学部・研究科等ごとの目的
福島県立医科大学の看護学部の教育理念は、学生が主体的に学ぶことを基本とし、人間の存在と生命の尊厳を深く理解することのできる豊かな感性と倫理観を形成し、柔軟で論理的な思考力を培います。
また、あらゆる場で、あらゆる健康レベルの人々のニーズと必要な看護ケアを、人と人とのかかわりを通して把握し、学生が自らの知識と技術を統合して、健康の回復から増進にむけた援助を提供できる能力を養います。
さらに、社会の変化に対応した看護専門職の役割を認識し、保健医療福祉に関わる広い領域で様々な人々と連携・協働を図りながら、看護の対象となる人々自らが健康問題を解決し健康状態を高めていく過程を援助できる、創造性豊かな看護専門職の育成を目指します。
入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
豊かな感性と倫理観を持ち、ニーズに対応する実践能力を備えた創造性豊かな看護専門職者を養成します。
●求める学生像
この理念・目標を達成するために、次のような人を求めます。
1.人間への関心をもち、「いのち」と「健康」を積極的に守ろうとする人
2.いろいろな観点からものごとを理解することができる人
3.対人関係を通して、ともに成長することができる人
4.地域の保健医療を担うという情熱と意欲を有する人
5.ものごとを論理的に考え、表現することができる人
6.大学で学ぶために必要な基礎学力を有し、探求心を有する人
●入学者選抜の基本方針
国 語:『国語』
地理歴史・公民:『地理総合,地理探究』、『歴史総合,日本史探究』、『歴史総合,世界史探究』、『公共,倫理』、『公共,政治・経済』のうちから1科目 または『旧世界史B』、『旧日本史B』、『旧地理B』、『旧現代社会』、『旧倫理』、『旧政治・経済』、『旧倫理,旧政治・経済』のうちから1科目
数 学:『数学Ⅰ,数学A』及び『数学Ⅱ,数学B,数学C』または『旧数学Ⅰ・旧数学A』及び『旧数学Ⅱ・旧数学B』
理 科:『物理』、『化学』、『生物』のうちから2科目 ないしは『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』の科目のうち「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」の出題範囲から2つ及び『物理』『化学』『生物』のうちから1科目
外 国 語:『英語』
情 報:『情報Ⅰ』または『旧情報』
(1)一般選抜(前期・後期)
看護師を目指すものとして基礎的学力を有し、人間への関心をもち、論理的思考力と探究心を備えた学生を求めています。
大学入学共通テストに加え、総合問題、面接及び調査書の結果を総合して選抜します。
(2)学校推薦型選抜
福島県の保健・医療・福祉への貢献の意思および看護職者として意欲を持つ学生を求めています。
総合問題(英文・科学的資料の読解を含む)および面接の結果、並びに出願書類の審査結果を総合して選抜します。大学入学共通テストは課しません。
(3)私費外国人留学生選抜
日本国籍を有しない者で、独立行政法人日本学生支援機構が実施する「日本留学試験」を受験し、かつ出入国管理及び難民認定法において大学生活に支障のない在留資格を有し、大学の定める諸要件に該当するものに対して、私費外国人留学生選抜を行います。
総合問題、面接、出願書類及び日本留学試験の結果を総合して選抜します。大学入学共通テストは課しません。
教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
●カリキュラム概要
1.豊かな感性と倫理観を持つ看護専門職者となるために
文学や美術、体育等の科目を通して感性を磨き、倫理学・生命倫理では、個人や社会の問題解決に活用する倫理的判断の基礎や、臨床場面の倫理的諸問題に直面する看護師の責任と役割について学習します。看護専門職者として柔軟かつ論理的な思考力を備えるために、統計学や自然科学を学び、英語を中心とした語学では、看護において必要となる外国語の表現力の向上をめざします。
2.創造性豊かな看護専門職者となるために
人々の心理や行動、生活習慣等を多角的に理解し、人々を取り巻く社会のありようや法制度、医療経済、保健医療福祉行政等に関する基本的な知識を身につけます。また、人々の健康について理解するために、人体の構造と機能、病態の診断と治療等について学習します。看護の基本となる科目では、看護学の基本やコミュニケーション技術など看護専門職者としての基本的態度や姿勢を身につけるとともに、家族や地域の理解を通して、対象理解を深めます。また、疫学や医療統計学、看護実践を支える看護技術とアセスメントの学習は、根拠に基づいた看護実践の基礎をつくるものであり、より実践的な理解を促すために実習を実施します。
3.ニーズに対応する実践能力を備えた看護専門職者となるために
看護実践の基盤として、人々の成長発達に合わせた健康の維持・増進、急性期・慢性期・終末期の病期に沿った疾患と看護について学習し、看護実践の応用として、母性看護学、家族看護論、健康障害をもつ子ども・高齢者への看護、精神の健康障害をもつ人の看護、地域看護学、在宅療養を支える看護について、より専門的に学習します。これらの学習をふまえ、看護実践として実習を実施します。さらに、看護を統合する科目では、チーム医療におけるマネジメントやリーダーシップ、災害看護学、国際看護学、看護研究方法論について学習し、地域の保健医療福祉に貢献する看護専門職者として育成します。
●評価方法
履修した授業科目の成績は、「福島県立医科大学看護学部履修規程」に基づき、筆記試験、レポートおよび出席等の方法により総合的に評価します。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
教育理念として、「豊かな感性と高い倫理観を持ち、ニーズに対応しうる実践能力を備えた看護専門職者の養成」を掲げています。この教育理念の下、地域の保健・医療・福祉に貢献する看護専門職者の育成に努めてきました。
それを受け、本学では以下を満たす者に学士を授与します。
1.地域社会の人々のために、人々が生活するあらゆる場において、あらゆる健康レベルの人々のニーズに基づいた看護を実践する看護専門職者に必要な倫理観の基盤・知識と技術を修得した者
2.地域社会への貢献ができる看護専門職者の基礎として、科学的思考力および自律的に生涯学習を継続する姿勢を修得した者
3.看護学部履修規程に則り、卒業までに所定の単位を授与され、授業科目の修了認定を受けた者