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社会文化科学研究科(博士前期課程)

 
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教育研究上の目的と3つの方針

学部・研究科等ごとの目的

 社会文化科学研究科は、共生という視点に立ち、学問の総合化・学際化を模索しながら、学問の創造と新たな価値の体系化を追究しています。人文・社会科学分野の大学院に対しては、学術研究の更なる深化・発展および個別の研究領域における後継者(研究者)の輩出(知の継承)に加えて、現代社会が直面している諸問題に対応できる教育と研究(学際的研究や文理融合研究)の推進が求められています。

 各国の社会や組織が持っている社会的、文化的、宗教的な多様性を的確に理解し、国際紛争から地域紛争にいたる異文化間の衝突が引き起こす物理的、文化的、心理的被害を最小化し、そこに生じる摩擦や衝突を新たな秩序や文化の形成につなげる能力を持った優れた人材を育成する必要が生まれています。そして近年では、複雑に絡み合う社会や組織を多面的に考察するために、柔軟でしかも分野融合型の教育・研究組織を構築することも求められています。社会・経済が急速にグローバル化し、情報技術(IT)が伸展し、産業・企業経営が高度化する中で、こうした動きに対応することができる組織人や専門職業人の育成が求められているからです。地域からは、企業等の組織で活躍する職業人や公務員のスキルアップそして社会人に対する生涯教育のための場を提供して欲しいという強い要請(知の還元)が出されています。社会文化科学研究科は、これら課題に応えるために各種の教育・研究システムを整えてきました。

 本研究科では、学部における基礎的専門教育とその後の博士課程における教育にそれぞれ独自の機能と役割を持たせつつ、これらが相互に有機的に連携するよう教育・研究システムを整備しています。学部から博士前期課程へと進学する過程では、専門的研究の深化と学際的な広がりを追求しています。博士後期課程では、さらに学際的かつ総合的な観点から学生の教育・研究指導を行います。伝統的な人文・社会科学の学問領域(文学、法学、経済学、経営学)における個別研究にも十分に対応できる教育・研究システムを整備しています。

入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

社会文化科学研究科博士前期課程は、以下に掲げた力を身に付けた人材を求めます。

求める人材像
岡山大学のアドミッション・ポリシーのもと、社会文化科学研究科では、文学・法学・経済学の各分野において高度な知識・能力と技術・判断力を身につけた高度実践人や高度な専門的分析能力を持つ研究者を目指す入学者を求めています。入学者の多様性を重視し、日本人、外国人留学生、職業人・社会人など様々な方を求めます。

社会文化科学研究科博士前期課程では、文学・法学・経済学の各分野における課題の解決に進んで挑む実践力、課題を見いだす探究力、他者との関わりの中で差異を理解し差異から学ぶコミュニケーション力、身近な事象への関心を持ち自ら学ぶ教養力に加えて、人文・社会科学の各分野における基礎的で体系的な専門力を、大学院博士前期課程入学前に大学において培ってきた人材を、学内外から広く求めます。「研究深化コース」は、専門分野に係る高度な知識・能力と技術・判断力の修得を目指す学生や、博士後期課程へ進学し、博士の学位取得を目標とする者を受け入れます。「高度人材育コース」は、高度な専門能力をもった高度実践人を養成することを目的とします。地域から世界まで、社会で活かせる専門的な知識の修得を目指す者を求めます。

本研究科では「共生」という視点に立ち、学問の総合化・学際化を模索しながら、学問の創造と新たな価値の体系化を追求しており、博士前期課程では、学部における基礎的専門教育とその後の博士課程における教育にそれぞれ独自の機能と役割を持たせつつ、これらが相互に有機的に連携するよう教育・研究システムの整備に努めています。

求める力
入学者に対しては、人文・社会科学の学問領域に関わる身近な課題と向き合い解決に向けて行動できる実践力、対象に疑問を持ち多面的な検討を加え課題を明らかにできる探究力、他者との出会いの中から差異を理解し自らを高めるコミュニケーション力、身の回りの事象に好奇心を持ち広く学び続ける教養力に加えて、学位プログラムごとに、下記のように、人文・社会科学のそれぞれの専門領域における基礎的知識を生かせる専門力を、入学後に身につけることを求めます。

各学位プログラムが求める専門力は以下の通りです。

①【総合人文学学位プログラム】 ・英語・ドイツ語・フランス語の高い言語運用力、または、日本・アジア地域の言語・文学、文化・思想の構造等を深く理解する専門力、または、哲学・美学・歴史学・考古学・比較社会文化学の深い知識をもとに諸問題の解決に取り組む専門力

②【心理学学位プログラム】 ・現代社会の諸課題について心理学的な視点と心理学の専門的知識・技能に基づいて探究し新たな知を生み出す専門力、心理に関する支援を必要とする人たちに対して心理学の専門的知識・技能を根拠とした有効なサポートを提供できる専門力

③【比較法政学位プログラム】 ・実定法学、基礎法学、国際法学、政治学の専門的知識を用いて、論理的に問題を解決する法的思考能力、社会における課題を自ら発見し解決する能力、グローバルな視点をもって国際的に活躍する能力等の専門力

④【地域法政学位プログラム】 ・地域の実情に即した政策を展開するために必要となる、実定法学、基礎法学、政治学の専門的知識と法的思考能力を用いて、地域社会における課題を自ら発見・解決し、地域の発展に貢献する専門力

⑤【地域ビジネス学位プログラム】 ・経営学・会計学・経済学の知識・技能の習得を踏まえて企業組織・戦略のあり方をそれが置かれた政治経済環境の中で多面的・客観的に分析できる専門力または企業活動の土台となる市場とその制度的特徴を国際的・歴史的に比較分析し、客観的に把握できる専門力

⑥【経済学学位プログラム】 ・経済・政策の諸問題を理論と実証の両面から一般的に洞察できる専門力、または、グローバル化と反グローバル化が交錯する中でわが国・世界が直面する様々な課題を、経済学・統計学の観点から解決するための専門力

⑦【SDGs学位プログラム】 ・外国人留学生等が、人文・社会科学の各分野(文学・法学・経済学)における深い専門的知識をもとに、各分野の諸問題を解決できる専門力

社会文化科学研究科博士前期課程の選抜方針・選抜方法の具体的な考え方と、能力との関係
博士前期課程では、多様な学生を評価できるように、一般入試、留学生特別入試、社会人特別入試、職業人特別入試を行います。①一般入試では、人文・社会科学の多様な分野に関する専門科目の学習に必要な基礎学力を有する者を、書類審査、学力試験(筆記試験及び口述試験)によって判定します。②留学生特別入試では、人文・社会科学の多様な分野に関する専門能力に加えて、一定以上の高度な日本語能力を有する外国人留学生を、書類審査、学力試験(筆記試験及び口述試験)によって判定します。③社会人特別入試では、出願時に2年以上の社会人としての経験がある者を対象として、人文・社会科学の多様な分野に関する社会人としての専門能力を有する者を、書類審査、学力試験(筆記試験及び口述試験)によって判定します。④職業人特別入試では、現在の職業に関連した内容について入学後専門的に研究することを目的としている職業人を対象として、人文・社会科学の多様な分野に関する職業人としての専門能力を有する者を、口述試験(研究計画書等を含む)によって、出身大学の成績等を総合して判定します。

入学前に学習しておくことが期待される内容
それぞれの所属する専攻及び選択する学位プログラムに応じて、人文・社会科学の高度な専門的知識を学習するために必要な学士課程卒業相当の基礎学力を身につけておいてください

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教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)

卒業認定・学位授与の方針(ディグリー・ポリシー)で掲げた力を修得した人材を養成するため、社会文化科学研究科博士前期課程として以下の方針及び考え方に基づき、教育課程を編成し、実践します。

教育の実施方針
持続可能社会の実践に向けて学生が主体的に学び続ける能力を育成する教育を実施します。

教育内容および方法、評価の考え方
主体的・対話的で深い学びの視点から、「何を教えたか」から学生が「何ができるようになったか」を重視して、以下の教育内容および方法、評価を提供します。

【研究科の考え方】
岡山大学のカリキュラムポリシーのもと、社会文化科学研究科では、持続可能な社会の実現に貢献できる人材育成を意識してカリキュラムを編成し、複合的・総合的・学際的な教育を体系的に提供できる体制を整備しています。人文・社会科学の多様な分野に関わる最先端の研究に裏づけられた専門教育を施すほか、深い教養と国際的な感覚を身につけ、物事を多角的に観察・洞察し、柔軟に社会の変化に対応できる能力の向上を図っています。また、教育課程の構築や改善のために、社会文化科学研究科教育委員会を中心として、様々な観点からの検討や教育課程の改革を不断に実施しています。

【博士前期課程の専攻と修学タイプ配置について】
社会文化科学研究科博士前期課程では、本研究科で学ぶことに関心をもつ方々の多様な希望に応じて柔軟な学修を可能にするため、国際社会専攻、日本・アジア文化専攻、人間社会文化専攻、法政理論専攻、経済理論・政策専攻、組織経営専攻の6専攻を設置するとともに、それぞれに「研究深化タイプ」と「高度人材育成タイプ」を編成しています。 「研究深化タイプ」は、主として、教員や研究者等を養成することを目的としたカリキュラムであり、ここでは各プログラムで定めた専門科目及び演習を履修することになっています。研究論文を執筆するための高度な知識・能力と技術・判断力の修得を目指しています。 「高度人材育成タイプ」は、知識集約型社会を支える高度実践人の養成を目指したカリキュラムであり、ここでは各プログラムで定めた専門科目及び演習を履修することになっています。

【博士前期課程と各学位プログラムの考え方】
総合的な高度の専門知を修得する上で必要となる共通の基礎知識や研究倫理等を身につけ、また、自らの課題を様々な角度から検討し、考えの異なる人と協働しながら課題の解決を図る知識・技能を身につけるために、初年次教養教育科目を履修します。それによって、幅広い学びから自らの知を深め、豊かな人間性を醸成する教養力を養います。人文・社会科学の多様な分野(文学・法学・経済学)の最先端の専門知識を修得するために、各分野におけるプログラム科目(専門教育科目)を履修します。自身の専門分野の体系的な知識・技能に加えて、周辺分野の知識・技能をも身につけるカリキュラムとして、各学系2つずつの学位プログラムを設け、その中にいくつかのモジュール(履修モデル)を用意しています。以下のそれぞれの学位プログラムに応じて、主体的に「知の創成」に参画しうる専門力を養います。

① 【総合人文学学位プログラム】本プログラムは、英語・ドイツ語・フランス語の各言語文化の分野で高い言語運用能力を身につけ、または、日本・アジア地域の言語・文学、文化・思想の構造や歴史的展開を深く理解する能力を身につけ、または、哲学・美学・歴史学・考古学・比較社会文化学の深い知識をもとに諸問題の解決に取り組む能力を身につけるために、国際言語文化論、日本アジア言語文化論、言語情報論、哲学思想文化論、美学・芸術学、歴史文化論、フィールド科学、心理学の各専門教育科目を履修します。

② 【心理学学位プログラム】本プログラムは、臨床心理学に基づいた高度な知識と技術を用い、心理に関する支援を必要とする人たちに有効なサポートを行う能力を身につけ、または、異文化間心理学や健康心理学を背景に、国際化、健康、高齢化、情報化などにおける新たな主題と技術を作り出せる能力を身につけるために、臨床心理学や現代社会心理学の各専門教育科目を履修します。

③ 【比較法政学位プログラム】本プログラムは、国内や諸外国の実定法や政治制度を様々な方法論的アプローチによって比較・検討し、国際社会や国・地方自治体、民間企業等の法的・政治的課題を解決する能力を身につけるために、法学・政治学の各専門教育科目を履修します。

④ 【地域法政学位プログラム】本プログラムは、地域社会の場において、税理士として租税に関する業務をサポートすることのできる能力を身につけ、または、公務員や企業人として地方公共団体で政策形成を担う能力を身につけるために、法学・政治学の各専門教育科目を中心に、分野横断的に経済学系の専門教育科目もあわせて履修します。

⑤ 【地域ビジネス学位プログラム】本プログラムは、多様な組織のマネジメント手法の基本と応用を、財務会計論や管理会計論等の会計情報の理論・分析方法や組織設計、経営戦略、リーダーシップ等に関する理論・分析方法を習得するとともに、組織を取り巻く環境とその変化を、世界経済、東アジア経済、日本経済、地域経済の各レベルでその歴史的変容を含めて考察できる視野と手法を習得するために、経済学・経営学の各専門教育科目を履修します。高度人材育成コースでは、それに加えて、分野横断的に法学系の専門教育科目もあわせて履修します。

⑥ 【経済学学位プログラム】本プログラムは、経済学の特定専門分野における高度な専門知識を有し、経済・政策の諸問題を理論と実証の両面から洞察・分析できる能力を身につけ、または、わが国および世界が直面するさまざまな政策課題について、経済学・統計学の観点から解明・解決するための専門知識・スキルを身につけるために、経済学の各専門教育科目を履修します。

⑦ 【SDGs学位プログラム】本プログラムは、外国人留学生等が英語による授業だけでも修了できるプログラムとして、人文・社会科学の各分野(文学・法学・経済学)における深い専門的知識をもとに、各分野の諸問題を解決できる能力を身につけるために、人文・社会科学の多様な分野の各専門教育科目を履修します。

【学修内容及び方法】
人文・社会科学の多様な分野(文学・法学・経済学)における高度な専門知識を修得するために、講義形式及び演習形式の科目を履修します。
特に演習形式の科目はアクティブラーニングを用いて実施されるため、当該科目の履修によって、報告・発表の経験を積み重ね、能動的な学修を身につけます。それによって、学生同士や教職員との対話を通じて、様々な専門分野の人と協働できるコミュニケーション力を養います。
研究指導に特化した特別研究・演習科目を履修し、指導教員・副指導教員の研究指導を受けて、修士論文もしくは研究報告書を作成します。それによって、世界とつながり、異なる価値を認め、社会的な課題の解決を導く実践力と、論理的・複眼的に社会的な課題に迫る探究力を養います。
【学修成果の評価】
シラバスに記載された学修目標の達成度という観点から、報告や討論等の平常点に試験やレポートなどを組み合わせて、学修成果を厳格に評価します。評価方法はシラバス等により明示します。
修士論文もしくは研究報告書の審査と最終試験で評価を行います。修士論文及び研究報告書については、審査基準を学生便覧等で明示し、それに基づいた最終試験を行います。
正課外教育の考え方
学生が授業での学びを越えて自らの成長を実感できるように、一定の社会的な課題を解決するための社会貢献などの実践活動、学会・研究会への参加などの学術活動、TAやFD活動などに協力する委員会活動など、様々な正課外の機会を提供します。

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学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

博士前期課程では、修士論文などにまとめた研究成果が本研究科の定める学位授与の水準を満たしていることに加え、高度な専門知識を修得の上、特定の課題についての研究を遂行する能力を身につけるとともに、関連の諸課題に的確に対処し得る思考力と行動力を備えている者に対して修士の学位を授与しています。

具体的には、本研究科では、所定の期間在学し、以下の力を身につけ、所定の単位を修得した学生に学位を授与します。

修得できる力:実践力・探究力・コミュニケーション力・教養力・専門力

【実践力】社会的な課題と向き合い、解決のために行動できる実践力
大きな社会的な課題と向き合う中で、それぞれの差異を理解し、解決のために先駆けて行動することができる。

【探究力】社会的な課題を発見し、論理的・複眼的に迫る探究力
多面的な検討により明らかになった社会的な課題に、様々な専門力を用いて、その本質に迫ることができる。

【コミュニケーション力】他者と連携し協働するコミュニケーション力
学生同士や教職員などとの様々な出会いの中で、他者との間で違いを認め合い、垣根を越えて、相互に高め合うことができる。

【教養力】幅広い学びから自らの知を深める教養力
幅広い学びから自らの知を深め、自らの成長に繋げることができる。

【専門力】人文・社会科学の専門知識を統合する専門力
それぞれの学位プログラムに応じて、専門領域の土台となる知識・技能を深く統合することができる。



①【総合人文学学位プログラム】
英語・ドイツ語・フランス語の高度な言語運用を行うことのできる専門力
日本・アジア地域の言語・文学、文化・思想の構造等を深く理解することのできる専門力
哲学・美学・歴史学・考古学・比較社会文化学の深い知識をもとに諸問題の解決に取り組むことのできる専門力
②【心理学学位プログラム】
臨床心理学に基づき、心理に関する支援を必要とする人たちに有効なサポートを行うことのできる専門力
国際化、健康、高齢化、情報化等における新たな技術を創出することのできる専門力
③【比較法政学位プログラム】
国内や諸外国の実定法や政治制度を様々な方法論的アプローチによって比較・検討し、国際社会や国・地方自治体、民間企業等の法的・政治的課題を解決することのできる専門力
④【地域法政学位プログラム】
地域社会の場において、租税に関する業務をサポートすることのできる専門力
地方公共団体で政策形成を担うことのできる専門力
⑤【地域ビジネス学位プログラム】
経営学の専門知識に基づいて、企業マネジメントに関わる諸問題を解決することのできる専門力
会計学の専門知識に基づいて、財務会計や管理会計等の学術研究を遂行することのできる専門力
⑥【経済学学位プログラム】
経済・政策の諸問題を理論と実証の両面から洞察できることのできる専門力
わが国・世界が直面する様々な課題について、経済学・統計学の観点から解決することのできる専門力
⑦【SDGs学位プログラム】
外国人留学生等を対象とした、人文・社会科学の各分野(文学・法学・経済学)における深い専門的知識をもとに、関連分野の諸問題を解決することのできる専門力

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