学部・研究科等ごとの目的
学際的・統合的な研究と教育の発展を前提として、専門分野の基礎学力の養成、専門分野間の横断や融合や統合を可能にする総合的理解力・判断力の養成、問題解決能力を備えた社会的リーダーシップをとりうる人材の養成、世界に開かれた視野と発信力の養成を教育研究上の目的とする。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
東京大学教養学部は、学部の学位授与方針で示した要件を学生が達成できるよう、以下の方針に基づき教育課程を体系的に編成・実施します。
・ 教養学科では、超域文化科学、地域文化研究、総合社会科学の3つの分科を置き、人文・社会科学の専門的知識の系統的な修得と2つ以上の言語科目の履修を求めます。
・ 学際科学科では、科学技術論、地理・空間、総合情報学、広域システムの4つのコースを置き、文系・理系の境界領域に位置する様々な対象を具体的に解析する科目の履修を求めます。
・ 統合自然科学科では、数理自然科学、物質基礎科学、統合生命科学、認知行動科学の4つのコースとスポーツ科学サブコースをおき、複数の自然科学領域の科目の履修を求めます。
・ 3学科ともに、分科・コース間の連携をはかると同時に、分野を横断する総合的な理解力と創造的な問題解決能力の養成のために、学科内の共通科目を設置します。また、学生に自らの専門を相対化させ、学問領域と現代社会の諸問題を有機的に関連づける視野を獲得させるために、学科間で連携して学部内に先進的な共通科目を設置し、その一部を後期教養科目として全学に開きます。
・ 学生が一つの学問領域にとどまらず、越境的・横断的な視座から先進的、学際的な研究課題に取り組めるように、多彩な副専攻と学科をまたぐ学融合プログラムの制度を設置します。
・ 少人数の演習授業を体系的に開講することで、文献を厳密に解読し、データを精緻に解析できる能力を育成するとともに、プレゼンテーション能力と討議力を伸ばします。
・ 専門性と国際性を備えた真の教養の修得と国際社会で積極的に発信できる視野と能力の養成のために、英語をはじめとする様々な言語による授業を展開します。また、英語だけで学位を取得できる文系・理系の2つのプログラムを設置して学部の国際化をはかるとともに、単位互換制度を提携している国外の大学への留学を積極的に推し進めます。
・ 成績評価にあたっては、 授業内容の理解度に加えて、授業における発表能力、課題の探究力、議論の展開力、正確な表現力等を達成度評価基準として試験を厳格に行います。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
東京大学憲章に謳われた教育理念に基づき、教養学部後期課程では、文系の「教養学科」、理系の「統合自然科学科」、文系・理系の境界領域をカバーする「学際科学科」の3学科を設置し、高度な専門教育と幅広い教養教育を通じて既存の学問分野の境界にとらわれない知性を鍛え上げることを教育目標としています。この教育目標は、「学際性」「国際性」「先進性」という三つの理念に支えられています。グローバル化が急速に進行しつつある現代社会の諸問題は、一つの専門分野だけで解決できるものではありません。したがって、これら三つの教育理念の実現は、21世紀の国際社会におけるリーダー的人材、同時に真の教養人を育成することにつながります。本学部はこうした展望のもと、分野横断的視野が必要とされる現代社会の複雑な問題に対処する柔軟な思考力、知を統合し新たな領域を開拓できる高い専門性と幅広い教養、国際社会の要請に対応しうる先鋭な問題意識と問題解決能力の涵養を目標とします。
以上に述べた教育目標に基づき、教養学部後期課程では、以下にあげるような能力や学識の修得を学位授与の要件とし、所定の単位を修得し学位論文等の審査に合格した学生に学位を授与します。
・ 専門分野における基本的な知識を系統立てて修得し、そこから得られた知見を研究成果としてまとめる方法論を身につけるとともに、新たな知見を生み出す創造性と探究心を具えていること。
・ 専門分野間の横断・統合を可能にする総合的理解力・判断力と幅広い教養を身つけていること。
・ 専門とする学問領域と現代社会の諸問題を有機的に関連付け、広く社会と世界に開かれた視野を身につけていること。
・ 自ら問題を発見し解決する能動的姿勢を具え、将来、国際社会においてリーダシップを発揮するうえで基礎となる行動力と発信能力を身につけていること。