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造形芸術研究科(修士課程)

 
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学部・研究科等の特色等

学部・研究科等の特色等

 沖縄県立芸術大学大学院造形芸術研究科は、造形芸術の各分野における高度な専門的能力を養成することを目的としています。芸術文化に対する深い理解と感性をもち、創造力豊かで、将来の社会における造形芸術分野の幅広い実践活動を担う作家や研究者、芸術教育の専門的指導者となり得る人材の育成を行います。

 大学院でさらに深く研究を進めるうえで大切なのは教員とのコミュニケーション・ディスカッションです。というのも芸術の世界の研究は時間をかけ深く掘り下げることが必要で、一朝一夕に成果が上がることは稀です。逆に言えばコツコツと研究を進め、成功・失敗の経験を積み上げる中から、将来への道筋が徐々にですが確実に見えてくることでしょう。このような研究の中で経験豊富な教員と積極的にコミュニケーション・ディスカッションを行うことには、将来の学生自身の核となる部分を育てる大切な要素が含まれているのです。本学造形芸術研究科では、教員の個人研究室に所属するのではなく、専修の全教員が指導に関わることで研究を進める形をとっていますので、全教員の様々な思考・理論・表現・技法に触れることは将来への大きな財産となるでしょう。また、少人数教育ならではのいき届いた教育環境で研究を進めることができます。
 各専修が開講する「課題演習」の授業では、自身の研究テーマとの関連性を基に他分野の造形研究を行います。研究は専門分野ばかりでなく他分野から学び影響を受け、専門分野へ活かせることも少なくありません。それに伴う他分野教員との交流も重要な学びの場となります。専門の狭い領域だけでなく、視野を広げ横断的な研究が可能なことも本学造形芸術研究科の特徴といえるでしょう。
 現代の芸術の世界で実技系の院生にとっては作品による表現だけでなく、文章でも自身の作品について語ることが今後ますます求められています。そのような状況に合わせ必修の授業「論文演習」では、論文やレポート作成について教員の丁寧な指導の下、文章表現が苦手な院生へもスキルアップが図られています。これは、大学院後期博士課程を志す院生にとっても心強いサポートとなっています。

本研究科は、工芸・デザインの2専修からなる生活造形専攻、絵画・彫刻の2専修からなる環境造形専攻、比較芸術学専攻の3専攻からなっています。

○生活造形専攻
1.工芸専修
 染研究室では、古典紅型を調査研究し、筒引き、型染の表現における形態を学びます。顔料彩色と藍染の表現の違いを学ぶことで適正材料の知識を得ます。それを基に自己の防染法の表現方法を広げ現代に即応した創作活動、理論的な研究制作を目標とします。
 織研究室では、沖縄の染織技法、その他綴れ等の技法を活用した制作、琉球藍などの天然染料や素材の調査研究を行います。また、沖縄を含め日本・アジアの染織に関する調査・研究を行い、伝統的な技術の伝承や、創作性への展開も取り組みます。
 陶磁器研究室では、器物作品制作と造形作品制作に分かれ、それぞれの専門的実技と理論を習得します。教育内容としては、一年次には素地土の調査と釉薬原料の研究など成形技術と比較焼成(黒陶・野焼)を含む実習を主眼とし、二年次は、より高度な焼成技術と加飾技法を課題として研究制作を行います。
 漆工研究室では、学部での教育課程を土台とし、各自の研究テーマを中心に高度で実践的な研究を行うと共に、琉球漆芸を含む日本漆芸全体の伝統技法の研究も深く継続していきます。時代や社会をより意識し独創的な表現を探求しながら、現代社会に貢献できる人材の育成を目標とします。

2.デザイン専修
 デザイン専修は、視覚伝達デザイン研究室と生活環境デザイン研究室からなっています。視覚伝達デザイン研究室は、グラフィックデザイン、映像デザイン及び空間演出における視覚的な表現などを研究領域とし、制作を通してビジュアルコミュニケーションデザインの在り方を追求します。
 生活環境デザイン研究室は、公共空間のスペースデザイン、居住空間、家具等のデザインや、地域性を勘案した製品デザイン等の造形を研究領域とし、論理的なデザインプロセスの構築手法から、実践的でより高度な造形表現を追求します。

○環境造形専攻
1.絵画専修
 絵画専修は、油画研究室と日本画研究室の二つの研究領域からなっています。学部での教育課程の学習成果を踏まえ自己の創出する研究テーマに基づき、より高度で実践的な研究を行い、将来にわたって美術作家など専門家として自ら主体的に課題テーマを探究し、独創的な美術表現や創作活動、美的価値を創出しうる研究能力の育成を目指します。
 油画研究室においては油画、版表現、平面表現、さらに映像表現、インスタレーション、アートパフォーマンスを研究領域としています。
 日本画研究室においては、伝統的な材料技法に基づく、古典から現代を通した高度な修練を現代における自己の表現として確立を目指します。

2.彫刻専修
 彫刻専修では、学部の教育課程において培った教養と彫刻分野の専門的素養の上に立ち、それぞれの領域における学生の研究テーマに基づき、より高度で実践的な研究を行います。その上で、将来にわたって作家などの専門家として自ら主体的に課題を創出し、独創的な表現方法の探求を継続していくための研究能力の育成を目指す。また、今日の多様な表現領域の中で特殊な材料・造形技法の分野についても高度な内容の充実を図り、それらを積極的的に応用していく能力を養います。

○比較芸術学専攻
1.比較芸術学専修
 比較芸術学専修は、美学・芸術学研究室、美術史研究室、民族芸術文化学研究室の三つの研究室で構成されています。日本、琉球、東洋及び西洋の芸術学・美術史の比較研究を基盤として、古典から現代にわたる歴史的な視点にたち、合わせて国際的にも地域社会に対しても広い視野をもって美術を理論的に把握し、現代の芸術にも建設的な批評精神を養うことを目的としています。
 また、沖縄の地域文化の特性と伝統は、日本のみならずアジア各地域の文化と比較しても極めて豊かな内容をもっています。その固有の風土によって培われた芸術文化を民族文化学、アジア工芸史、比較文化学、琉球文学及び日本文学の立場から研究することを目的としています。

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