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農学部

 
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教育研究上の目的と3つの方針

学部・研究科等ごとの目的

本学部は,人類の生存の基盤である食料,資源,エネルギー,環境等に関する問題の解決並びに農林業及びその関連産業の持続的発展に寄与するために,農学に関する体系的な教育を行うことにより,生物生産と環境との調和を図るための広い視野を有し,生物生産の状況の変化に即応できる高度な専門性を有する人材を育成することを目的とします。

入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)

・学部の理念
北海道大学農学部には,札幌農学校の開校時の教頭であったW.S.クラーク博士によって唱道された全人教育と,北海道開発の人材養成を目的とした実学主義の理念が,その後130年以上を経た今日も脈打っている。増え続ける人口に起因する食料の不足,急増する資源・エネルギーの消費と環境汚染の激化,自然生態系の破壊と生物多様性の喪失など,人類の生存を脅かす諸問題を解決するために,北海道大学農学部は豊かな人間性に富み農学の専門的知識と課題解決能力をもった人材の育成を目標としている。現代の農学には,純粋科学の方向にそって分化発展しつづける分野と,それらの成果を統合して技術化する応用科学的な分野とがある。本学部はこれら二極化する諸科学を統括し,総合科学としての農学の体系的な教育と研究を行うことを目指している。

・教育目標
社会から要求されている生物生産と環境との調和に対応できる広い視野を養うこと,食料・資源・エネルギー・環境など人類の生存にとって重要な問題の解決に取り組む意欲を高めること,および生物生産の状況変化に即応できる高度な専門性を身につけることを目標とする。これにより農学の重要性を理解し,地球的な課題に挑戦する大志と気概をもって農林業の持続的発展と関連産業に寄与し得る人材の育成を目指す。

・求める学生像
・基礎生物学と応用生物学をつなぐ研究を志す学生
・環境と生物の相互作用ならびにフィールドサイエンスに興味のある学生
・自然環境保全とリサイクル型の資源利用に関心のある学生
・バイオサイエンスやバイオテクノロジーを学びたい学生
・食料生産技術を通じて社会に貢献する意欲のある学生

教育目標に記載の教育を受けるために,入学者には以下のような学生像を求めます。
1. 知識・技能
農学の広範な分野を俯瞰するための基礎知識と,専門の学修につながる基礎学力を,高等学校での学習内容を幅広く十分に修得して身に付けている学生。
2. 思考力・判断力・表現力
知識・情報を収集し,批判的姿勢でこれを評価し,整理統合して卒業論文などにまとめて新たに発信するための論理的思考力と言語能力の基礎を身に付けている学生。
3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
大学での学修や卒業研究に必須の素養として,自ら課題を見つけて主体的に行動でき,また多様な相手とともに取り組むことができる学生。
4. 強い知的探求心と問題解決意欲
生物生産,食料,資源とエネルギー,環境などの農学領域に対する知的関心や問題意識を持ち,高い倫理性と責任感を持って取り組む意欲のある学生。
従って,入学する学生には,高等学校における学習内容を幅広く修得していることが期待されます。
・理科については,農学領域に共通する専門基礎として十分な理解が必要です。
・国語・数学は,論理的思考に必須の基礎科目であり,また国語・英語は情報収集・発信およびコミュニケーションに必須の科目であり,いずれも十分な修得が必要です。
・社会およびその他科目は,広範な農学分野を俯瞰でき,また広い視野を持つために必須である

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教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)

 農学部では,人類の生存の基盤である農学分野に関する問題の解決並びに農林業および関連産業の持続的発展に寄与するために,生物生産と環境との調和を図ることのできる広い視野を持ち,生物生産の状況の変化に即応できる高度な専門性を有する人材を育成することを教育目標とし,これを達成するために農学を7つの観点から学ぶ7学科を設置しています。これらの学科では全学共通の「全学教育科目」及び体系的に配置された「学部専門科目」をもって,4年間の学士課程における教育課程を編成します。
 本学部の専門科目については,学科毎に教育課程編成・実施の方針を定め,それぞれ育成する人材像に沿ったカリキュラムを編成し,実施します。

 まず,学科にかかわらず主に1年次学生を対象として,全学教育科目を開講します。これは専門にかかわらず,共通の素養として,高いコミュニケーション能力,人間や社会の多様性への理解,独創的かつ批判的に考える能力,社会的な責任と倫理を身につけることを目的として,カリキュラムを編成します。具体的には「一般教育演習」,「総合科目」,「主題別科目」,「外国語科目」,「外国語演習」,「共通科目」に区分される教養科目(コアカリキュラム)を開講します。また,専門科目を学ぶ心構えと基礎知識を身につけることができるように,基礎科目を開講します。
 2年次以降の学生に対しては,農学部各学科に関わる専門性を深めるために,学部専門科目を開講します。


学科の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 農学部生物資源科学科では,<すべての生物は私たち人間にとって末永く共存し利用すべき貴重な資源である>という理念の下に,生物資源と人間生活の相互調和を目指した基礎から応用までの教育研究を実施しています。
2年次では,生物資源科学を幅広く理解するため,作物学,園芸学,作物生理学,植物病理学,植物寄生病学,植物遺伝資源学,動物生態学,環境昆虫学,造園学などの必修科目に加えて,一部の選択専門科目も開講します。また基礎的な実験手法習得のため,実験科目を開講します。
3年次には,応用的あるいは発展的なより多くの選択専門科目が開講されます。また作物コース,植物コース,動物コースに分かれて,より専門的な実験科目を設定して実験手法の習得を図るとともに,研究室単位の少人数の演習により,専門性を深め,英語原著論文等の講読能力や研究発表能力を養います。
4年次の卒業研究では,専門性を高めるとともに,課題の発見と背景の理解を基盤とした適切な実験・分析手法の設定,研究遂行および結果説明の過程を通じ,課題の自律的な解決能力と表現能力を涵養します。また,主体的学習能力等の生涯学習力を養います。
 
 農学部応用生命科学科では,2年次に生命現象の基本的メカニズムを理解させるため,応用生命科学概論,基礎遺伝学,基礎分子生物学,生物化学,有機化学などの講義を行います。
2年次後期から3年次には,応用生命科学に関わる高度な知識を広範に修得し,問題解決能力や論理的思考を培うため,当学科を構成するより専門性の高い授業やその周辺分野の授業を開講します。
生命科学の基本原理の実践的な修得を目的に,2年次後期から3年次前期にかけて,応用生命科学実験等の学生実験を実施し,実験操作,データ処理,レポート作成の習熟を図ります。
3年次から4年次に行う応用生命科学演習では,英語原著論文等の講読・議論・発表等を通じて,課題の情報収集や本質的な問題点を探り,それをプレゼンテーションすることのできる能力を高めます。
4年次には卒業研究を行い高度な専門性を身につけるとともに主体的学習能力等の生涯学習力を養います。

 農学部生物機能化学科では,2年次では,まず無機化学,物理化学,有機化学等化学的基礎学力向上を図る科目,ならびに化学・生物学実験等で統計的処理に必要となる実験計画法を開講します。また,生物機能化学分野全般にわたり広く俯瞰できるように各種概論を開講します。これらはいずれも必修科目として提供されます。
3年次では,生物機能化学を更に深く修得するように,専門科目および関連分野の講義を開講します。
2年次後期から1年間,生物機能化学各分野における基礎実験の実習を行い,実験操作,データ処理,レポート作成の習熟を図ります。
2年次後期からは演習を行い,英語原著論文等の講読・議論・発表等を通じて,専門的知見を広げるとともに,科学情報取扱の基礎力修得と科学的議論・発表の技法の修得を図ります。
4年次には卒業研究を行い専門性を高めると共に主体的学習能力等の生涯学習力を養います。更に広範な農学各種分野の講義を履修できるようにカリキュラムを設定しています

 農学部森林科学科では,4年次に卒業研究として行う野外調査や実験に専念できるよう,卒業に必要な単位を3年次までにほぼ修得できる開講スケジュールを組んでいます。
2年次から3年次の前期にかけて,広範・多岐にわたる森林科学の全容を概観する基礎的な能力を養うため,専門基礎科目として造林学や森林計画学,砂防学,木材理学,木材化学などの必修科目を開講します。
3年次の後期まで,必修科目で修得した基礎的な知識をさらに深めることを目的として,より専門的かつ応用的な内容の選択科目を開講します。
後の専門的研究をより高度に展開するには,幅広い基礎を養っておく必要があります。そのため,2年次の後期から4年次の前期にかけて,物理化学や有機化学,構造力学,基礎分子生物学,機器分析学などの基礎科目も選択科目として修得できるようカリキュラムを設計しています。
森林の管理や育成,利用に関する実務的な知識・技術の修得を目指し,広大な北大研究林を利用した野外実習および実験科目も数多く開講します。
4年次には卒業研究として野外実習や実験を実施して専門性を高めると共に主体的学習能力等の生涯学習力を養います。

農学部畜産科学科では,2年次において,家畜と畜産物利用に関する基礎と技術を体系的に習得することを目的として,家畜生産(育種・繁殖・栄養・飼料・草地・管理・行動)および畜産物利用(食肉製品・乳製品・副生物)に関する基礎科目を開講します。さらに家畜生産と畜産物利用に関する実習を通して実学としての畜産科学の理解を深めます。一方,畜産基礎実験IとIIでは,生化学的・組織学的実験の基礎と結果の解析,レポートの作成法について理解を徹底させます。併せて,畜産基礎概論により,畜産分野の現状と最新の研究内容を幅広く紹介し,畜産科学そのものを広く俯瞰できるようにします。 
2年次後期から3年次前期にかけては,畜産科学を更に深く修得するように,動物機能栄養科学,家畜繁殖学,家畜遺伝育種学,応用食品科学,畜牧体系科学,細胞組織生物科学を専門科目として開講します。併せて,これらの専門科目と対となる基礎実験を提供することで,畜産科学の基礎,応用,発展のつながりを明確かつ体系的に理解することに主眼を置いています。
4年次には卒業研究を行い,専門性をより高めると共に主体的学習能力等の生涯学習力を養います。更に広範な農学各種分野の講義を履修できるようにカリキュラムを設定しています。また,3年次後期から1年半をかけて畜産科学演習を行い,英語原著論文等の講読・議論・発表等を通じて専門的知見を広げるとともに,科学情報取扱の基礎力修得と科学的議論・発表の技法の修得を図ります。
 
農学部生物環境工学科では,生物生産とそれを取り巻く地域の環境について工学(Engineering)的視野を持ちつつ社会に貢献する人材を育成することを教育目標としています。
2年次において,まず情報解析学,応用数学などの基礎科目を開講し,加えて,農業土木学,生物環境物理学,土壌物理学,環境情報学,フィールド情報システム学,農産物・食品加工工学,農作業学,生物生産環境工学など,生物環境工学科全体を俯瞰する専門科目を開講します。また,実習や基礎実験を開講し,自ら体験し実験することを重視しています。これらはいずれも必修科目として提供されます。
3年次では,生物環境工学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳを開講し,実験研究を行うためのスキルを向上させるとともに,基礎科目,専門科目を開講し知識を一層深めます。
4年次では,必修科目の生物環境工学演習を研究室ごとに開講し,論文講読や自らの研究発表や議論を通じて,専門知識を広げるとともに,科学情報処理の基礎力修得と科学的な議論や発表の技法の修得を目指します。同時に必修科目として卒業論文を開講し,各教員の指導の下,最先端の実験研究を行い,その内容を卒業論文として取りまとめ卒業論文発表会でプレゼンテーションします。この卒業論文を通じて専門性を高めると共に,主体的に学習する能力を養い,生涯学習力を向上させます。また,広範な農学部他学科の科目を選択履修できるようにカリキュラムを設定しています。

農学部農業経済学科では,2年次にまず農業経済学概論,ミクロ農業経済学,マクロ農業経済学など農業経済学の基礎科目,農業政策学,農業経営学,開発経済学,協同組合学,農業市場学など農業経済学を構成する代表科目を必修科目として提供しています。
3年次からはさらに農業経済学の各論を広く選択科目として自由に選択して履修させるとともに,研究室ごとにゼミナール形式で開設される農業経済学実験を3年次2コマ,4年次1コマ選択して履修し,理論的,実証的に農業経済学を深めていきます。
4年次には所属研究室(=農業経済学実験Ⅲを受講する研究室)において卒業論文を作成指導します。論文のテーマはもちろん,論文構成,分析対象についても教員の指導の下で学生が主体的に決め,研究を遂行していくことが特徴点であり,専門性を高めると共に主体的学習能力等の生涯学習力を養います。
この他,広範な農学各種分野の講義を履修できるようにカリキュラムを設定しています。

学修成果の評価の方針

Ⅰ 成績評価の基準
1. 成績評価にあたっては,本学部の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる「養成する人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)」を踏まえ,授業科目ごとに「到達目標」を設定し,履修者の「学修成果の質」(達成度)に応じて行うこととする。 
2. (相対評価的な要素が必要な科目の場合)
本学部が設定している講義科目は相対評価を基本とする。成績分布は,「A+」及び「A」=20%,「A-」及び「B+」=35%,「B」及び「B-」=35%,「C+」及び「C」=10%を目安として成績評価する。
なお,担当教員が必要と認めた場合は具体的な到達目標を定めたうえで,講義科目でも絶対評価を採用することもできる。
3. (絶対評価的な要素が必要な科目の場合)
本学部で設定している「実験」「実習」「演習」「卒業論文」は,ディプロマポリシーの要件を満たす人材として必要な知識を備えているかの具体的な「到達目標」を定め,達成度に応じて評価することとし,成績分布の目安は示さない。
なお,絶対評価であっても「A+」及び「A」は人数の20%程度を目安とする。
4. (同一科目を複数教員が開講する等,公平性の担保が必要な科目の場合)
成績評価は,11段階評価に統一することとするが,担当教員が必要と認めた場合は,「A」,「B+」,「B-」,「C」,「D」,「F」の6段階評価に統一することとする。
5. 授業科目ごとに適切な「到達目標」が設定されており,当該「到達目標」に基づく成績評価の結果を学期ごとに教務委員会で検証し,各教員に周知を行う他,必要に応じて担当教員に「到達目標」の再検討を依頼する。

Ⅱ 成績評価の方法
1. 成績評価は原則として,試験結果,レポート評価,成果発表(プレゼンテーション),学修態度等により行う。
2. 授業への出欠状況を単に点数化し評価に用いることはできない。
3. 具体的な評価方法は,授業担当教員が定める。

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学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

農学部では,本学の4つの基本理念(フロンティア精神,国際性の涵養,全人教育,実学の重視)の下,食料,資源,エネルギー,環境等,人類の生存の基盤である農学分野に関する問題の解決並びに農林業および関連産業の持続的発展に寄与するために,生物生産と環境との調和を図れる広い視野と高度な専門性を有する人材を育成することを教育目標としています。農学部では,この教育目標に基づき,次の学力・能力・資質を身に付け,かつ所定の単位を修得した学生に学士の学位を授与します。
【知識・理解】
農学に関する生物資源科学,応用生命科学,生物機能化学,森林科学,畜産科学,生物環境工学,または農業経済学の各分野における専門的な幅広い知識および基礎的理論を体系的に身につけ,理解し,運用できる。当該分野の最近の研究動向について説明・コメントできる。
【問題解決能力・論理的思考力】
農学の各分野において論点となる課題を設定し,調査・実験により論拠となるデータを示し,論理的に結論を与えることができる。
【情報収集活用能力】
文献情報等,必要に応じて適切な情報を探索することができ,情報を理解し正しく活用できる。
【調査・実験能力】
必要な調査および実験を設定でき,正確に実施することができる。
得られたデータを適切に分析・解析する数量的スキルを有する。
【コミュニケーション技能・発信技能】
日本語および英語等を用いて,科学的議論,口頭発表および論文発表できる。
【生涯学習力】
卒業後も生涯にわたり学び続けるための,自己管理および主体的学習ができる。
市民としての責任を自覚し,倫理観を身に付け,社会の様々な課題に対応できる。

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