学部・研究科等ごとの目的
教育基本法の精神にのっとり,学術文化の中心として広く知識を授け,情報学の各分野にわたり,深く,かつ総合的に研究するとともに,完全なる人格の育成と文化の創造を期し,民主的,文化的な国家及び社会の形成を通じて,世界の平和と人類の福祉に寄与することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
(1) 入学者受入れの方針
情報学部は、情報学の各分野の研究者になりうる人材のみならず、情報学を駆使して、新しい価値の創出、課題の発見と解決、情報社会の基盤的仕組みの構想・設計等ができる人材、あるいは、企業や政府機関・国際機関等の組織を情報の観点からマネジメントできる人材、情報学に通じた科学諸分野の研究者になりうる人材を養成することを目標としています。そのため、このような人材育成の基盤となる次のような資質を持った多様な学生を、幅広く対象として入学者選抜を実施します。
ア 幅広い情報学の知識とスキルを身につけるために必要な、十分な基礎的学力を有していること。(学部共通)
イ 情報の観点から世界を理解し、情報技術を駆使して諸科学を革新しようとする意欲を有すること。(主に自然情報学科)
ウ 社会の抱える問題と未来の社会像について問題意識をもち、情報学を用いて問題を解決し価値を創造しようとする意欲を有すること。(主に人間・社会情報学科)
エ 社会と調和し、社会に価値をもたらす情報技術を創造しようとする意欲を有すること。(主にコンピュータ科学科)
自然情報学科、人間・社会情報学科、コンピュータ科学科への多様な資質と興味を持った学生を獲得するために学科ごとに選抜します。
(2) 選抜の基本方針
一般選抜
情報学部の一般選抜による募集人員は113名です。入学者選抜については、大学入学共通テスト及び本学が実施する個別学力検査等により、情報学部が文理融合を特色とする学部であることから、大学入学共通テストにおいては、幅広い知識と能力を担保するために、国語、地歴・公民、数学、理科、外国語から5教科または6教科について7科目または8科目を課しています。また、個別学力検査等では、全学科に共通して外国語を課すとともに、各学科においては人材養成をする上で基礎となる理解力や素養を判断できる科目を課しています。
自然情報学科
特定の分野のサイエンスに深い関心を抱き、情報学を用いてそれをさらに一歩進めたいと願う学生を求めており、このような、ある意味で「尖った」サイエンス志向の学生を受け入れるため、個別学力検査において理科4科目から1科目選択とします。入学後の自然情報学科のカリキュラムを通じて広く学ばせることにより、こうした学生の関心を他分野そして社会へとより広げていくことを目指しています。
人間・社会情報学科
社会とそれを構成する人間に関心をもつ学生を求めています。人間・社会情報学科は社会情報系と心理・認知科学系からなりたっています。情報科学技術を人文社会学や心理・認知科学に適用することから、情報学に理解のある文系学生と人文社会学に興味を持つ理系学生の双方を受け入れるため、個別学力検査において地理歴史と数学の選択としています。
コンピュータ科学科
情報技術の創造による社会貢献というテクノロジー志向の学生を求め、技術創造力の向上を目指す教育を行うために、理科全般への関心をもつ学生を対象とすることが有効であると考えています。したがって、個別学力検査において、物理を含む理科4科目のうち2科目を指定します。物理を必須とするのは、物理が高校理科の科目のうちでは、コンピュータ科学科の教育内容に最も親近性が高いこと等を考慮しています。
学校推薦型選抜(大学入学共通テストを課す)
情報学部に対する明確な志向と勉学の熱意を持ち、学習成績・人物ともに優れ、特に情報を活用して人類の課題に挑む意欲のある者を選抜します。
情報学部の学校推薦型選抜による募集人員は22名とし、選抜方法は、学科共通とします。選抜方法は、第1次選考と第2次選考により行い、第1次選考は、提出された志願理由書、学校長の推薦書及び調査書並びに大学入学共通テストの成績により第1次選考合格者(面接受験者)を決定します。大学入学共通テストの利用科目は、一般選抜と同じ科目とします。
第2次選考は、第1次選考合格者に対し、学科ごとに面接を実施し、合格者を決定します。なお、多面的・総合的な選抜を強化するために、上記の提出書類の他に任意で自己評価一覧の提出を認めることとし、自己評価一覧に記載する事項は、英語やその他の外国語の能力を示すスコア(TOEFL・IELTS・TOEIC・英検・ドイツ語検定等)、国際標準の入学資格や国際バカロレアのスコア、各種検定の認定書、各種コンテストにおける入賞を証明する書類、社会的活動での活動を証明する書類等であり、第2次選考の参考とします。
私費外国人留学生入試
情報学部に対する明確な志向と勉学の熱意を持ち、学習成績・人物ともに優れ、特に情報を活用して人類の課題に挑む意欲のある者を選抜します。
情報学部の私費外国人留学生入試による募集人員は若干名とし、選抜方法は、小論文と面接により行い、合格者を決定します。(出願要件は学科によって異なります。)
国費外国人留学生・外国政府派遣留学生入試等
情報学部に対する明確な志向と勉学の熱意を持ち、学習成績・人物ともに優れ、特に情報を活用して人類の課題に挑む意欲のある者を選抜します。
情報学部の国費外国人留学生入試による募集人員は若干名とし、選抜方法は、書類審査と面接により行い、合格者を決定します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
情報学部では、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」で掲げた資質を共通して涵養するために、想定される社会での活躍場面に応じた、より専門的な知識・技能・態度を獲得することを可能とする専門教育の課程を次の科目により編成します。
1)全学教育科目
「大学での学び」基礎論、基礎セミナー、言語文化科目、健康・スポーツ科学科目、データ科学科目、国際理解科目、現代教養科目、超学部セミナー、人文・社会系基礎科目、自然系基礎科目
2)専門基礎科目
「スタートアップ科目群」
「情報科学技術の基礎となる科目群」
「自然や社会をシステムとして理解する基礎となる科目群」
「論理的に課題を発見・解決するための基礎となる科目群」
3)学部共通の専門科目
「社会とのインタラクションのための科目群」
「情報倫理と法」、「アカデミック・イングリッシュ」、「マネジメント」等
4)学科ごとの専門科目
5)関連専門科目
6)卒業研究
情報学部では、共通的な資質と高度な専門性を兼ね備えた融合的人材を育成するため、全学教育科目、学部に共通の科目(専門基礎科目、および、学部共通の専門科目)、学科ごとの専門科目、関連専門科目、卒業研究で教育課程を編成します。一定の専門性を身につけた上で、さらに専門性を超えた知識・技能・態度を涵養するため、学部共通科目を、1~2年生だけでなく3~4年生に対しても配置します。
それぞれの科目区分の中に、講義、演習、実習などの多様な形態の授業を配置し、学年進行にそって、基礎力、応用力、課題解決能力が段階的に涵養されます。
「全学教育科目」「専門基礎科目」「専門科目」「関連専門科目」では、レポート、筆記試験、口頭発表など、各授業においてシラバスで定める方法により、単位認定を行います。 これら適切に配置された科目を修得し、「卒業論文」に取り組むことによって卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)で掲げた3つの資質・能力等を兼ね備えた人材を育成します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
(1) 育成する人材像(教育目標)
情報学部は、以下の基準にそった学力及び資質・能力等の卒業資格を満たした者に、卒業を認定し、学位を授けます。
情報学部の学位は、細分化した学問諸分野を統合していくハブの役割を果たすと期待される「情報学」の教育と研究を通して、次のような資質・能力等が培われたことを証します。
1)情報学の知見を駆使して、取り組むべき課題を発見し、それを解決できる
2)情報学の知見を駆使した、組織マネジメントや制度設計について理解している
3)情報社会の基盤となる仕組みやシステムの構想・設計について理解している
(2) 卒業、修了判定時に課している基準(必要要件)
情報学部においては、全学教育科目は、共通基礎科目、教養科目、分野別から各学科が定める履修要件により自然情報学科とコンピュータ科学科は41単位以上、人間・社会情報学科は40単位以上修得します。専門系科目は専門基礎科目、専門科目、関連専門科目、卒業研究からなります。専門基礎科目から30~34単位、専門科目から42単位以上、関連専門科目から2~10単位の自然情報学科とコンピュータ科学科は合計87単位以上、人間・社会情報学科は合計88単位以上を修得します。専門科目には、卒業研究6単位が含まれます。卒業要件は、原則として4年以上在学し、合計128単位以上を修得し、かつ卒業研究の審査に合格することです。