学科・専攻等
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科博士後期課程は、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するとの理念に基づいて、ディプロマ・ポリシーに示す能力・資質等を修得させるために、以下のとおりの教育課程編成の考え方、学修内容及び学修方法、学修成果の到達目標、学修成果の評価方法により教育課程を実施します。
1.教育課程編成の考え方
(1)各自の研究テーマにおいて、適切な課題設定ができるよう、ソーシャル・データサイエンス分野における研究方法を修得させる必修科目「SDS 研究方法論Ⅰ 責任ある科学技術イノベーション」を通じて、「ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いて適切な課題設定ができる力」を身につけさせます。
(2)各自の研究テーマにおいて、適切な課題解決ができるよう、ソーシャル・データサイエンス分野での研究開発マネジメントを修得させる必修科目「SDS 研究方法論Ⅱ 研究開発マネジメント論」を通じて、「ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いて適切な課題解決ができる力」を身につけさせます。
(3)各自の研究テーマにおいて、最先端の知識を自ら創出できるよう、対話を通じソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を深め合う必修科目「SDS アドバンスト・リサーチ・ワークショップⅠ・Ⅱ」と、ソーシャル・データサイエンスの専門家による「SDS 研究指導」を通じて、「ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を自ら創出することができる力」を身につけさせます。
(4)ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いた社会実装を行うことができるよう、現実社会におけるビジネス・イノベーションや社会課題解決を行う研究プロジェクトに参加する必修科目「SDS 共同プロジェクト演習Ⅰ・Ⅱ」を通じて、「ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いてビジネス・イノベーションや社会課題解決を実現することができる力」を身につけさせます。なお、プロジェクトの遂行過程では、ソーシャル・データサイエンスの専門家による研究指導を通じて、適切な助言を提供します。
(5)博士後期課程を通じて行われる「SDS 研究指導」では、指導教員の個別又はごく少人数による指導により、社会に対する深い理解とデータサイエンスの高度なスキルを併用しながら従来にない方法で組み合わせることで、ソーシャル・データサイエンスを体得し、その成果として博士論文を執筆します。併せて、社会科学とデータサイエンスが融合したソーシャル・データサイエンス分野における適切な研究指導を推進するため、すべての学生に、主指導教員とは専門領域の異なる副指導教員を指定し、研究指導の補助を担当させます。
以上の方針に基づいて編成したカリキュラムについて、ファカルティ・デベロップメント(FD)等を実施することで、常に教育の質の改善に努めます。
2.学修内容及び学修方法
本研究科博士後期課程では、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するとの理念に基づいて、教育課程を通じて、以下の点を重視します。第一に、社会科学とデータサイエンスが融合したソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を修得させます。第二に、ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を、自ら創出する方法を修得させます。第三に、ソーシャル・データサイエンスの最先端の研究成果を社会実装できるよう、現実社会におけるビジネス・イノベーションや社会課題解決を行う研究プロジェクトへの参加機会を提供します。第四に、社会科学とデータサイエンスが融合したソーシャル・データサイエンスの博士論文を完成させるため、専門領域の異なる複数の教員による研究指導を行います。
学生が自らの将来計画に基づいて適切な科目履修を行うことができるように、履修モデル並びにすべての科目の授業科目の概要、到達目標、授業内容及び評価方法等を明記したシラバスを示します。また、Web システム等を利用して、授業の事前及び事後の学修の指示や参考文献を示すなどして、学生の学修を支援します。なお、研究活動上の不正行為を防止するため、全学生を対象として、研究倫理教育を実施します。
3.学修成果の評価方法
学修成果の評価について、各科目の学修成果は、科目の特性等に応じた方法で評価することとし、具体的な評価の方法はシラバスにおいて科目ごとに明示します。
また、本研究科博士後期課程における学修成果の集大成となる博士論文については、評価のプロセスや基準等を別途明示します。
教育課程の特色(履修モデル、カリキュラムマップ等)
授業科目
授業の方法・内容
年間の授業計画
シラバス等
学生が修得すべき知識及び能力に関する情報
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科は、豊かな教養と市民的公共性を備えた、構想力ある専門人、理性ある革新者、指導力ある政治経済人を育成するとの理念に基づいて、社会科学とデータサイエンスが融合するソーシャル・データサイエンスの学問分野において、自らが創出した最先端の知識を活用し、ビジネス・イノベーションや社会課題解決を実現できるソーシャル・データサイエンスの研究開発人材の養成を目指します。
本研究科博士後期課程の修了生には、社会科学とデータサイエンスの融合によって生じたソーシャル・データサイエンスの研究フロンティアを開拓し、ソーシャル・データサイエンスの最先端の研究成果を社会実装できることが求められます。
よって本研究科では、以下 1.に掲げる能力及び資質等を修得していることを、2.に示す水準で修得していることを確認し、卒業の認定を行い、博士(ソーシャル・データサイエンス)の学位を授与します。
1.修得する能力・資質等
(1)ソーシャル・データサイエンスの研究フロンティアを開拓する研究遂行力
①ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いて適切な課題設定ができる力
②ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いて適切な課題解決ができる力
③ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を自ら創出することができる力
(2)ソーシャル・データサイエンスの最先端の研究成果を社会実装できる実行力
①ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いてビジネス・イノベーションや社会課題解決を実現することができる力
2.求められる能力・資質等の水準
(1)「ソーシャル・データサイエンスの研究フロンティアを開拓する研究遂行力」については、個々の専門分野に関連の深い研究分野におけるピアレビューを通じて独力で研究を遂行する能力を認められるとともに、社会科学とデータサイエンスを融合させたソーシャル・データサイエンスの研究を遂行し最先端の知識を自ら創出する能力を本研究科内外の幅広い専門性を持つ研究者から認められる水準であることを求めます。
(2)「ソーシャル・データサイエンスの最先端の知識を用いてビジネス・イノベーションや社会課題解決を実現することができる力」については、個々の専門分野に関連の深い民間企業・公的セクターとの共同プロジェクトを通じて、最先端の知識を用いたビジネス・イノベーションや社会課題解決を実現する能力を民間企業・公的セクターの実務家から認められる水準であることを求めます。
学修の成果に係る評価の基準
卒業・修了認定の基準
転学部・編入学等の可否、費用負担
| 可否 | 費用負担 | |
|---|---|---|
| 転学部 | 不可 | |
| 編入学 | 不可 |
(2025年9月10日現在)
転学部・編入学情報補足
専攻分野
| 専攻分野 |
|---|
| 法学・法律学 政治・政策学 経済学 経営学 数学・情報科学・統計学 情報工学・コンピューター |
| その他の専攻分野 |
|---|
| ソーシャル・データサイエンス |
専攻分野に関する説明
【ソーシャル・データサイエンス について】
近年の社会・自然環境の大幅な変化により、企業経営における情報化の急速な進展や国際競争の激化、富の集中や地域間の不平等、金融システムの深化や不安定化、高齢化と社会保障費の増大、温暖化や異常気象といった気候変動、国家間の分断や紛争、未知のウィルスによるパンデミックなど様々な課題が新たに発生しており、これらの課題の状況は刻一刻と変化を続けています。
本学は、急速かつ複雑に変化する現代社会の課題を解決するためには、本学が伝統的に強みを持つ「社会科学」のみの教育研究でも、国内外で急速に教育プログラムの設置が進められている「データサイエンス」のみの教育研究でも、いずれも不十分であると認識しています。社会科学の知見のみでは、ビジネス上・政策上の課題解決や意思決定を、不十分な材料により行わざるを得ません。そして、データサイエンスの知見のみでは、解決可能な社会課題の範囲が、既存のデータで扱いうる課題に限定されてしまいます。
よって本学は、社会科学の理論を用いてビジネス上・政策上の様々な課題を抽出し、データサイエンスの技術を用いてそれらの課題を解決するために必要なデータを収集・分析するとともに、改めて社会科学の理論を用いて現実社会における取組や意思決定のための示唆を得る、という、社会科学とデータサイエンスを融合させた教育研究が必要であると考えました。それこそが、本学が新学部・研究科において行う「ソーシャル・データサイエンス」の教育研究です。