学部・研究科等ごとの目的
【教育目標】
海洋科学技術研究科においては,地球規模での海洋に関わる諸問題の解決と海洋自体の持つ可能性を追求し,博士前期課程では専門基礎教育に立脚した高度専門職業人を養成することを教育研究上の目的とする。
【海洋生命資源科学専攻】
海洋生物の生理・生態について,生命科学と資源生物学を基盤として解明し,食料や産業資源としての海洋生物の管理と保全,収獲システムや増養殖生産,環境修復や有益環境の創出等,海洋生物の持続的生産と利用のための適正な生産・管理システムに関する基礎・応用・学際的な教育研究を行う。
【食機能保全科学専攻】
人の健康増進及び恒常性の維持並びに食資源の有効利用・ロス削減に貢献するため,水産食品を中心に原料から消費に至るまで,食品の安全性・健全性の確保・向上,加工法,品質の維持及び流通に関する学理の教育研究を行うとともに,食品の機能性向上に関する学理及び先端技術の教育研究を行う。
【海洋資源環境学専攻】
海洋環境を保全しつつ,資源を持続的に利用するため,海洋の成り立ちと保全,海洋生物と環境との関わり,海洋・海底資源及びエネルギーの開発と利用に係わる諸課題について,理学的及び工学的な視点からその先端的な学理と応用技術に関する教育研究を行う。
【海洋管理政策学専攻】
海洋に関する総合的知識を持ち,長期的・多角的視野に立って海洋政策を立案する高度専門職業人の育成を行う。そのために,自然科学・社会科学・人文科学を融合した教育を行うとともに,ケースメソッド,フィールド実習等による実践的な教育研究を行う。
【海洋システム工学専攻】
海洋人工物と海洋環境の調和という観点に立ち,海洋観測・調査・作業機器や船舶・機械構造物等を,機械工学・システム工学・環境工学・安全工学を核とした開発・設計・構築又は新規製作技術開発など,総合工学的なアプローチにより高度に発展させるための教育研究を行う。
【海運ロジスティクス専攻】
国際海運の基幹である船舶の安全運航と輸送の効率化,海洋環境保全及び海洋開発技術の発展等,並びに商品の流れを生産から消費までの過程で捉えたロジスティクスの社会工学的視点,経営・経済的視点からの分析による計画設計,運用管理及び政策に関する教育研究を行う。
【食品流通安全管理専攻】
フードサプライチェーン全体において,HACCPの考え方に基づく食品安全マネジメントシステムを構築し,食品の安全管理に重点を置いた経営を実現するため,制御技術,コミュニケーション,組織運営などに関する技術開発,運用管理,対応策立案に関する教育研究を行う。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
大学院海洋科学技術研究科博士前期課程では、時代や社会に機動的に対応でき、地球規模での海洋に係わる諸課題の解決に創造的に立ち向かい、かつ、海洋とその関連産業分野における先端領域を切り拓く、意欲と能力を持つ学生を求めます。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
1.教育課程を編成するための⽅針
海洋科学技術研究科では、以下「2」に掲げる4つの資質・能⼒を⾝につけさせるために、専⾨的な講義科⽬、演習・実験・実習科⽬及び学位論⽂研究に係る科⽬などを体系的に編成します。
2.教育の内容及び教育の実施⽅法に関する⽅針
博⼠前期課程
(1)専⾨的学識
所属専攻分野における専⾨的な講義科⽬、主体的な学修に重点をおいた演習・実験・実習科⽬及び学位論⽂研究に係る科⽬により幅広い専⾨的学識を⾝につけます。また、学部と⼤学院とを有機的に結びつける博⼠前期課程科⽬の先⾏履修制度を導⼊しています。
(2)豊かな国際性と幅広い教養
英語授業による国際的な専⾨知識の習得と、英語による情報発信能⼒の向上を図ります。学際的知識を得るための研究科共通科⽬、専攻分野共通科⽬のほか、他専攻科⽬(他⼤学院科⽬を含む)の履修を推奨します。
(3)⾃ら考え判断し表現する能⼒
国内外の様々な知識や情報に基づいて、⾃らの新規性の⾼い研究を達成するために、修⼠論⽂の作成と発表会の実施を義務づけます。また、研究者倫理に係る教育は⼊学後の早期受講を義務づけています。
(4)現場で通⽤する実践⼒
ティーチング・アシスタント(TA)制度による学部学⽣の教育指導を通じて、即応性の⾼い対応能⼒を向上させます。
3.学修成果の評価⽅法に関する⽅針
全ての科⽬において、試験、レポート、プレゼンテーション等で学修成果と到達⽬標の達成度を厳格に評価します。学位の授与に関しては、公正で厳格な学位論⽂の審査及び最終試験による認定が義務づけられます。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
海洋科学技術研究科では、地域特有の問題のみならず、グローバル化する社会と気候変動等地球規模での諸課題を踏まえ、海洋に係わる諸課題の解決と⼈類・社会の発展に寄与する海洋の持つ可能性の究明を志向し、海洋分野における⾼度な専⾨知識と先端的技術を駆使して、異分野との協働による先端領域の開拓及び国際的に活躍できる豊かな教養と社会から科学技術への信頼を得られる倫理性を併せ持つ⼈材の養成を⽬指します。その⾝につけるべき資質・能⼒は以下のとおりです。
博⼠前期課程:
(1)専⾨的学識
各研究分野における、研究課題の社会的背景、学術的意義、応⽤的価値を把握し、研究を適切に推進できる能⼒
(2)豊かな国際性と幅広い教養
英語授業を通じた専⾨領域の英語による理解と説明能⼒、教育・学会・社会活動を通じた幅広いステークホルダーとの交流を通じた問題解決・研究能⼒
(3)⾃ら考え判断する能⼒
研究成果を論理的に説明する能⼒、学術研究における倫理性、そしてそれらに基づく研究成果の発表能⼒
(4)現場で通⽤する実践⼒
研究成果を社会において有効に活⽤する⽅策の考案能⼒と実践⼒
修了認定・学位授与⽅針
博⼠前期課程にあっては、所定の単位を修得し、各専攻で定める学位授与の要件を満たし、学位論⽂の審査及び最終試験において、⽬標とする能⼒を⾝につけたと認められた者に対して修了を認定し、修⼠(海洋科学または⼯学)の学位を授与します。
博⼠後期課程にあっては、所定の単位を修得し、各専攻で定める学位授与の要件を満たし、各研究分野における学術的意義、新規性、独創性及び応⽤的価値の観点から評価される学位論⽂並びに専⾨知識、論理的説明能⼒のほか、学術論⽂・研究発表に必要な英語⼒を最終試験において評価し、学位の授与に相当する能⼒を有していることが認められた者に対して修了を認定し、博⼠(海洋科学または⼯学)の学位を授与します。さらに、海外の⼤学との協定にもとづき、所⽤の基準を満
たした共同学位プログラム修了者については、協定締結⼤学からも学位が授与されます。