学部・研究科等ごとの目的
連合教職開発研究科には、将来スクールリーダーとなることが期待される学部新卒者など若い世代のための「授業研究・教職専門性開発コース」と、学校で中核となる現職教員のための「ミドルリーダー養成コース」「学校改革マネジメントコース」の3つのコースがあります。
地域の学校や附属学校を拠点とし、教師の協働実践力を培う方式を一層進めることにより教員養成にふさわしいモデルを提示し、併せて、学校を拠点とする教師教育に関して、福井県内外及び国内外の教育機関との協働連携ネットワークを構築することを目指しています。
【授業研究・教職専門性開発コース】授業づくり・児童生徒の成長発達支援について実践的力量と実践研究力を有する教員を養成
【ミドルリーダー養成コース】学校における授業改革・児童生徒の成長発達支援のための協働研究の中心的な担い手となるミドルリーダー教員を養成
【学校改革マネジメントコース】学校改革のための組織マネジメントの中心的な担い手となる管理職を養成
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
■概要・特色
アクティブ・ラーニング,チーム学校,そして学制再編。子どもたち自身が探究し,コミュニケーションし,協働する学習を支える21世紀の学校を実現するために,教師の協働の実践力とそれを支える組織マネジメントが不可欠になっています。連合教職開発研究科では学校改革への取り組みへの参画と実践研究を有機的に結ぶ新しいカリキュラムにより,改革を長期的に展望する力・マネジメント能力・協働実践支援力を培います。
■求める学生像
◇能力・資質等
【授業研究・教職専門性開発コース】
・学校での長期の実習を通して,実践的に学び専門性を培っていこうとする人
・授業づくり・幼児児童生徒の成長発達支援について実践に即して研究し,実践力を培おうとする人
【ミドルリーダー養成コース】
・学校での協働研究の運営・推進に取り組んでいる人
・授業づくり・授業改革・授業研究を積極的に進めている人
・幼児児童生徒の発達支援について実践と研究を進めている人
【学校改革マネジメントコース】
・将来,学校の組織マネジメントの中心的な担い手として取り組もうとする人
・学校での組織運営及びその支援に取り組んでいる人
・学校改革の組織過程に実践的な関心を持つ人
◇望ましい事前の取り組み
【授業研究・教職専門性開発コース】
・協働探究的な学習に自ら取り組みその経験を省察した記録を作成する。
・授業改革・学校改革に関わる提言や研究に関心を持ち学ぶ。
・ラウンドテーブル等教職大学院の公開実践交流の場に参加し,実践の展開に学ぶ。
【ミドル・リーダーコース】
・協働探究的な学習や授業改革への挑戦を重ね,そうした取り組みを記録化する。
・授業改革・学校改革に関わる提言や研究に関心を持ち学ぶ。
・ラウンドテーブル等教職大学院の公開実践交流の場に参加し,実践の展開に学ぶ。
【学校改革マネジメントコース】
・授業改革・学校改革への取り組みを継続的に展開し,そうした取り組みを記録化する。
・授業改革・学校改革に関わる提言や研究に関心を持ち学ぶ。
・ラウンドテーブル等教職大学院の公開実践交流の場に参加し,実践の展開に学ぶ。
■入学者選抜方法の基本方針
<一般選抜>
専門科目A「学校改革実践研究の基礎」では,教育改革・学校改革に関わる資料を検討し,小論文にまとめます。これにより,教育改革の展開について理解し判断する力を評価します。専門科目Bの「教育実践の分析」では,授業の記録を吟味,検討し小論文にまとめます。専門科目Bの「教科に関する問題(実技試験を含む場合がある)。」では,教科の専門性を問う問題等を課します。これらにより,学習の展開を分析し表現する力,教科のカリキュラムをデザインする力を評価します。専門科目A・Bの筆記試験のほかに,出願時に提出された成績証明書と教育実践報告書,及び入学後の実践と研究の進め方についての面接(口述試験を含む。)により実践に即して研究する力を評価し,本研究科の学生となるのにふさわしい意欲・資質・適性等を備えているかを総合的に評価します。なお,成績証明書は,実践に即して研究する基礎力を判定します。一方,筆記試験,面接(口述試験を含む。),教育実践報告書は,実践に即して研究する推進力を判定するため,成績証明書よりも重みづけした評価項目として扱います。
<推薦選抜>
出願時に提出する自身のこれまでの取り組みと今後の大学院での学習の抱負に関わる「教育実践報告書」と入学後の実践と研究の進め方についての面接(口述試験を含む。)を行い,本研究科の学生となるのにふさわしい意欲・資質・適性等を備えているかを総合的に評価します。
<外国人特別選抜>
独立行政法人国際協力機構等より推薦のあった者に,出願時に提出された「教育実践報告書」と入学後の実践と研究の進め方についての面接(口述試験を含む。)を行い,本研究科の学生となるのにふさわしい意欲・資質・適性等を備えているかを総合的に評価します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
本研究科では,学位授与の方針で示す 21 世紀の学校教育を支える教師の資質能力を培うために,以下
の方針に基づき教育課程を編成・実施する。
1. 教育課程の編成の方針
21 世紀の学校教育を支える教師の資質能力を培うために学校拠点の省察的実践の長期漸成サイ
クルとその交流共有をコアとし「理論と実践の融合」を実現する以下のような総合的長期的なプロ
ジェクト研究中心の有機的教育課程を編成する。
学び合うコミュニティに公教育改革の支援システムを融合させた「学校拠点方式」により実践と
その省察を深め,教育における「実践の中の知」の理論生成を推進する「学校における実習」と
「協働実践研究プロジェクト」・「カリキュラム開発基礎研究,実践研究」を中心に共通科目とコー
ス別選択科目を連動させる教育課程を編成する(コア・カリキュラム)。また,教職キャリア段階
(ラダー)の課題に応じながら教職専門性開発を生涯にわたって継続するための資質能力を育むた
めに,世代継承生成サイクルの視点にもとづく教職専門性の 4 つの資質能力を培う教育課程を編成
する。
① 学習と成長を支えるファシリテーター・コーディネーターとしての実践力
② 学習の協働組織とその改革のマネジメント力
③ 実践の質を不断に高め発展させていく省察・研究能力
④ 公教育としての学校を担う専門職としての理念と責任
2. 教育課程における教育・学習方法に関する方針
教育課程における「学校における実習」と「協働実践研究プロジェクト」・「カリキュラム
開発基礎研究,実践研究」は学校における実地での実践的体験学習とその記録化による省察学
習として組織する。そして,実践研究としての省察を共通科目における教職5領域,コース別
選択科目におけるそれぞれの学習重点内容に即して展開しながら,多様なステークホルダーと
の多重メンバーシップによって省察を協働化(協働省察)し,間主観性と公開性を十全に担保
した「実践の中の知」の理論生成に結びつける。
3. 学習成果の評価の方針
「実践の中の知」の理論生成の水準として,(1)学校等での学習拠点で推進した教育実践研
究プロジェクトについて,学習科学・学習研究に基づく発展段階評価スケール「長期的で組織
的なプロジェクト学習の展開とその省察・展望」により評価する。また,(2)教職キャリア
段階(ラダー)の課題に応じながら教職専門性開発を生涯にわたって継続するための資質能力
について,修了年度に作成する「長期実践研究報告」を省察的実践評価スケール「実践省察の
重層性・発展性」により評価する。(3)「長期実践研究報告」の評価にあたっては外部の実
践者・研究者,ステークホルダーの参加による外部評価を組織する。上記(1)(2)(3)
の評価を総合し,教職専門性開発を生涯にわたって継続するための資質能力の水準を判断す
る。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
1. 本研究科では,21 世紀の知識基盤社会に生きる子どもと教師の力を培い,協働による教師教育
改革を不断に実現する目的に沿い,教職専門性の総合的な資質能力を以下 4 つに定めている。
① 学習と成長を支えるファシリテーター・コーディネーターとしての実践力
② 学習の協働組織とその改革のマネジメント力
③ 実践の質を不断に高め発展させていく省察・研究能力
④ 公教育としての学校を担う専門職としての理念と責任
これら4つの総合的な資質能力形成のための学校拠点の省察的実践の長期漸成サイクルとその
交流共有をコアとする教育課程を通して実践力を培うとともに、その過程と成果を「長期実践
研究報告」を作成してラウンドテーブルにおいて公表し基準を満たす評価を受けることが,教
職修士(専門職)の学位授与の要件である。
2. 各コースでは、修了後の進路等社会のニーズを踏まえ、上記①~④の資質能力を具体的に以下
のように定める。
[授業研究・教職専門性開発コース]
① 子どもの学習と成長を支えるファシリテーション・コーディネーション・カリキュラムデザイ
ンの実践力
② 学び合う教師の協働組織のコーディネート力
③ 教育実践の質を不断に高め発展させていく省察・研究能力
④ 公教育としての学校を担う専門職としての理念と責任
[ミドルリーダー養成コース]
① 子どもと教師の学習と成長を支えるファシリテーション・コーディネーション・カリキュラム
デザインの実践力
② 学び合う教師の協働組織のコーディネート力とその改革のマネジメント力
③ 教育実践と組織学習の質を不断に高め発展させていく省察・研究能力
④ 公教育としての学校を担う専門職としての理念と責任
[学校改革マネジメントコース]
① 未来社会に求められる子どもの学習の質と教師の在り方への見通しを持って学校を不断に改革
するマネジメント力
② 学び続ける教師の学習コミュニティを培う専門職学習コミュニティコーディネート力
③ リスク社会における危機に柔軟に対応可能な学校組織を運営する危機管理能力
④ つねに学校を革新し続けるための専門職としての省察と実践研究の組織力
⑤ 公教育としての学校を担う専門職としての理念と責任