学部・研究科等ごとの目的
本学環では、医学系と農学系の教員が連携し、これまでの公衆衛生の専門知識に加え、食を通じた健康増進にも焦点をあてた教育を実施します。これにより、食生活と健康状態の関連を科学的に解明し、地域の食材を活用した機能性食品の予防医学への応用など、健康増進や健康寿命の延長といった社会的課題に対応できる公衆衛生人材を幅広い分野へ輩出し、with コロナ時代において、地域全体における健康増進・疾病予防、感染症対策に寄与することを目指します。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
養成する人材、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーを踏まえ、以下のとおりアドミッション・ポリシーを設定する。
① 公衆衛生の分野で専門職あるいは教育研究職につく意欲があり、地域における様々な健康問題を認識し、解決するために必要な理論と実践力を獲得する意志のある者。
② 臨床経験や実務経験のある医療、保健、福祉従事者で、疫学を中核としたさらなる高度な専門性を身につけたい者。
③ 疫学者、臨床疫学者等の研究者を志向する者。
④ 食品関係の分野に公衆衛生学の知識を応用したい者。
⑤ 地域の健康増進に係る諸課題の解決のため、公衆衛生学の知識を身につけたい者。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
本学環では、ディプロマ・ポリシーに掲げた教育目標を達成するため、以下のカリキュラム・ポリシーを設定する。
① 公衆衛生に関する一定レベルの知識・技能を修得させるため、国際的な公衆衛生大学院設置基準である5領域(疫学、保健医療管理学、生物統計学、社会科学・行動科学、環境・食品衛生学)において、体系的な教育課程を展開する。
② 地域の様々な課題を抽出し、エビデンスに基づいたより良い施策や方針を提示できる能力を涵養させるため、公衆衛生に関する理論を発展させた形で、講義・演習やグループ討論、現場実習による実践教育を行う。
③ 「医」と「農」の融合により、公衆衛生上の地域課題を解決するため、食を通じた健康増進に関する知識・技能を修得させるための教育を行う。実際の地域課題をテーマに、他研究科の学生や実際に現場で働いている専門家とのグループワークを実施し、グループワークでの討論や共同作業を通じて、他分野や多職種と協働して課題解決を行っていくことの意義や手法、コミュニケーション力・調整力の涵養を図る。
④ 実践研究科目(修士論文)では、疫学、保健医療管理学、生物統計学、社会科学・行動科学、環境・食品衛生学のいずれかの領域について、研究の計画、実施、発表と一連の流れを実践しながら、専門家としての知識を高めると同時に企画力、プレゼンテーション能力、職業的倫理を含めた総合力を涵養させる。
これらをもとに各授業科目で目的、到達目標、内容等を設定し、学修成果が一定のレベルに達した際に単位を付与します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
<教育理念と教育目的、養成する人材像>
医農融合による公衆衛生教育を通じ、公衆衛生の体系的な知識に加え、食を通じた健康増進に関する知識及び技能を有し、地域における様々な課題を認知して、科学的判断に基づいて解決策を講じる能力を備え、多様な関係者と協力して、持続可能な健康施策を実現することができる専門職業人(公衆衛生人材)を、幅広い分野に輩出することを目的とする。
<学習の到達目標>
本学環の理念・目的や養成する人材を踏まえ、学生が身に付けるべき資質・能力を明確にし、達成するために以下すべての要件を満たす学修成果を求める。
① 疫学、保健医療管理学、生物統計学、社会科学・行動科学、環境・食品衛生学の5領域の基本を理解し、グローバルスタンダードな公衆衛生知識及び食を通じた健康増進に関する知識を身につけている。
② 地域における様々な分野において、公衆衛生の専門家として指導的役割を果たすことができる。
③ 様々な研究成果や系統レビュー、メタアナリシスの研究成果について、その解釈及びエビデンスレベルを適切に理解し、エビデンスに基づき、専門的かつ指導的役割を果たすことができる知識を身につけている。
④ 感染症対策や心疾患予防など、公衆衛生上の様々な課題について、その問題点を把握して対策を組み立て、その対策の再評価と改善といった計画・実施・評価・改善の一連のプロセスを実践できる知識・技能を身につけている。
⑤ 他分野・多職種と協働するためのコミュニケーション力、調整力を身につけている。
<修了認定・学位授与>
本学環に2年以上在籍して、履修基準に基づき30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、修士論文を在学期間中に提出して、その審査及び最終試験に合格することにより、修士(公衆衛生学)の学位を授与する。