学部・研究科等ごとの目的
経済・マネジメント学群は、多様な価値観により社会を俯瞰的に捉え、経済学、経営学などの基礎知識を有することで社会経済における諸課題を分析し理解し、或いは統合して活用することで社会システムを設計しマネジメント出来る知恵を持ち、高度なマネジメント能力を実践出来る人材を養成することを目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
高知工科大学は「大学のあるべき姿を常に追求し、世界一流の大学を目指す」ことを目標として掲げています。この目標に賛同し、来るべき社会に活躍できる人材になるという強い意志と情熱を持ち、勉学意欲のある人を求めます。
高知工科大学には、システム工学群、理工学群、情報学群、データ&イノベーション学群、経済・マネジメント学群の5学群があります。各学群の教育の理念・目標を理解するとともに、それぞれの分野への高い関心と志望動機・目的意識を持ち、本学で学ぶための基礎学力を有していると認められる人の入学を希望しています。
高知工科大学(学士課程全体)のアドミッション・ポリシーのもとに、経済・マネジメント学群では、社会や組織の課題とその解決に関心があり、次のような資質を持つ人を求めます
①物事に主体的に取り組む積極性を持つ
②知的な能力を伸ばすことへの向上心がある
③経済学やマネジメント学を中心とした社会科学全般を学ぶために必要な基礎学力を身に付けている
④課題が提示されたとき、自身の知識と経験をもとに論理的に解決策を考えられる
⑤自分の考えを他者に対して明確に伝えられる
⑥学業あるいはスポーツにおける特定の分野に秀でた能力を持つ
上記の資質を持つ人を評価し選抜するために、本学群では以下の入学試験を実施します。「一般選抜」では、大学入学共通テストと個別学力試験により、特に③を評価します。「学校推薦(一般区分)」では、提出書類により②と③を、面接試験により①と②と⑤を、面接試験中の思考力を問う質問により③と④と⑤を、特に評価します。「総合型選抜」では、提出書類により②と③と⑥を、面接試験により①と②と⑤を、学群適性検査または実技試験により⑥を、特に評価します。
さらに、多様な背景や経験を持つ人を求め「社会人特別選抜入試」を実施します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
大学全体の共通科目に加え、経済学、マネジメント学を中心に据えつつ、社会における諸課題を解決するための社会生態分野や経済学の理解に必要な数理分野および工学の基礎を学際的に学ぶことができる専門科目を提供します。
〇カリキュラムの構成
(1)専門基礎科目
経済学、マネジメント学に関する概論系の科目と数学、セミナーによって構成される科目群を配置しています。
(2)専門発展科目
専門領域の理解に必要となる基礎的理論と実践を学ぶ科目群を配置しています。
(3)専攻領域科目
講義で専門知識を深めるとともに、セミナーやプロジェクト研究によって実践力を養います。
〇特色
・2年次前期までにすべての系・専攻に共通する基礎力を身に付けたうえで、2年次後期より「経済学」「マネジメント学」のいずれかの学位取得を目指して各専門分野を学んでいきます。
・セミナー形式による少人数教育を実施しています。
・実践的な課題設定による討論形式の授業を取り入れています。
・国際社会で通用する力を身に付けるため、英語による専門科目を提供しています。
〇専攻
2年次後期に、経済学の学位取得を目指す「経済系」とマネジメント学の学位取得を目指す「マネジメント系」の2つの系から1つを選択します。3年次には次の7つの専攻よりいずれか1つを選択し、各研究室に所属してプロジェクト研究に取り組みます。
・「経済系」の知識に立脚した「人間行動」、「経済政策」、「数理経済マネジメント」
・「マネジメント系」の知識に立脚した「企業・起業マネジメント」「スポーツマネジメント」
・「経済系」「マネジメント系」それぞれの知識に立脚した「国際経済マネジメント」「地域・行政システム」
また、専攻と関連する領域を副専攻として選択することも可能です。各専攻にはそれぞれ履修モデルと修了要件を設定します。
【経済系】
▼人間行動専攻
・心理学・生理学・神経科学の融合系科目により、人間の心の特性およびその神経基盤について学びます。
・実験経済学など実験系の科目を重視します。
▼経済政策専攻
・産業組織論やファイナンス論などの経済系の学術分野を学び、市場メカニズムに対する理解を深めます。
・政治経済学や高知経済分析などの政策系の学術分野を学び、望ましい政策を見つけるとともにその実現可能性の問題を考えます。
▼数理経済マネジメント専攻
・金融論、計量経済学、プログラミング、データ分析の手法等を学びます。
・社会における様々な現象を、数理モデルを通じて理解する方法を学びます。
【マネジメント系】
▼企業・起業マネジメント専攻
・マネジメント学の中核をなす経営戦略や組織論、財務会計、マーケティング等を学びます。
・企業の分析、価値評価の方法を体系的に習得するとともに、起業に必要な知識およびスキルを身に付け実践的なマネジメント能力を養います。
▼スポーツマネジメント専攻
・スポーツ経営学、スポーツ社会学、スポーツマーケティング等、スポーツマネジメントの専門知識を学びます。
・実際のスポーツ分野に携わる人物と触れ合い、スポーツ組織の経営に関する理解を深めることで、スポーツビジネスの分野で求められるマネジメントスキルを身に付けます。
【経済系】【マネジメント系】共通
▼国際経済マネジメント専攻
・海外での研修、インターンシップ、留学などを通じて経済とマネジメントに資する国際経験を積むことを推奨します。
・英語で提供されている経済学とマネジメント学の専門科目の履修やグループ演習等により、専門的知識とスキルおよびグローバルコミュニケーション能力を養います。
▼地域・行政システム専攻
・地域経営に求められる経営戦略論、マーケティング論、産業振興論や制度設計等の知見を体系的に学びます。
・地域・行政経営を俯瞰的に捉えてシステム創造およびマネジメントするための専門性を活かした地域活性化に取り組みます
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
教育の基本理念として「来るべき社会に活躍できる人材の育成」を掲げ、広い教養を備え深い専門知識と優れた人間性を持つ想像力豊かな人材を養成します。その実現のために、以下のような能力を身に付け、学則に定める卒業要件を満たした者に対して学位を授与します。
1 自発性・創造性
自ら問題を発見・提起し、目標を定め、そこに到達する技法を見出し解決することができる自発性と創造性
2 システム的視点
分野を超えた知識や視野を持ち、物事をトータルなシステムとして捉え最適化することができる能力
3 国際的思考とコミュニケーション能力
グローバル化が進む社会の中で、自らの考えを発信するために必要とされる国際的な視野とコミュニケーション能力
4 専門能力
社会の潜在的要求を察知し、それを実現するための方策を見出すことができるなど、社会で十分に活躍できる高度な専門能力や技能と視野
経済・マネジメント学群の設定した科目の学修を通じて、経済学分野、経営学分野および関連分野の知識とそれらを活用する知恵を兼ね備え、企業や行政、その他様々な組織のマネジメントにおいて活躍できる人材や自ら起業する気概と能力を有する人材を養成することを目的とし、以下のとおり修得する知識や能力に応じて、学士(経済学)または学士(マネジメント学)の学位を授与します。
〇学士(経済学)
社会経済の諸課題を認識し、経済政策や地域政策など経済学が担う社会経済のシステム設計を行う人材に求められる、次の知識および能力を身に付けた者に対し、学士(経済学)の学位を授与します。
1 経済学分野、経営学分野および関連分野の基礎的な専門知識
2 経済学の理論を理解し、実践的に応用できる能力
〇学士(マネジメント学)
企業経営、起業経営、行政経営などの各分野において、市場の分析から経営企画・構築・運営が総合的にでき、マネジメントのプロフェッショナルに求められる、次の知識および能力を身に付けた者に対し、学士(マネジメント学)の学位を授与します。
1 経済学分野、経営学分野および関連分野の基礎的な専門知識
2 経営に必要な能力を持ち、実践的な経営企画ができる能力