学部・研究科等ごとの目的
研究科は、地方が求める即戦力型人材であるプロジェクト・マネジメントができる研究開発系人材及びソーシャル・アントレプレナー人材の育成に特化した教育・研究を展開することにより,高度な専門知識及び応用能力を持ち,創造性豊かな研究開発活動を進める高度専門職業人及び研究者を養成し,地域社会の将来を担う中核人材を育成するとともに,地方立脚型の企業や自治体等が抱えている課題の克服に必要な学際的研究を実施し,その成果を社会に還元することを目的とする。
博士後期課程地域イノベーション学専攻は,自立した研究者として研究開発成果を基にした新規事業の立案からその事業化までの企画・執行・調整に関する総合的なマネジメントを行う事業化プロジェクトのマネジメントができる研究開発系人材及び地域の企業や行政において新しい価値を創り出すソーシャル・アントレプレナー人材を養成することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
地域イノベーション学研究科は、地域のニーズを発見し、問題を解決するための新しい概念と方法を創造し、それらを国内のみならず海外にも展開できる地域イノベーション学に関わる高度な思考方法と実現方法を教育します。そして、「多面的な視野で研究・開発が推進できる能力とプロジェクト・マネジメントが実践できる高度な能力を兼ね備えた人材」および「地域にゼロから1を創造できる社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)人材」を養成します。
このような人を育てます
自立した研究者として国際レベルの研究開発や新事業の創出を責任者として遂行できる高度な研究能力とマネジメント能力を兼ね備えた人を育てます。
このような人を求めます
1. 大学院や実社会等における学習内容や経験を幅広く修得し、高度な専門知識と外国語力を身につけている人
2. プレゼンテーション能力等の実践的なコミュニケーション力を身につけている人
3. 地域の問題について自ら感じ(感じる力)、問題解決方法を考え(考える力)、社会を発展させる(生きる力)意欲の強い人
4. 国際的に通用する基礎的研究能力および外国語によるコミュニケーション力を修養する意欲の強い人
5. 多面的な視野に立った研究シーズの発掘とプロジェクト・マネジメントに興味があり、新事業を創出し、地域社会の発展と国際社会の協調に関心が強い人
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
<教育内容>
地域イノベーション学研究科は、ディプロマ・ポリシーに示す3つの能力を学生が身につけられるように、特色ある教育を行っています。各教育研究ユニットには、①基礎研究能力の養成を担当する専門教員(R&D 教員)と、②プロジェクト・マネジメント能力の養成を担当する専門教員(PM教員)という異なるタイプの教員を配置し、「高度な研究開発に関する能力」と「プロジェクト・マネジメントに関する能力」とを同時並行に養成し、自立した研究者として国際レベルの研究開発や新事業の創出を責任者として遂行できる高度な研究能力とマネジメント能力を兼ね備えた人を育成するためのカリキュラムが編成されています。また、総合的な力を養成する「特別研究」では、R&D 教員とPM 教員が協力して1人の学生を指導する「サンドイッチ方式による教育」および地域企業や自治体等と行う共同研究プロジェクト等を題材とした「On the Project Training(OPT)型教育」という実践的な教育手法を取り入れています。
<教育方法>
教育内容に示した特色ある教育を実施するため、本研究科では以下のような授業科目を開設して教育します。
(1)高度な研究開発に関する能力
地域社会で問題となっている課題を発見し、解決方法を提案することにより、地域にイノベーションが創発されます。イノベーションの種子となる課題の発見と解決には、最先端の専門分野の科学と技術を理解し、多方面からの分析と実証実験をし、異分野との連携を図る必要があります。そこで、自立した研究者に必要とされるレベルの高度な研究開発に関する能力を育成するための授業科目を開講しています。
(2)プロジェクト・マネジメントに関する能力
地域イノベーションを起こすには、その地域の特性と時代の要請を的確に把握し、問題解決ができる能力やコミュニケーション力を身につける必要があります。そこで、研究開発や新事業の創出を責任者として遂行できるレベルのプロジェクト・マネジメントに関する能力を育成するための授業科目を開講しています。
(3)グローバル化に対応した国際感覚
グローバル化が進む現代社会で、地域イノベーションを起こすには、世界の人々と情報交換しながら連携し、相互の違いを受容しながら、地域イノベーションを育成する必要があります。そこで、国際レベルの研究開発や新事業の創出に必要な国際感覚を育成するための授業科目を開講しています。
(4) 総合的な科目
(1)〜(3)の能力を身につけるには、地域社会の現場を体験し、種々の実験・考察をしながら、実際の事例を通して、複雑な思考をまとめ、総合的に地域イノベーションを発展させる必要があります。このような能力を育成するための授業科目を開講しています。
<成績評価>
高度な研究開発に関する能力を養成する講義科目では、小テストあるいはレポートとともに講義内容に関する議論への参加を通した論理的思考力と説明力の評価を組み合わせて総合的に評価します。プロジェクト・マネジメントに関する能力を養成する演習科目では、レポートおよびプレゼンテーションを課し、これらの成績をもとに実践的な力を総合的に評価します。グローバル化に対応した国際感覚を養成する科目では、国際会議での発表を通して英語によるコミュニケーション力および発信力を評価します。総合的な科目では、企業現場における長期の職業実践を通して、総合的な思考力、表現力および社会人としての態度を総合的に評価します。特別研究では、学位論文の計画発表や中間報告を通して研究の進捗状況を評価するとともに、論文審査および公開討論会を通して、研究開発力を総合的に評価します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
地域イノベーション学研究科では、地方立脚型の企業や自治体等が抱えている課題の克服に必要とされる学際研究を実施すると共に、産業界との連携を通した人材教育を行うことで「プロジェクト・マネジメントができる研究開発系人材」、地域の特性を理解しつつ、工学、バイオおよび人文・社会科学の専門知識を活用し、地域の特性を生かしながら、起業、第二創業あるいは画期的な新政策を通して「地域にゼロから1を創造できる社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)人材」を地域社会に輩出することを目指しています。なお「プロジェクト・マネジメントができる研究開発系人材」および「地域にゼロから1を創造できる社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)人材」とは、以下の3つの能力を備えた「高度な専門的職業人」です。
(1)高度な研究開発に関する能力
・専門分野における専門的な知識を修得している
・専門分野を活かして研究を実践できる能力を修得している
(2)プロジェクト・マネジメントに関する能力
・専門分野を中心とした幅広い知識を活用して、問題解決の方策を考案する能力を修得している
・問題解決の方策を管理・遂行する能力を修得している
(3)グローバル化に対応した国際感覚
・グローバル化社会で活躍できる基礎的語学力と国際性、社会の抱える様々な問題や異文化を理解することのできる国際感覚を修得している
「プロジェクト・マネジメントができる研究開発系人材」および「地域にゼロから1を創造できる社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)人材」は、最先端分野の技術に関する幅広い知識と社会に溢れている様々な情報から「社会ニーズを読み取る」ことで新事業についての構想を生み出すと共に、アイデアを事業化するための手段を起案し、実行していくマネジメント能力を持つ人材です。
後期課程では「課題を抽出し、自らが立案する具体策に従って深く考察し解決する自立した研究者としての能力」と「研究開発成果を基にした新事業プランの立案からその実現(事業化)までの、企画・執行・調査に関する総合的なマネジメントを行う事業化責任者に必要なプロジェクト・マネジメント能力」を持つ人材を養成することを目指し、修了者には企業などの「中核人材」となることを期待しています。本課程の修了者として想定している人材像は、「企業の基幹社員として研究開発成果を基に新事業を構築する」、「ベンチャー企業の幹部社員として研究開発成果を基に事業構築する」など、「研究開発成果を基にした事業化プロジェクトのマネジメントができる人材」です。