ここから検索条件フォームです
検索フォームを表示する

美術学部

 
ここから学部・研究科等のメニューです ここから大学のメニューです
お気に入りリスト一覧へ
ここから学部・研究科等の情報です

教育研究上の目的と3つの方針

学部・研究科等ごとの目的

【教育研究上の目的】
新しい芸術表現を模索し発信する人材、新しいデザイン技術を習得して地域の活性化に寄与する人材、地域の「良さ」や「美しさ」を再発見する眼を持つ人材、多様な価値を交換・共有できる人材、地域の芸術創造を実践する計画を立案できる人材の育成を目的とする。

【各専攻の目的】
(1) アーツ&ルーツ専攻
 この専攻の目的は、絵画および彫刻形式の制作を主として対象とし、21世紀初頭において現代美術の作家に共有されている先端的な問題意識の作品表現にある。なかでも中心的に扱うのは、過去の歴史文化・遺産や、地域固有の資源といった文化的ルーツを掘り起こし、それらを現代の文脈において再構築した造形表現である。その目的を実現するために、この専攻では日本画や彫刻の基礎実技に加えて、秋田や東北の歴史文化の古層を深く掘り下げて研究するルーツ探索の学びを通して、現代社会の本質や体系を見抜く眼を養う。そのことは、例えば現代において曖昧になっている人工物と自然物の境界を見抜くことにも繋がる。そして、その境界を独自の視点で再構築し、物の本質を露にするような作品を制作することにも繋がっていく。東北や秋田の歴史文化の学びを通じて、複雑に絡み合った現代の物事を解きほぐし、若い世代が持っている現代の視点で再構築していく作品の制作を行う。

(2) ビジュアルアーツ専攻
 この専攻の目的は、西洋近代に登場した「純粋美術」という芸術理念にとらわれず、造形・映像等の様々な領域を対象とし、その表現課題を「表現者個人の内面」から「社会」へ、そして「物質」から「関係性」へと移行させながら拡張を続ける現代美術の新しい表現手法と思想を探求することである。具体的には、次の三つの考え方を教育の根底に置く。第一は、近代美術において形成された「表現者個人の内面」の表出という価値にとらわれることなく、「社会」に対しても通じる表現となるよう「世俗的」「大衆的」に共有される情趣にも価値を認めることである。第二は、現代美術における課題が単一の表現メディアの範囲内では捉えきれない「表現の根拠」に立脚していることから、製作プロセスにおける多様な表現メディアの横断と技法修得の必要性を重視することである。第三は、多様化・多元化する現代文化の中で、個人としての自我が希薄化され、存在が相対化される人間自体に焦点を当て、他者との「関係性」の側面からその存在根拠を改めて探ることである。

(3) ものづくりデザイン専攻
 この専攻の目的は、これからの時代が求める、「使用感の充足」という新しい価値を持った「ものづくり」である。対象とするのは、インテリア製品、家具、テーブルウェアから、装身具、置物に至るまでの、生活空間の中の様々な「もの」である。この「使用感の充足」とは、「もの」に本来備わるべき要素、すなわち人との親和性、使う時の安心感や機能性、そして「もの」それ自体としての審美性などから生じる価値である。これらは経済的合理性を優先する近代デザイン思想の下で、徐々に切り捨てられてきたものであるが、近年再び見直されてきている価値でもある。この専攻は、こうした価値を求める人間の根源的感性を基盤に据え、豊かな生活へと誘う「もの」の制作を行う。

(4) コミュニケーションデザイン専攻
 この専攻の目的は、現代社会における企業・公共・地域等の間で相互に成立しているコミュニケーションに内在する今日的な課題に取り組むための思考と表現メディアを、グラフィックデザインの立場から研究し教育することにある。具体的には、企業・公共・地域等のコミュニケーションにおける課題を、視覚情報の表現として捉え直すことによって、企業、公共、地域等の活動に一層の合理性や効率性を与える。そうした捉え直しを、視覚情報化の技術習得に止まることなく、課題発見・企画・調査・計画・提案・制作・フィードバックなど幅広い観点から行いながら、より適切かつ効果的な伝達(コミュニケーション)表現を創造するとともに、情報を伝達するメディアそのものをデザインする。このほか、インターネットの浸透が増大させる個人間のコミュニケーションとそれらの総体がもたらす社会的変動から派生する新しい課題も視覚情報の表現対象として扱う。個人から発信される様々な情報のパラダイムを編集デザインの手法で組み替えることによって、現代社会における新しい「個人」像の形成に寄与する。具体的にはインターネットや紙媒体を主なメディアとし、社会のなかで複製され共有される視覚情報の表現を通して追及する。

(5) 景観デザイン専攻
 この専攻の目的は、地方風土、地域文化に裏打ちされた人間の営為を総じて「景観」として捉え、これを持続させる活力あるまちづくり、社会基盤づくりを通して、次世代につながる新たな社会資産をデザインの視点から創出することである。具体的には、農村・都市を問わず、歴史文化の風情豊かな美しい街並みや、地域性豊かな農漁村風景などを保全し再構築するプロセスが課題となる。その際、その街並みや風景の構成要素全体を通底する自然観・生活観を基に、個々の要素をデザインすることが重要である。

続きを読む… 折り畳む

入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

(受入れの基本方針)
秋田公立美術大学は、次のような目的意識を持った学生を受け入れます。
(1)芸術の未知の領域に強い関心を持つ人
(2)自ら問題を発見し、積極的に学ぶ意欲のある人
(3)芸術分野で自立する意欲のある人
(4)芸術を通して、地域社会の発展に貢献する意欲のある人

(入学前に修得しておくことを期待する内容)
(1)形態や空間などを観察し把握する力や描写力、構成力
(2)文章などを読み解く読解力や思考力
(3)自身の考えを整理し、的確に伝えることのできる表現力
(4)国内外で活躍するために必要な教養や異文化への理解
(5)数理科学や自然科学に対する基礎知識や論理的思考力
(6)他者と積極的に関わることのできるコミュニケーション能力

(多様な選抜で求める人材像)
(1)一般選抜(前期日程)
十分な基礎学力を持ち、物事を観察し捉えた特徴を正確に表現する能力と与えられたテーマの内容を理解した上で、自ら考え、独創的な発想力を自身の得意とする媒体を通じて表現できる能力を備えた人を求めます。
(2)一般選抜(中期日程)
十分な基礎学力を持ち、物事を観察し捉えた特徴を正確に表現する能力と自身の発想力を的確に表現できる能力を備えた人を求めます。
(3)推薦選抜Ⅰ
高等学校等において学業・課外活動に優れた成績を修め、コミュニケーション能力と美術分野で優れた能力を有し、未知の芸術領域や新しい表現技法を探求する意欲のある人を求めます。
(4)推薦選抜Ⅱ
十分な基礎学力を持ち、高等学校等において学業・課外活動に優れた成績を修め、論理的思考力やコミュニケーション能力を有し、芸術分野に興味・関心があり芸術を用いた活動を通して地域や社会に貢献する意欲のある人を求めます。

続きを読む… 折り畳む

教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)

秋田公立美術大学は、ディプロマ・ポリシーを踏まえ、次の四つの方針によりカリキュラムを編成します。

(1)本学の教育課程は、「教養科目」、「専門科目」、「キャリア教育科目」、「教職課程科目」および「博物館学芸員課程科目」で構成する。教養科目では、グローバルな視野や多元的な視点で物事を捉える力を養い、専門科目では、美術に関連する基礎的な理論と技術を横断的に学び、表現の広がりや新たな発想へと繋げる事を目標とする。
(2)1・2年次は、導入科目で基礎技術を修得し、「現代芸術論」で分野を横断的に学ぶと同時に、「現代芸術演習」で多くの素材や技法を体験する。さらに、教養科目の歴史と文化や、美術理論・美術史科目を学ぶ事で、グローバル人材の育成に必要な文化の多様性や価値を学ぶ。
(3)2年次後期からは各専攻に所属し、専攻の演習を通してフィールドワークやグループワークを行い、地域の伝統や文化を理解し、アート・デザイン等の専門知識を培いながら、まちづくりや作品制作に活かす。さらに各専攻の実践的・発展的な知識と技法を体系的に学び、4年次後期は学習成果の集大成として卒業研究を行う。
(4)卒業後の社会人・職業人に求められる教養やスキルを養うため、「キャリア教育科目」をおき、各学生のキャリア形成へと繋げる。また、教員および博物館学芸員の育成のため「教職課程科目」および「博物館学芸員課程科目」をおく。

学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

 秋田公立美術大学は社会の大きな変動に呼応し、古い概念にとらわれることなく新しい芸術領域の創造に挑戦する大学です。本学の使命は、自然と伝統文化に恵まれた秋田の文化的資源を活用し、芸術のもつ可能性、公共性を探求することを複合的に学びながら、自らの芸術的感性と創造性をいかし、秋田から全国、世界へと、社会に貢献する人材を送り出すことです。このような本学の理念に基づき、以下の4つの能力を身に着け、かつ所定の単位を修得した学生に対して、学士(美術)の学位を認定します。

(1)従来の芸術を理解し、それを新しい芸術として再創造できる能力
(2) 文化の多様性を受け容れ、芸術において異文化と共存できる能力
(3) グローバルな視野に立ち、国際的な舞台に挑戦できる能力
(4) 芸術の新しい知見によって、地域社会の発展に貢献できる能力