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理学部

 
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教育研究上の目的と3つの方針

学部・研究科等ごとの目的

【京都大学理学研究科・理学部の特徴とめざすところ】
 理学は自然現象を支配する原理や法則を探求する学問であり、その活動を通じて人類の知的資産としての文化のより深い大きな発展に資するとともに、人類全体の生活向上と福祉に貢献することを目的としている。
 京都大学大学院理学研究科は、設立以来100年余りの間に、数学、物理学・宇宙物理学、地球惑星科学、化学、生物科学の各分野において独創的な研究成果を数多くあげ、また霊長類研究などの新しい学問分野を開拓するとともに、ノーベル賞受賞者6名・フィールズ賞受賞者2名をはじめとして国際的舞台で活躍する多くの優れた研究者を輩出してきた。
 理学研究科・理学部は、これまでの成果に立脚し理学研究の理念を更に具現化するため国内はもちろん国際的にも屈指の教育・研究拠点となることを目指している。そして理学教育を通じて、自然科学の基礎体系の深い習得とそれを創造的に展開する能力および個々の知識を総合化し新たな知的価値を創出する能力を有した優れた研究者あるいは責任ある職業人育成を志している。そのために、自由な雰囲気の下で学問的創造を何よりも大切にする学風を自律的に醸成するとともに、国内外に広く開かれた教育・研究機関として発展することを心がけている。
 教員・学生等研究科構成員の自発的意志と学問に対する情熱を尊重し、時々の社会的雰囲気に惑わされることなく基礎的・萌芽的研究を重視して進めるとともに、学問の新しい進展によって生み出される境界領域・複合領域の研究分野を創成して発展させることに努めてきている。
 また、バイオサイエンス、ナノテクノロジー、環境、エネルギー問題など現代社会が直面する課題について基礎科学の観点から積極的に取り組み、それらに関する効果的教育・研究にも努めている。
 理学研究科・理学部は現在、数学・数理解析、物理学・宇宙物理学、地球惑星科学、化学、生物科学の大学院5専攻および、天文台、地球熱学研究施設、地磁気世界資料解析センターの3つの付属施設において研究・教育活動を展開している。

 学部教育においては、基礎的科学体系を深く修得し、それらの基礎を創造的に展開する能力、さらにはこれら個々を総合化し新たな知的価値を作り上げる能力などを養成することを目標としている。そのためには、自由にして創造性を富む気風・既成の権威や知を無批判に受け入れることなく自ら情報を探索し新たな考え方を吸収する学習態度や姿勢を養うことを目指している。
 こうした教育理念・目標を実現する施策として、理学部は学生に大きな選択自由度を与える「理学科のみの1学科制」に基づく「緩やかな専門化」という教育基本方針を採用している。
 即ち1-2回生においては狭い専門に閉じず幅広い学問の学習を促し、3-4回生においては自らの興味・意欲と能力・適性に応じて5つの専門分野(数学、物理学・宇宙物理学、化学、地球惑星科学、生物科学)から1つの専門を選ばせ(系登録)理学的素養を深化させることを学生に求めている。そして自ら学ぶための基礎学力を確かなものにし、少なくとも1つの分野の専門的基礎知識と技能が4年間の内に身につけられるような指導を心がけている。
 自律的学修姿勢を養うために少人数対話型教育を充実すると共に、学生による自主ゼミ等の勉学活動を支援する体制をとっている。また、自らに相応した分野を見出した人がフィールド実習や実験教育により学問に対する情熱を沸き立たせられるようなカリキュラムを設定している。
 生命倫理、環境問題、エネルギー問題等が端的に象徴する不透明な現代にこそ、理学部は上記の理念を実現することによって社会からの真の要請に応えることを使命と考えている。
 なお現在、理学部卒業生の約4分の3が大学院に進学している。学生募集要項に明示している理学部の教育目標・特徴は以下の通りである。

教育目標
・自然科学の基礎体系を深く習得し、それを創造的に展開する能力の養成
・個々の知識を総合化し、新たな知的価値を創出する能力の養成

教育の特徴
・自由な雰囲気の下で学問的創造を何よりも大切にし、自律的学修が推奨される学風
・理学科のみの1学科制
・緩やかな専門化を経て、研究の最前線へ

 大学院教育については、学部レベルでの教育理念の体現を基礎に最前線の研究現場において自然科学の進歩を担うことにより社会に貢献する「研究者の養成」を主な目的としている。
 修士課程修了後に社会に出る学生に対しては、自ら問題を発見し解決策を提起できる深い科学的素養を有する人材養成を行うことを目標としている。
 大学院教育にあっては、講義やゼミナール等の教育とともに個々の研究現場における個別指導を重視し、これにより理学研究科の大学院教育における目標である「研究者の養成」を実現する。
 また、修士課程修了後に社会に出る学生に対しては、研究者養成を主目的にした教育環境の中で教育を行い、科学政策官、科学アナリスト、ジャーナリスト、教員をはじめ、社会の全領域において活躍が可能な創造性豊かな問題発見型の人材の教育を目指している。
 社会にでる学生には十分な科学的思考法の習得・実践を求め、科学的素養を生かして自然科学の普及、初中等・高等・社会教育に携わる人材あるいはより一般的に社会の科学的合理的判断形成に寄与する人材として活躍することを期待している。

 博士前期(修士)課程では、学生が理学研究を遂行するのに必要な基礎知識・研究手法・問題解決能力を身につけることを求め、また博士後期課程では自ら課題を設定し研究を企画・遂行してオリジナル論文としてまとめあげる能力を身につけるようなカリキュラム設定としている。

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