地球とその表層環境を理解し、豊かな社会を構築するための先端科学技術を総合的に理解する3つのコースで構成された「地球社会基盤学類」は工学系と理学系が融合してできた新しい学類で、地球をとりまく自然現象を多角的に解明すること、そして魅力ある環境・まちづくりを実現することを目指しています。そのため、「地球惑星科学コース」「土木防災コース」「環境都市コース」を設置し、総合的に教育します。
地球科学や地域まちづくりの課題を追求する研究者、その成果を人々の豊かな生活に応用できるエンジニア、さらにこれらの知識の普及に貢献できる教育者を育成します。
学部・研究科等の特色等
理学と工学の両面から柔軟に思考できる能力を身につけた研究者、技術者、教育者を養成するところに特色があり、地球惑星科学・環境科学や環境工学、土木工学、防災工学、都市工学に関する幅広い基礎知識と特化した専門知識に基づき、地域からグローバルまで、さまざまな局面において、社会をリードできる研究者・技術者・教育者を排出することを目指しています。
地球や惑星を構成する物質やその循環、地球環境の変遷や現代の環境汚染、生命の歴史、地球・惑星内部や表層のダイナミクスはすべて連動しています。本コースでは多分野にわたる地球惑星科学をミクロスケールの物理・化学の知識から地球スケールの理論を俯瞰する能力を身につけるため、国内有数の最先端分析機器を用いた室内実験で分析法を学び、野外実習により自然調査の基礎を習得します。素材開発から、地域および地球規模までの多様な問題を解決する研究者・技術者や理科教員の育成を目指しています。
地球の歴史を1年に置き換えると、人類の誕生は12月31日に相当します。地球はどうやって我々人類の舞台を用意したのでしょう?地球を卵に見立てると、我々のたつ地殻は卵の殻ほどの厚みしかありません。他の惑星だけでなく、地球の殻の下の世界をまだ誰も見た人はいないのです。地球は我々のまだ知らない知的フロンティアに満ちています。地球を探る冒険をここからはじめましょう。
自然環境と調和しつつ災害にも強い強靭な国造り、この重大な課題に社会基盤(インフラ)の設計や施工、維持管理、環境保全といった多様な立場で参画し、牽引していくリーダー人材を育成します。モノづくりを目的とする工学という分野のなかで、私たちが関わるのは、大量安価の製品(プロダクト)の製造ではありません。そこにしかないオーダーメードの橋や道路、トンネル、港湾などの大型社会基盤施設の建設というプロジェクトです。最先端技術を駆使する“技術者集団”の創意と工夫により生み出される社会基盤は、次世代へと引き継がれて土木遺産(レガシー)となります。本コースを修了すること、それはすなわち国内外の大規模プロジェクトで活躍できるエンジニアの誕生であり、新たなレガシーの始まりを意味します。
“ありきたりのProductsではない。それはProjectsであってやがてLegacyになる。”
『都市とはなんだろう。ただ人が集まって生活しているだけの場所だろうか。いろいろな社会基盤施設があり住民やそこを訪れる人々はその恩恵にあずかる。また、交通という手段を用いてその内外を自由に移動する。その便利さは誰が計画し、実現してきたのだろう。人が暮らせば、利害衝突や環境負荷という問題を生じる。でも、私たちはそれを強く意識せずに暮らしてきた。いったい誰が問題を解決し、日々の暮らしを支えてくれているのだろう。』
本コースでは、「環境との共生」と「歴史の一ページとしての現在」という視点から、都市の創造と発展を多面的、学際的に学びます。快適な環境下での生活の安全性と利便性をエンジニアリングの視点で科学し、利用者、弱者の目線に立ってそれを提供する“人にも環境にも優しいエンジニア”を育てます。「ローマは一日にしてならず。では、私の故郷は何日にしてなったの?これからこの町はどうなっていくの?」その答えはこのコースにあります。
研究室からフィールドへ:これは「土木防災」、「環境都市」両コース共通の特徴です。