される知識・技能の基盤を養成する【プログラム共通科目】，高度な専門知識・技能を学修し専門能力を確立する【専門科目】に分類される科目群からカリキュラムを編成します。
1．専攻共通科目
専攻共通科目は，理工系人材が共通に必要とする汎用基盤能力を涵養するために，博士前期課程において必修とする科目群です。研究倫理特論では，eAPRINによる研究倫理・コンプライアンス・情報セキュリティ・個人情報保護に関する標準教育課程と，理工系研究・開発で遭遇する倫理・コンプライアンスに関するケーススタディを通して，科学研究や調査を実施する上で遵守すべき倫理・ルールについて，その考え方，法令等の根拠，実例に基づく対応を学修し，研究者・技術者・社会人としての倫理観を養成します。科学・技術英語では，実践的技術英語課題に取り組む学修により，科学技術分野特有の英語表現や専門用語などの用法を修得し，グローバルなステージを想定した科学技術成果発信力を涵養します。アカデミックプレゼンテーションでは，専門分野及び専門分野外それぞれの聴衆を対象としてモデル課題の発表の準備・発表・討論を実習する体験を通して，課題の意義付け，分析，解決，成果の発信を適切に行う能力と多様な課題に柔軟に対応できる俯瞰的視野・適応力を涵養します。修士特別研究では，指導教員（主・副）による指導のもと学位研究・学位論文作成に主体的に取り組む過程において，研究・開発活動の基盤となる高度な専門能力と学識を身に着けます。
2．プログラム共通科目
プログラム共通科目は，それぞれのプログラムの学修において共通に要求される知識・技能の基盤を確立する選択必修の科目群です。SDGｓ，データサイエンス，知的財産権，安全衛生，化学物質管理など，科学技術を担う上で必要な知識に関する科目の他，他分野・複数分野の集合知を必要とする様々な課題とその解決手法などに関する科目などの学修を通じて，課題解決力と成果の発信力に加えて，多様な課題に対応できる俯瞰的視野，柔軟な適応力を涵養します。
3．専門科目
専門科目は，学生が所属するプログラムの分野に関する高度な知識・技能を学修し専門能力を確立するための科目群です。また，所属プログラム外の科目を，学位研究に必要な知識を獲得する目的のほか，異なる領域を広く学び，広範な分野へ理解と関心を拓く目的で履修することも可能で，産業・科学・技術に対する多面的視点を涵養し，研究者・職業人としての俯瞰力を高めることができます。

＜研究指導・学位論文指導＞
学位研究と学位論文作成の指導は，学生ごとに定められた指導教員（主・副）により行われます。入学した学生は，志向する研究課題の推進に最適な指導・助言ができる教員を理工学研究科の所属プログラム担当の教員から選び，指導教員（主）とします。指導教員（副）には，学位研究あるいは学修活動に有益な指導・助言ができる教員を理工学研究科の教員から選択します。指導教員（主・副）が所属プログラムの教員である場合には，所属プログラム外の教員からインターディシプナリーアドバイザーを選び，学位研究等に対する分野外の視点からのアドバイスを受けることができます。学生が必要とする場合，指導教員（主・副）に加えて，理工学研究科を担当する他の教員の研究指導を随時受けることができます。

＜教育方法と成績評価＞
・学修の全体像を示すカリキュラムマップまたは履修モデルを提示し，履修ガイダンス・学修指導を適宜実施して学生個々の学修進行をサポートします。
・講義，演習，実験，調査，グループワークなど，科目の教育目標に応じて最適な形式の授業を実施します。また，双方向型遠隔授業・学修支援ツールを積極活用します。
・異分野参加者を含むプレゼンテーション・グループワーク・ディスカッションを取り入れた科目で，俯瞰的な視野，表現力・コミュニケーション能力を涵養し，理工系人材としての自律を促します。
・成績評価は，筆記試験・レポート・口頭試問・ルーブリック評価などシラバスに明示した客観的方法を用いて厳正に行います。
・課程の修了認定・学位授与は，修了要件及び学位論文審査基準に照らした厳正な審査の上で実施します。

＜カリキュラムの評価＞
授業アンケート，修了（予定）者アンケートなどの学生調査と各種統計データの分析を実施し，教育効果及び学修到達目標の達成状況について検証します。
学位論文について，ルーブリックを用いた主査・副査の評価と学生の自己評価を分析し，学修の達成状況・学位の水準について検証します。

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＜教育理念と教育目的＞
理工学研究科は，その分野における高度な専門知識及び応用能力を獲得した高度専門職業人（知・技術のプロフェッショナル）・研究者となる理工系人材を育成し，継続的に輩出することで，学術・産業・社会の発展に貢献する役割を担っています。社会や産業構造が急速に変化する中，現在の科学・技術を支え発展させるとともに，地域や世界の課題に向き合い，SDGs，Society 5.0 などのキーワードに提示された新たな価値の創造・実現に貢献できる高度理工系人材が必要です。愛媛大学大学院理工学研究科は，研究科と先端研究・学術推進機構のセンター群が有する自然科学から応用科学まで幅広く特色ある学術研究基盤のもとで，高度な専門性と学修の自由度を両立する教育カリキュラムを整え，意欲ある学生を教育します。それにより，高い学識・技能・人間性，俯瞰的な視野，新しい価値観を有し，地域とつながり，あるいはグローバルなステージで，協調性高く，創造力豊かに活躍できる高度理工系人材を育成・輩出し，社会に貢献することを教育の目的とします。

＜育成する人材像＞
愛媛大学大学院理工学研究科は，「理工学分野における高度な知識・専門技能」・「学識・論理的思考力・俯瞰的視野に基づく課題探求力・解決力」・「高い教養と学識からなる豊かな人間力・発信力」を涵養し，「柔軟な思考と高い適応力のもと，変貌する社会と地球環境を見据え，今日の科学・技術を継承し発展させるのみならず，未来のために新たな価値の創造・実現に貢献できる理工系人材」を育成する。

＜学習の到達目標＞
【博士前期課程】
1．＜専門能力・学識＞理工学分野に関して，主体的に研究・開発活動を実施できるレベルの高度な専門知識・技能・研究遂行に関わる倫理観を有している。
2．＜研究・開発能力＞自らの学識と俯瞰的視野に基づいて，社会の様々な課題の本質を分析し，高度な調査・研究・開発の過程を通じて，課題解決を主導し，その成果を発信することができる。
3．＜社会とのかかわり＞科学・技術の普及・活用にかかわる者として，社会，環境の多様な観点から科学・技術の役割と責任を論じ，評価することができる。

＜学位の授与＞
規定する期間以上在学し，理工学研究科の定める教育課程を修めて所定の単位を修得し，学位論文審査及び最終試験に合格した学生に対して，修了を認定し学位（修士または博士）を授与します。

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