情報学専攻は、情報学の分野でリーダーとして活躍する研究者や、社会に役立つ情報技術を開発する高度な専門職業人を育成することを目的とし、情報学に関する基礎・応用・実用の様々なフェーズの教育研究を行う。
学部・研究科等ごとの目的
情報科学、情報工学、人文社会情報学等の基礎から応用に至る研究を行い、高度情報社会の達成に関わる重要課題の解決に貢献する高度な研究又は開発能力を備えた人材の育成を目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
【求める学生像】
高度情報社会の実現に向け、自然科学から人文社会科学を幅広く横断した学際領域である情報学に関して強い興味を持ち、情報学の分野でリーダーとして活躍する研究者や、社会に役立つ情報技術を開発する高度な専門職業人を目指す学生、あるいは在職のまま広い視野と深い専門知識を獲得しようという意欲を持つ社会人。
【入学者選抜の基本的な考え方】
1) 情報学の先端的研究を実施するに足る十分な基礎学力、および知識の有無だけでなく、研究に対する意欲や語学を含めたコミュニケーション能力に関する観点より選考を行う。
2) 各志望学生に対して、上記の観点から、学生が志望する指導分野の教員が書類審査、および、十分な面接(ただし、海外の学生に対しては電話及びインターネットによるインタビュー)を行ない、専攻に属する教員全体で情報学専攻に相応しい学生かどうかを総合的に評価して判断する。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
情報学は理学、工学、人文社会学等にわたる幅広い分野を包含しているため、本専攻では専門分野に対応して6つの教育研究指導分野(以下、「指導分野」という)を設定し、それを反映したカリキュラム編成により、学生自身がそれぞれに目指す専門性に応じて講義や研究指導を受けることができる。
本専攻のカリキュラムは、大きく分けて研究指導と授業科目から成り、研究指導では研究の実践を通して高度な研究・開発 能力を身につけ、授業科目では情報学の分野で活躍する研究者や高度な専門職業人に求められる知識、理解力、議論力、表現力を身につけることを教育課程の編成の方針としている。
研究指導においては、3名の教員で編成されるアドバイザグループの指導のもと専門性の高い研究の実践を通して自立した研究者に必要な能力を修得し、最終的には最先端の研究を立案・実施し、学位論文を作成する。定期的に設置されている中間発表においては、研究内容および進捗状況について発表を通して複数の教員から広範な助言を受け、研究者としての問題意識や客観的思考力を強化する。博士課程(5年一貫制)ではこれに加え、2年次修了に前期報告会に合格することで、博士論文に向けた研究を行うのに十分な学力及び研究能力を修得したことを確認することができる。また、研究成果の発表においては、国際会議での研究発表に積極的に取り組むことが推奨されている。
授業科目のカリキュラムは、共通専門基礎科目(以下「基礎科目」)、基礎科目の中で分野に共通な科目と、専攻専門科目(以下「専門科目」)から成り、学習成果の評価としての単位は、試験・レポート等により達成度を絶対評価により科目ごとの基準に合格することで与えられる。教員ひとりあたりの学生数が少ないことを活かし、個々の学生に合わせたテーラーメード教育を受けることができる。履修科目の選択にあたっては、アドバイザの指導のもと、目指す専門性や必要とされる知識・スキルに応じて授業科目を選択することができる。
・ 基礎科目を履修し、情報学の広い学問領域にわたり基礎知識を身につけ、情報学に共通する基盤的学問を修得して情報学を体系的に理解する。また、与えられた課題に対して学際的・俯瞰的に理解し、論理的に表現する能力を身につける。
・ 基礎科目の中で分野に共通な科目から適切な科目を履修し、英語での科学・技術コミュニケーション能力や科学ライティングなどの表現力、コミュニケーション能力を養成し、国際的に活躍する研究者および高度な専門職業人に必要とされる基本的なスキルを身につける。
・ 各指導分野で開講される専門科目を履修し、最先端までの専門知識と、また専門分野のより深い理解に基づく課題解決能力、応用能力、および豊かな学識を身につける。
教育課程における学習方法としては、博士課程(5年一貫制)の学生は、2年次までに必要な基礎科目と共通科目を履修し、3年次以降は主として専門科目を履修することを推奨している。博士課程(3年次編入学)の学生は主として専門科目を履修し、必要に応じてその他の科目を履修することを推奨している。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
本専攻では、情報学を体系的に学び、主に専攻が提供する科目構成から得られる能力を身につけた、自立した研究者としての能力を有する学生に学位を授与する。自立した研究者とは、自分の研究分野において先端的課題を自ら設定し、課題解決の手法の発案と実行を通して課題を解決する、研究に必要となる全ての過程を独立に遂行できるだけでなく、高度情報社会の達成に関わる重要課題の解決において、自身の研究スキル・知識を応用し、また必要とされるスキル・知識を見極め、獲得して、その分野に新たな先端的貢献を行う能力をもつことを指す。課程修了者は同時に、情報学を広く体系的に理解するとともに、自分の専門分野においては最先端の専門知識を身につけており、専門分野の研究について英語でコミュニケーションする能力といった国際社会で高度知的人材として活躍するための十分な理解力・議論力・表現力を修得している。