学部・研究科等ごとの目的
地域医療の中核として医療レベルの向上のために不断の努力をはらっていく中で、専門分野における最新の知識・技術とともに、医療人としての認識を高め、それにふさわしい態度を習得させます。さらに、これを生涯にわたって主体的に研鑚することのできる持続的向上心を持った医師・看護職者の育成を目的としています。
〇看護学科の目的
生命の尊厳と人権の擁護を重んずる誠実で豊かな人間性を備え、保健・医療・福祉に関わる人々と協働して、根拠に基づく安全な看護を提供できると共に、社会と人々の生活の変化を敏感に捉え、看護の役割・機能・責務について必要に応じた変革を実行できる看護職者を育成することを目的としています。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
医学部看護学科は、平成5年に東北・北海道地区ではじめての国立4年制大学として設立されました。時代の要請に柔軟に対応できる知識・技術と豊かな人間性を備えた看護職者を養成し、すでに1,823人の卒業生を医療人及び専門的研究者として世に送り出しています。
医学部の学生は卒業後、地域医療の第一線をはじめとして、日本各地の様々な医療機関で、また国際的にも世界各地の研究機関で広く活躍しています。今後さらに地域に根ざし世界で活躍する医療人を育成するため、医学部は以下の「求める学生像」に記された資質を持っている人を受け入れます。
求める学生像(3つのC)
Challenge :科学的研究心が強く、現代の保健医療が抱える諸問題の解決に自ら考え、粘り強い学習意欲を持って挑戦できる人
Cooperation :医療人に求められる高度な倫理観と豊かな人間性を備えていることに加え、医療活動がチームで行われることをよく理解して共に働く人々と良好な人間関係を形成できる人
Contribution :世界水準の医学看護学を背景に、高度な地域医療の実践を通じて人類の健康福祉に貢献する意欲をもつ人
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
山形大学及び医学部の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に沿って、教育プログラム(看護学)では、学生が体系的かつ主体的に学習できるように教育課程を編成し、これに従って教育を行います。
1. 教育課程の編成・実施等
(1) 基盤共通教育においては、豊かな人間力と社会力を醸成する科目と、専門分野の中核になる概念や原理を理解する専門科目を配置する。
(2) 専門教育においては基盤教育で得た知識を多角的に応用できる看護実践能力と課題解決力などを育成するために、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に即した体系性・順次性のある授業科目と充実した演習、実習を配置する。
(3) 看護実践能力を育成するために、各看護領域における専門的な看護の知識及び援助の方法を学び、これらの授業科目の単位を全て修得し、客観的看護実践能力試験で一定水準に達していると認められたものに「山形大学医学部Student Nurse」の称号を付与し、病院、高齢者施設、保育所などでの臨地実習を行う。また、社会に対し教育の質を保証するため、客観的看護実践能力試験及び統合特別試験を実施し、卒業時の看護実践能力到達目標に到達できるようにカリキュラムを編成する。
(4) 3年次において、地域で生活する人々を支援するために、選択による保健師養成に必要な授業科目を配置する。また、看護職としての看護の多様な役割・機能・責務について理解を深めるために、統合的な専門科目を配置する。加えて、常に課題の克服や目標達成に取り組むことができるように看護研究、統合実習の科目を配置する。
2.教育方法
(1) 高等学校教育との接続と専門知識習得の基礎となる講義を、基盤共通教育において展開する。
(2) 看護の多様な役割・機能・責務について理解を深め、生涯を通じて主体的に看護学の知識・技術を学び続けられるような実践的な演習、実習を展開する。
(3) 看護アセスメント能力を培い、あらゆるライフステージや多様な健康レベルに対応できる看護実践の方法を身に付けさせるための臨地実習を展開する。
3.教育評価
(1) 学習成果の評価においては、定期的に教育カリキュラムを点検し、明確な成績評価基準に基づき評価する。
(2) 看護実践能力は、3年次の臨地実習前に関連する授業科目全ての単位を修得すること及び客観的看護実践能力試験によって評価する。また、4年次の客観的看護実践能力試験及び統合特別試験によって、卒業時の到達度を評価する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
山形大学及び医学部の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)のもと、教育プログラム(看護学)では、基盤共通教育及び学部の専門教育を通じて、以下のような知識・態度・能力を獲得した学生に「学士(看護学)」の学位を授与します。
1.豊かな人間性と社会性
(1) 良き看護職者として、文化や社会、自然を含めた幅広い学問分野に関心を持ち、主体的、自律的に学び続けることができる。
(2) 看護職者として求められる、生命の尊厳への理解と医療的課題に立ち向かおうとする意欲(Challenge)、研究や医療に従事し社会貢献(Contribution)するために不可欠な高い倫理観と使命感を持っている。
(3) 地域医療の重要性を含め医療・看護に関する社会的なニーズや課題に関心を持ち、自ら学び考えることができる。
(4) 医療人の一員として円滑な協働(Cooperation)を行う上で必要な意思疎通及び相互理解・尊重の重要性を理解している。
2.幅広い教養と汎用的技能
(1) 医療や看護に関する社会の仕組み、生活環境、健康や医療を取り巻く様々な課題について学び、それを基に判断し、行動できる。
(2) 社会の変化に関心を持ち、膨大な情報の中から正しい情報を活用し、看護の役割、機能、責務を理解できる。
(3) 多職種が関わる医療現場で活躍できるよう互いに連携・協働するためのコミュニケーション能力を持っている。
3. 専門分野の知識と技能
(1) 看護の基盤となる専門基礎知識について、看護の現象の理解と問題解決に活用できる。
(2) 看護に必要な科学的思考力と創造力を持ち、生涯にわたり自己研鑽する態度を身に付けている。
(3) 専門的知識と確かな技術に裏打ちされた安全な看護を提供し、自分が提供した看護を評価できる看護実践能力を身に付けている。
(4) 保健・医療・福祉に関わる人々と協働して、組織的に問題解決を図るためのチームワーク力とマネージメント力を備え、看護職としての職責や普遍に求められる知識と技能を身に付けている。