学部・研究科等ごとの目的
工学部では,グローバルな視点で夢を描き,それを形にできる技術者を「グローバルイマジニア」と呼び,人材育成の基本コンセプトとしつつ,安全で安心な社会の創造のための基礎的な知識・教養,幅広い専門知識に裏打ちされた高度な専門能力に加えて,歴史や文化,習慣の違いを超えて世界の人々と協働し,倫理観を持ち主体的に行動できる総合的な能力を持つ技術者・研究者を養成します。また,安全で安心な社会の創造に寄与することを目的に,広く工学全般にわたって教育研究を行い,その成果を社会に還元します。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
■工学部で養成する人材像
工学部では,「安全で安心な社会の創造」に寄与することを目的に,広く工学全般にわたって教育研究を行い,その成果を社会に還元します。この方針のもと,人材養成の基本コンセプトとして「グローバルな視点で夢を描き,それを形にできる技術者“グローバルイマジニア”の育成」を掲げ,安全で安心な社会の創造のための知識・教養,幅広い専門知識に裏打ちされた高度な専門能力,さらに歴史や文化,習慣の違いを超えて世界の人々と協働し,倫理観を持ち主体的に行動できる総合的な能力を備えた高度専門技術者を養成します。
各学科では,以下のような人材を養成します。
【機械・システム工学科】
多種多様な革新的機械・システム技術の創造や原子力の安全性向上に貢献し,ものづくりを通して,安全で安心な社会の構築と持続に貢献できる人材を養成します。
【電気電子情報工学科】
電気工学から発し,歴史とともに拡大・細分化してきた通信工学,半導体工学,計算機工学,情報工学の学問分野を広くカバーするカリキュラムにより,電気系,情報系の学問基礎の体系的な修得と両分野に跨る分野横断的な応用力と実践力を有する人材を養成します。
【建築・都市環境工学科】
建築学と土木工学の基礎を修め,社会基盤施設の維持・管理,国土の強靭化,少子高齢化社会への対応,環境調和型の生活空間の構築等の課題に真摯に取り組み,安全・安心で快適な社会生活環境の実現に貢献できる実践力ある人材を養成します。
【物質・生命化学科】
高性能・高機能な材料・繊維の創製に向けた教育・研究,化学製品の合成・開発・利用を指向した物質の探求,医学・農学と工学の融合分野への応用を目指したバイオテクノロジー教育などを通じて,持続可能で豊かな社会の実現に向けて,地域社会から国際社会の様々な分野において活躍できる人材を養成します。
【応用物理学科】
工学の幅広い分野に対応できる確固とした理工学の知識・思考方法・応用能力を修得するとともに,総合的な実践力や産業関連知識を自ら学び,課題解決につなげる力,グローバルな行動力,倫理観を身につけた物理を中心とした基礎科学を応用展開できる人材を養成します。
■求める学生像
〇求める学生像
工学部では,養成する人材像を踏まえ,以下のような学生を求めます。
1.グローバルイマジニアとして地域社会や国際社会に貢献する意欲を有する人
2.高等学校教育またはそれに準ずる教育課程において,理工学分野の基礎となる知識及び実践力を習得している人
3.正確な文章読解,論理的な記述,適切な表現などの基本的な言語運用能力を有する人
4.豊かな人間性,周囲との協調性,奉仕の精神を有し,柔軟な発想力をもって課題解決に向け主体的に行動できる人
特に,各学科では以下のような入学者を求めます。
【機械・システム工学科】
1.ものづくりに興味があり,機械工学・ロボティクス・原子力安全工学の基礎となる数学や理科が好きな人
2.機械工学・ロボティクス・原子力安全工学に関する専門的な知識を身につけたい人
3.機械工学・ロボティクス・原子力安全工学のエンジニアとして,ものづくりにより社会に貢献する意欲を有する人
4.ダイバーシティ(多様性)を尊重し,全ての人が活躍できる社会の構築に,エンジニアとして貢献する意欲を有する人
【電気電子情報工学科】
1.電気・電子・情報分野を伝承するとともに,新たな創造に挑戦したい人
2.電気,電子,コンピュータを学ぶための数学や物理が好きな人
3.論理的思考力を問題解決に活かしたい人
【建築・都市環境工学科】
1.建物のデザインや安全性,建築環境の改善や創造に興味を持つ人
2.社会基盤や都市のデザイン,安全性,都市環境の改善や創造に興味を持つ人
【物質・生命化学科】
1.物質や生命の不思議にワクワクする人
2.創造する化学にチャレンジしたい人
3.新素材,繊維,バイオに興味がある人
【応用物理学科】
1.物理や数学に基づいて,ものごとを基本に返って考える能力を有する人
2.先端科学技術分野への強い興味を持つ人
3.ものづくりや実験の基礎となる知識・技能を有している人
〇入学までに学習しておくことが期待される内容
工学部では,高等学校段階までの数学や理科に関する基礎学力が十分身に付いていることを前提に専門教育を行います。また,それら以外の教科に関する知識も,ものごとを多面的にとらえ,専門知識を「安全で安心な社会の創造」に結び付けるための基礎となります。これらのことから,高等学校段階では,数学や理科はもちろん,それ以外についても幅広く学習し,視野を広げておくことを期待します。
■入学者選抜の基本方針
多様な背景を持った学生の受入れを進めるため,一般選抜(前期日程,後期日程),学校推薦型選抜I, 総合型選抜Ⅱ,私費外国人留学生選抜,第3年次編入学試験を実施します。それぞれの選抜においては,求める学習成果を踏まえ,志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定します。
〇一般選抜
大学入学共通テスト並びに個別学力検査及び調査書を用いて評価・判定します。
<前期日程>
【機械・システム工学科,電気電子情報工学科,応用物理学科】
大学入学共通テストにより,基礎的学力を総合的に評価します。さらに,個別学力検査(数学,物理)により,数学と物理に関する標準的な知識と理解に基づいて論理的に思考を展開する能力を,その過程や結果を表現する能力とともに評価します。以上の結果と調査書の内容により,能力・意欲・適性等を総合的に評価・判定します。
【建築・都市環境工学科,物質・生命化学科】
大学入学共通テストにより,基礎的学力を総合的に評価します。さらに,個別学力検査(数学,物理又は化学)により,数学と物理又は化学に関する標準的な知識と理解に基づいて論理的に思考を展開する能力を,その過程や結果を表現する能力とともに評価します。以上の結果と調査書の内容により,能力・意欲・適性等を総合的に評価・判定します。
<後期日程>
【機械・システム工学科,電気電子情報工学科,建築・都市環境工学科,応用物理学科】
大学入学共通テストにより,基礎的学力を総合的に評価します。さらに,個別学力検査(数学)により,数学に関する標準的な知識と理解に基づいて論理的に思考を展開する能力を,その過程や結果を表現する能力とともに評価します。以上の結果と調査書の内容により,能力・意欲・適性等を総合的に評価・判定します。
【物質・生命化学科】
大学入学共通テストにより,基礎的学力を総合的に評価します。さらに,面接(口述試験を含む)により,目的意識・意欲,表現力等を評価します。以上の結果と調査書の内容により,能力・意欲・適性等を総合的に評価・判定します。
〇学校推薦型選抜Ⅰ
出身学校長の推薦に基づいて,大学入学共通テストを免除し,調査書等を活用して評価・判定します。
【電気電子情報工学科】
大学入学共通テストを免除し,推薦書,調査書,志願理由書,面接(口述試験を含む)の結果を総合して能力・意欲・適性等を評価・判定します。
【機械・システム工学科(高大接続型入試),建築・都市環境工学科(高大接続型入試)】
大学入学共通テストを免除し,推薦書,調査書,志願理由書,面接(口述試験を含む)及びプレゼンテーションの結果を総合して能力・意欲・適性等を評価・判定します。
【物質・生命化学科(高大接続型入試)】
大学入学共通テストを免除し,推薦書,調査書,志願理由書,面接(口述試験を含む)の結果を総合して能力・意欲・適性等を評価・判定します。
〇総合型選抜Ⅱ
大学入学共通テスト,書類審査,面接等を組み合わせて評価・判定します。
【全学科共通】
第1次選考では,書類審査により文章力や自己アピ-ル力等の評価を行うとともに,調査書等に基づいて基礎学力の評価を行います。最終選考では,大学入学共通テストにより基礎学力を総合的に評価し,さらに面接(口述試験を含む)により, 目的意識・意欲,表現力等の評価及び理数系科目の学力を評価します。以上を総合して,能力・適性や学習に対する意欲,目的意識等を評価・判定します。
〇私費外国人留学生選抜
真に修学を目的とした志願であることの確認も含め,能力・意欲・適性等を評価・判定します。
【全学科共通】
日本留学試験及びTOEFLの成績,並びに,面接,口述試験(簡単な筆記試験を行う場合もある)及び出願書類により,日本語能力と理数系科目の学力を中心とした能力,意欲,適性,目的意識等を総合的に評価・判定します。
〇第3年次編入学選抜
工学部3年次に編入学後の学修に必要な能力・意欲・適性等を評価・判定します。
<推薦選抜>
【全学科】
面接(口述試験を含む)及び出願書類により,編入学後の学修に必要な学力,学習意欲,適性,チャレンジ精神等を総合的に評価・判定します。
【建築・都市環境工学科(地域貢献枠)】
課題についてのプレゼンテーション,面接(口述試験を含む)及び出願書類により,編入学後の学修に必要な学力,学習意欲,適性,チャレンジ精神等を総合的に評価・判定します。
<一般選抜>
【機械・システム工学科,電気電子情報工学科,建築・都市環境工学科】
学力検査,面接(口述試験を含む)及び出願書類により,編入学後の学修に必要な学力,学習意欲,適性,チャレンジ精神等を総合的に評価・判定します。
【物質・生命化学科,応用物理学科】
面接(口述試験を含む)及び出願書類により,編入学後の学修に必要な学力,学習意欲,適性,チャレンジ精神等を総合的に評価・判定します。
入学者選抜方針に基づき、以下の入試区分ごとに示す方法で、学力の3要素等を多面的・総合的に評価し、入学者を選抜します。多面的・総合的な評価・判定を行うにあたり重視するものに〇を付しています。ただし,〇を付していないものでも,その評価結果が著しく低い場合には,判定に大きく影響します。(略)
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)に沿って受け入れた学生に対し,学位授与の方針(ディ
プロマ・ポリシー)に掲げた人材を養成するため,本学の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシ
ー)および以下に述べる工学部の方針に従って,教育課程を編成するとともに,教育を実施し,学修成果を厳
格に評価します。(特に関係が深いディプロマ・ポリシーの項目を[DP (a),(b)]のように表記します。)
(1) 教育課程の編成方針
① 教養教育を担う「共通教育科目」と専門教育を担う「専門教育科目」を開設します。教育課程全体を
通してディプロマ・ポリシーに掲げた能力等の達成が担保されるよう,各科目の目的や到達目標を設
定します。科目の配置(共通教育及び専門教育の配分,必修科目・選択科目の配当等)は,「共通教
育の教育課程編成の方針」および以下の方針のもと,順次的・体系的に行います。
② 「産業実践力」と「国際教養力」に関する科目群を,共通教育科目と専門教育科目を横断して配置し
ます。 [DP (c),(d), (e)]
③ 専門教育科目は「専門基礎科目」と「専門科目」により編成し,低学年時に専門にかかわる幅広い基
礎知識を身に付け,学年が進むにつれてより専門性の高い知識を身に付けられるよう配置します。
④ 専門基礎科目は,工学全般の基礎として必須である数学や物理等の科目,産業実践力に関する科目,
国際教養力に関する科目等で構成します。 [DP (a),(c)]
⑤ 専門科目は「学科専門科目」,「コース専門科目」,「卒業研究」により構成します。学科専門科目は,
各学科の基礎(すなわち,工学のオーソドックスな一つの分野の基礎)の学修を通して確かな専門基
盤知識・技能を修得させることを主な目的とします。コース専門科目は,複数のコースをもつ学科に
配置され,コースで必要な専門知識・技術および各分野の技術の展開力の基本を修得させることを目
的とします。 [DP (b),(c)]
⑥ 4年次に卒業研究を通年の必修科目として配置します。 [DP (b), (c), (d), (e)]
⑦ 初年次教育を充実させるための必修科目を,共通教育及び専門科目に配置し,大学での主体的な学び
に必要となる基礎的な素養等を修得させるとともに,将来のキャリアについて考える手がかりを与え,
学びの動機づけを強化します。 [DP (d),(e)]
⑧ 産業実践力の中でも特に技術経営等についてより深く体系的に学びたい学生のために,副専攻を設け
ます。 [DP (c), (e)]
⑨ 原子力,放射線,環境,エネルギー,技術者倫理を体系的に学ぶことができる副専攻を設けます。
[DP (b), (c)]
⑩ 知識・技能を総合して問題を解決する実践的能力を育成するため,創成教育の科目を設けます。
[DP (d),(e)]
⑪ 教育課程の水準は,高等学校等までの学修内容,学術の発展動向,学生や社会の意見・ニーズなどを
踏まえて設定します。
(2) 教育課程における教育・学修方法に関する方針
① 教育効果を高めるため,授業は,その内容や目的に応じ,講義,演習,実験・実習あるいはこれらの
併用により行います。
② 実験・実習,演習等では少人数教育を行います。
③ 主体的に学ぶ力を高めるため,実験・実習,演習ではアクティブ・ラーニングを前提とした授業を実
施するとともに,講義にも積極的にアクティブ・ラーニングを取り入れます。また,PBL 型の授業,
学科横断型の授業,学修支援システムを活用した授業,インターンシップ,海外への短期留学など,
多様な形態の授業を実施し,講義だけでは涵養することが難しい能力・技能等の育成を図ります。
④ 卒業研究では,専門知識を活用して課題を解決することを通し,総合的な実践力を育成します。卒業
研究の指導と評価にあたり,主指導教員を定めるとともに必要に応じ副指導教員を定めます。
⑤ 学修時間が確保されるよう,準備学修等の指示,組織的な履修指導,履修登録できる上限単位数の設
定,オフィス・アワーの設定,自習室の設置などを行います。
⑥ 全ての授業において,授業の目標,授業内容,授業方法,到達目標,評価の方法,教科書・参考書,
準備学修等の具体的な指示等が記載されたシラバスを作成し,学生に周知するとともに,シラバスに
従って授業を実施します。
⑦ 組織的な FD 活動により,教育方法の継続的な改善に取り組みます。
(3)学修成果の評価の方針
① 授業科目(卒業研究を含む)の成績評価は「福井大学における多面的かつ厳格な成績評価のガイドラ
イン」に沿って行います。科目ごとの詳細はシラバスに記載します。
② 卒業研究については,ディプロマ・ポリシー等の観点から,複数の教員により評価を行います。
③ ディプロマ・ポリシーに掲げた能力等の評価は,授業科目(卒業研究を含む)の成績評価を総合化し
て行います。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
工学部では,大学の目的等を踏まえ,安全で安心な社会の創造に寄与することを目的に,その創造のための基礎的な知識・教養,幅広い専門知識に裏打ちされた高度な専門能力,さらに歴史や文化,習慣の違いを超えて世界の人々と協働し,
倫理観を持ち主体的に行動できる総合的な能力を備えた高度専門技術者を養成します。
この人材養成目的を踏まえ,工学部では,以下の知識・能力等を修得するとともにそれらを課題の解決にお
いて活用・実践できる者に学位を授与します。
(a) 安全・安心社会を創造するための基礎としての数学や自然科学に関する知識・能力
(b) 各分野の専門技術者として国際社会の中で責任を果たすための専門知識・能力
(c) 産業実践力も含め,多様な学問分野にかかわる幅広い知識・能力
(d) 夢を形にする高度専門技術者に求められる創造力,自己学修力,問題解決能力,協調性,およびコミュニ
ケーション能力を併せた総合力
(e) 技術者として守るべき倫理や負うべき社会的責任に関する理解