学部・研究科等の特色等
技術革新が急速に進む現代社会では、さまざまな工学の知識や技を組み合わせて、未来社会を切り拓いていく能力が求められています。「フロンティア工学類」では、これらの能力を身につけるために、コース制を採用せず、新たに「プログラム」を設置します。学生は、工学分野の基礎(電子情報機械、人間機械、マテリアル)に対応するコアプログラムを学んだのち、発展的な3つの基本フロンティアプログラム(知能機械、ヒューマンメカトロニクス、マテリアルデザイン)を修得するほか、これらの境界・統合領域にあたる2つの副フロンティアプログラム(先端横断、先進物理計測)を組み合わせて修得し、従来の工学の枠を超えた未踏領域(=フロンティア)を開拓する素養を身につけます。以下に基本フロンティアプログラム及び副フロンティアプログラムの特色を示します。
知能機械プログラム
機械⼯学から電⼦情報分野にわたる知識・スキルを駆使し、ロボットなど⾃律化が望まれる機械の⾼度知能化に取り組む能⼒を持つ⼈材の育成を目指します。ロボティクスに関する知識と技術を⾝につけるために、ロボット⼯学、航空宇宙⼯学、画像処理、数値シミュレーションなどの科⽬群を配置。また、機械設計演習、機械⼯作実習、応⽤プログラミングなどの応⽤系の科⽬群も配置しています。
ヒューマンメカトロニクスプログラム
安⼼・安全・快適・便利な⽣活を⽀える様々な⼈間⽀援技術とその社会実装プロセスを学び、⼈間に密着した機械⼯学分野に活⽤する応⽤⼒を持つ⼈材の育成を目指します。そのために、制御⼯学、振動⼯学などの計測制御科⽬群、⼈体科学、⼈間⼯学などの医⽤⽣体⼯学に関する科⽬群、ならびに、それらの社会実装に関する科⽬群を配置しています。
マテリアルデザインプログラム
新素材やナノテクノロジー分野において、物質(マテリアル)の持つ様々な性質やそれらの⼯業的応⽤等について学び、マテリアルの性質を極限まで引き出すための技術を⾝につけた⼈材の育成を目指します。マテリアルが有する機能とそのモノづくり(=プロセス)を学ぶために、マテリアルの性質とプロセスに関する科⽬である、プラスチック成形加⼯、⾼分⼦材料物性、反応⼯学、微粒⼦⼯学、デジタル化学⼯学などの科⽬を配置しています。
先進物理計測プログラム
超スマート社会を実現するためのセンシング技術およびナノオーダーの分解能を持つ先端計測技術について学び、⽣体計測や材料計測などの最先端の知識を⾝につけた⼈材の育成を目指します。計測技術やナノテクノロジーに関連する⽣体計測、環境計測、スペクトロスコピー(分光分析)、マイクロスコピー(顕微鏡分析)などの科⽬を配置しています。
先端横断プログラム
機械⼯学、化学⼯学、電⼦情報⼯学の各分野の基礎となるコアプログラム科⽬を配置し、⾃⾝のキャリアの基盤となるコアプログラムに加えて、複数の分野についての専⾨基礎知識をあわせて習得します。幅広い⼯学分野にわたる専⾨知識を駆使して、ナノの世界から宇宙空間までを対象とした様々な未踏領域を切り拓くエンジニアや研究者の育成を目指します。