地方都市である新潟県の地域性を考慮し、具体的には以下の人材を育成します。
・グローバルな社会で活躍するため、読み、書き、聞き、話すことができる日本語と英語のコミュニケーション・スキルを有し、わが国の文化を世界へ発信することができる人材
・豊かな人間性に裏打ちされた専門知識と技能を身につけ、専門学問領域を体系的に理解し、地域社会に貢献できる行動力のある人材
・多様化・複雑化した現代社会の変化に対応でき、総合的に調整できる能力を持つ人材
・グローバル化による国際社会の変容を政治、経済、文化、地球・地域環境の観点から総合的に考察でき、情報の収集や交渉、調整する行動力と課題について深く物事を考え抜く力をもって、地域づくりに貢献できる人材
学部・研究科等ごとの目的
知識や情報の量が飛躍的に増え、急速に変化する現代社会では、社会の変化に主体的に対応できる幅広い視野と総合的な判断力、豊かな創造性を兼ね備えた人材が求められています。このような社会的要請に応えるため知識・技能・態度等を総合的に活かし、知的な行動力でグローバルそしてローカルなコミュニティに貢献できる人材を育成することを目的とします。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
(1)教育内容・特色
国際地域学部では、外国語の高い運用能力の習得と、国際関係と地域の文化・社会の複合的な学修をとおして、「国際と地域」の諸課題に対応できる人材を育成します。
(2)国際地域学部が求める学生像
英語の高いスキルを習得する意欲と、そのための十分な基礎的能力を持ち、さらに以下のいずれか一つまたは複数を志向する人を求めます。
・現代世界が直面する諸課題について主体的に学ぶこと。
・異なる文化や言語について比較、探求すること。
・ロシア・中国・韓国のいずれかの言語を習得し文化や社会を理解すること。
上記に加えて、以下のことを志向する人も求めています。
・中学校・高等学校教諭一種免許状(英語)の取得をめざすこと。
・海外留学、国際交流、地域のボランティア活動などに積極的に参加すること。
(3)大学入学までに身につけておくことが望ましい知識・能力・態度
高等学校における学力の三要素、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」に関して、以下の点を次項に掲げる方法で確認・評価します。
・基礎的な知識・技能
英語の4技能「聞く・話す・読む・書く」をバランスよく習得していること。入学時にCEFR(ヨーロッパ共通参照枠)B1レベル(「自立した言語使用者」のレベル、英検2級程度)以上の英語運用能力を有していること。
・思考力・判断力・表現力
現代社会の課題や多様な文化に対する関心と洞察力を有し、自分の考えを論理的にまとめて、わかりやすく表現できること。
・主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
国際社会の平和と発展、多文化共生社会の実現、などのために貢献する意欲を有し、それに向かって幅広い知識を身につけたり活動に参加したりするなど、自ら進んで積極的に学んでいること。
(4)選抜の基本方針
【学校推薦型選抜】
小論文、面接及び調査書等の内容を総合的に用いて、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」を評価します。小論文では特に「問題理解力」「文章構成力」「論理的思考力」等を評価します。
【特別選抜】(海外帰国生特別選抜)
書類審査、面接及び筆記試験の内容を総合的に用いて、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」を評価します。試験は日本語と英語で行い、それぞれの言語における「理解力」「論理的思考力」「文章構成力」「表現力」等を評価します。
【特別選抜】(外国人留学生特別選抜)
書類審査、面接及び筆記試験の内容を総合的に用いて、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」を評価します。試験は日本語と英語で行い、それぞれの言語における「理解力」「論理的思考力」「文章構成力」「表現力」等を評価します。
【一般選抜A日程】
大学入学共通テストにおいては3教科3科目を課し、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を評価します。個別学力検査では英語を課し、主に「思考力・判断力・表現力」に関わる「読解力」「表現力」を評価します。また、調査書により主に「主体性・協働性」を評価します。
【一般選抜B日程】
大学入学共通テストにおいては5教科5科目を課し、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を評価します。個別学力検査では英語を課し、主に「思考力・判断力・表現力」に関わる「読解力」「表現力」を評価します。また、調査書により主に「主体性・協働性」を評価します。
【一般選抜C日程】
大学入学共通テストにおいては英語(リスニングを含む)および国語を課し、本学部で学ぶための基礎となる「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を評価します。個別学力検査では小論文を課し、主に「思考力・判断力・表現力」に関わる「問題理解力」「文章構成力」「論理的思考力」等を評価します。また、調査書により主に「主体性・協働性」を評価します。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
国際地域学部のカリキュラムは、国際性の涵養、地域性の重視、人間性の涵養という新潟県立大学の理念に基づいて設定された基盤科目と、学部・学科の目的に基づいて設定された展開科目及び卒業研究からなっています。
1. 高い語学活用能力を育む外国語科目・海外研修科目
高い語学活用能力を育むため、基盤科目の外国語科目群に、グローバルな環境で英語が使える学生の育成を目標とする英語教育プログラム「ACE(Academic Communicative English)、ロシア語・中国語・韓国語を導入し教養的に学ぶ「露中韓(共通)」、海外英語研修や海外実地研修を含む「海外研修」の科目群を配置します。また、展開科目の露中韓コース科目にロシア語・中国語・韓国語を集中的に学ぶための外国語科目と研修科目を配置します。
2.グローバルな視野と豊かな教養を身に付ける基盤科目
基盤科目には、「外国語」と「海外研修」科目群のほかに、情報リテラシーや体育などからなる「基本技能」、現代人に必要な豊かな教養を身につける「現代教養」の科目群からなっています。「現代教養」は「新潟学」「歴史と文化」「人間社会と科学」「社会と経済の仕組み」の科目群からなり、グローバルな視野を持って新潟の課題を考え、人間や社会・科学について理解を深め、主体的に行動できる資質・能力を培います。
3.学問的基盤と学際的視野を持ち国際貢献・地域貢献ができる人材を育む展開科目
展開科目は学部共通の科目とコース科目からなっています。学部共通の科目は、国際地域学部の共通のベースをつくると同時に、各コースへの橋渡しとなる科目で、「導入科目」「特殊講義」「フィールドワーク」「情報発展」の科目群があります。
1年終了時に2年次から所属するコースを一つ選択します。2年次以降は学部共通に学んだ基礎の上に、以下のそれぞれのコースの教育目標に沿って専門的科目を学修します。
○国際関係コース:政治・経済の視点から現代社会が直面する諸課題を検討し、国際社会の平和と発展のために貢献できる人材を育成します。
○比較文化コース:異なる文化や言語の比較・探求を通して、地域の国際化や国際交流に貢献できる人材を育成します。
○露中韓コース:ロシア、中国、韓国のいずれかの言語を習得し、文化や社会を理解することによって、国際交流の中核となる人材を育成します。
4年次に、本学科での学修・研究成果のまとめとして卒業研究を行います。さらに、「国際」と「地域」に関わる専門的学修を基礎に、中等教育の教員として十分な知識・技能と高い語学能力をもつ教員を育てるため、中学校・高等学校教諭一種免許状(英語)を取得できる科目を設置します。
国際地域学部のディプロマ・ポリシーで設定した身につけるべき4つの「知・力」を獲得できるように、下記の方針によってカリキュラムを設定します。
<知識・理解>
(1)基盤科目に文化、社会、または自然に関する幅広い分野の科目を配置する。
(2)新潟学に新潟県の特徴に関する幅広い分野の科目を配置する。
(3)①展開科目に国際地域学を学修するための基礎となる学部共通の科目を配置する。
②展開科目にコースごとの教育目標に沿って学修する専門的科目をコース科目として配置する。
<基本的技能・態度>
(1)基盤科目に、文学や芸術、体育、社会貢献活動、異文化交流などについて体験・学習できる科目を配置する。
(2)①基盤科目と展開科目にグループや集団で課題解決に取り組む科目を配置する。
②基盤科目と展開科目に学外で社会の一員として行動する海外研修やフィールドワークなどの実習科目を配置する。
(3)基盤科目に情報収集や分析の基礎となる科目を選択できるように配置し、展開科目に国際地域学に関連する学術的・実践的課題の解決に必要な知識や情報を収集・整理・分析するための演習や実習を含む科目を配置する。
<コミュニケーション能力>
(1)基盤科目に情報の収集・整理・分析・発信に必要な基本的技能を習得できる科目を選択できるように配置し、展開科目に学修の成果をスライドや資料、レポート、論文などにまとめて発表する科目を配置する。
(2)基盤科目と展開科目に、スライドや資料、レポート、論文などの内容をディスカッションし、学修の成果や理解を互いにブラッシュアップする科目を配置する。
(3)基盤科目と展開科目に外国語科目を配置し、展開科目に英語で国際地域学について専門的に学ぶ科目を配置する。
<総合的活用力>
国際地域学に関連する知識や理解、基本的技能・態度、コミュニケーション能力を総合的に活用して研究を行い、発表・討論する科目として、卒業研究を配置する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
国際地域学科は、グローバル化の進行が国際社会のみならず地域社会にも影響を与える中、国際的に活躍でき、地域のグローバル化に対応して地域づくりを担う人材を育成することを目指します。そのために本学科では、従来別個のものとして行われてきた「国際研究」と「地域研究」を融合した「国際地域学」を探求し、グローバルな視野をもってローカルな課題に取り組む学生を育てます。
所定の単位を修得し、以下に示す4つの「知・力」を身につけた者に、学士(国際地域学)を授与します。
<知識・理解>
(1)文化、社会、自然などに関して各自が選択した分野の知識を獲得し、理解する。
(2)新潟県の特徴に関して各自が選択した分野の知識を獲得し、理解する。
(3)①国際地域学を学ぶための基礎となる知識を獲得し、理解する。
②国際地域学の研究に必要な専門知識を獲得し、理解する。
<基本的技能・態度>
(1)文学や芸術、体育、社会貢献活動、異文化交流などの体験・学習を通して、自らの社会生活を豊かにするための素養・態度を養う。
(2)グループの一員として主体的・協調的に課題に取り組む態度を身につける。
(3)国際地域学に関連する学問的・実践的課題の解決に必要な知識や情報を収集・整理・分析する能力を身につける。
<コミュニケーション能力>
(1)国際地域学に関連する知識や情報の収集・整理・分析の過程や結果をまとめてスライドや資料、レポート、論文などにまとめ、論理的に解りやすく表現する能力を身につける。
(2)国際地域学に関連してまとめられたスライドや資料、レポート、論文などの内容について意見を交換し、互いに内容の理解を深め、改善に役立つ意見を交換する能力や態度を養う。
(3)外国語での会話や、資料の読解、文章表現を行う基礎的・発展的な能力を身につける。
<総合的活用力>
国際地域学に関連する知識や理解、基本的技能、コミュニケーション能力を総合的に活用して研究が行える。