学部・研究科等の特色等
『これからの保健・医療・福祉の各分野をリードする、優れた指導者や研究者を養成する。』
急速に進む少子高齢化、保健医療や社会福祉制度の見直しなど、健康問題は大きな改革に直面しています。このような状況の中、大学院保健福祉学研究科は、保健・医療・福祉の分野で先進的な役割を担うため、平成9年、日本で初めての大学院保健福祉学研究科修士課程として設立されました。(現在は博士後期課程の設置により、博士前期課程と改称)。
4年制大学などを卒業し、看護師、保健師、助産師、管理栄養士、社会福祉士、介護福祉士などの資格を持った人のみならず、保健福祉の分野に興味を持っている他の広い分野からも人材を受け入れ、優れた研究者や指導者・管理者、実践者などを養成することを目的としています。
カリキュラムの特徴は、各専攻で専門知識を深めるだけでなく、それぞれの専門分野にまたがる学際領域の研究も行えることです。演習・セミナー形式での高度な教育・研究に加え、博士前期課程3専攻共通の講義や、他専攻の科目の履修によって、幅広い視野で問題解決能力を修得していきます。
◇看護学専攻◇
看護学専攻では、学際的で高い看護の専門知識と基礎的な研究能力を活かして、保健医療福祉分野における課題を解決し、国内外の看護における実践・教育・研究の場で社会のニーズに応え、貢献できる人材の育成を目指しています。
◇栄養学専攻◇
近年急速に問題となってきた肥満、糖尿病、脂質異常症をはじめとする生活習慣病の予防と治療を目指し、地域や職場における疫学調査や食生活との関連の解析、機能性食品の分析・開発を行います。
また、分子生物学的手法を導入した分子栄養学の方法論の確立、さらに情報解析技術を活用したデータ解析法と新しい理論構築を課題としています。
また新しい分野として、幼児、児童・生徒、高齢者の栄養指導や調理指導、あるいは一般消費者の食生活全般を対象にした食育において、デザインや色彩の手法を取り入れて効果を得るための調査・研究を行います。
本専攻では栄養情報学講座、食デザイン学講座、基礎栄養学講座、食品栄養学講座の4講座で、これらの課題を中心にしてそれぞれの専門分野における教育・研究を行います。
◇保健福祉学専攻◇
21世紀の超高齢社会では、人間のライフサイクルを通じて疾病、障害の有無に関わらず、身体的、精神的、社会的に健康で豊かな生活を維持し、生活の質を向上させるための社会システムの設計原理と方法論が求められます。
保健福祉学専攻では、健康を基軸とした真の生涯福祉のあり方について研究を推進していきます。
そのために、下記4つの領域を指向する講座をおき、それぞれの専門性の追求と相互連携によって教育・研究を行います。
• 保健福祉領域における、保健・福祉・医療の連携・統合の理論化と保健福祉支援政策の構築、及び障害特性を考慮した社会適応理論の追求
• 児童、障害者、高齢者のウェルビーイングを達成するための臨床技術、ケアマネジメントの開発・理論化と具体的な実践方法の追求
• 児童、高齢者、障害者など多様な人々の適応行動に関わる心理的・身体的特性の科学的な分析を基礎にした保健福祉実践につながる理論・方法論の追求
• 保育・幼児教育領域の理論と実践方法の追求